双曲線反比例図
今回から本編再開!
京介と彩奈の恋の物語が再始動!
でも新たなライバルが????
双曲線反比例図
case Kyosuke Yoshioka
「お疲れ様。」
除染室で手を洗っていると彩奈が話しかけてきた。
「ありがとう、お前もな。」
俺は軽く挨拶をして中央手術センターを彩奈と一緒に出る。すると扉の前に美波が立っていた。
「お疲れ様、京介。」
彼女はその煌びやかな黄金色の髪を揺らしながら笑顔たでカフェラテを渡してきた。
「美波、来てたのか。」
「うん、久しぶりに京介の顔見たかったからさ。」
俺の言葉に美波はどこか恥ずかしそうにそう答えた。やっぱり美波の可愛さは昔から変わらないなと感じた。高校では男子より女子からの人気が高かったのを俺は覚えている。確か王女様とかって呼ばれてたはずだ。
「美波、やっぱりイケメンだな。」
そう彩奈は口にした。そこに水を刺すように美波が言った。
「ありがと、彩奈。ところで2人ってもしかして付き合ってる?」
その言葉に俺は口ごもってしまった。それはこの間の二人の別荘の夜の件があったからだ。一瞬静寂が場を包んだがすぐに彩奈が反論した。そしてその言葉は俺の心を抉るような言葉だった。
「付き合ってるわけないじゃん!だって何年も一緒にいると恋愛感情わかなくなるんだよね。」
その彩奈から放たれた言葉に俺は内心頭を鈍器で殴られたような感覚に陥った。そして美波が少し口元を緩ませて言った。
「じゃあ京介は私が貰っていい?」
恐らく美波は俺のことが好きなのだろう。美波の言葉から俺は今初めて自分が「杣田彩奈」のことが好きなのだと感じた。しかも、それと同時にこの恋の成功する確率も同時に理解できた。そう、もうほぼ0%だろう。そこで俺は時間稼ぎをすることにした。
「ごめん、今はそんな恋人とか作るつもりはないんだ。」
そっと彩奈のほうを見ると彼女は顔を下に向けていて表情が見えかった。そしてこの言葉をどう受け取ったのか美波はこう答えた。
「じゃあ仮でもいいから印をつけさせてもらうね。」
美波はそう言うと俺のほうに近づいてそっと首筋にキスをした。多分キスマをつけてきたのだろう。すぐに俺は彩奈に声をかけた。
「彩奈、ちょっと待っ..」
「ごめん、帰る!」
俺の言葉を聞かずに彩奈は医局のほうへと走り去ってしまった。これで俺の11年間の片思いは終わってしまったのだろう。そのあとのことはもう覚えていない。医局でもミスを連発し、俺の主治医である牧野先生から呼び出されたりもしたがもう俺の頭の中は後悔の念で押しつぶされてとても他のことに目を向けられる状態ではなかった。
case Ayana Somada
美波ちゃんの行動に私は完全に心を蝕まれてその場から走って屋上までやってきた。屋上からは新宿の夜景が滲んで見えた。「あぁ、私泣いてるんだ。」そう心で私は理解できた。まさかこの恋がこんな形で終わるなんて思ってもいなかった。結局私はただ踏み出せず指をくわえて待っていた意気地なしだ。私は泣いた。思いっきり泣いた。そしてしばらく屋上で風にあたっているとプライベートのスマホが鳴った。発信元を見ると「伊井波遥」と表示されていた。私はとっさに会話ボタンをタップした。
「はい、彩奈です。」
かすれた声でそう言うと遥は強い口調で言ってきた。
「ないやってんの彩奈!このままじゃ京介君取られちゃうよ!あの小悪魔な美波に!」
「もう私無理だよ!だってあんなに美波が積極的だと私には勝ち目がないんだよ!」
投げやりに遥にそう言ってしまった。ほんとうはこんなこと言いたくないのに。本当は、京介が欲しいだけなのに。
「大丈夫だよ!まだ彩奈には勝ち目がある!なぜなら京介は彩奈のことが好きだから!」
その遥の言葉に私は疑問を抱いた。「京介が、私のことを?」と、
「証人はこの私!いつも二人はあの変な距離感だけどそこからすぐにわかるよ。だって京介は彩奈に無理やり手を出したり嫌なことをしたりしなかったでしょ。」
確かに遥の言うとおりだ。今思えばお泊りの時もこれまで二人で出かけた時も京介は私にそういうことをしてこなかったしひどいこともしてこなかった。
「確かにそうかもしれないけど、でも京介は美波と私が話しているとき私のことは上の空だったもん。」
「それだけで結論を出すの?この際だから言うけど私は京介から何度も彩奈の誕生日プレゼントとかホワイトデーのプレゼントとかのことを相談されてたの。でも京介は彩奈をどうこうしようとかそういう話は一切しなかった。それが京介の優しさなの!」
遥は高校の時から私のことをよくテストで失敗すれば慰めてくれた。そして今もこうして助けられてる。本当に遥は天使のようだ。
「ありがとう遥、私間違ってたよ。おかげで正気を取り戻せたよ。今度のお泊りデートまでに絶対京介を私のものにする。」
「そう!それでこそ彩奈だよ!頑張れば絶対この恋は実るよ!」
なんだか遥と話して心が軽くなった。私は軽い足取りで屋上の手すりに腰掛ける。すると屋上のエレベーターの扉が開いた。そしてそこからは京介が出てきた。私はゆっくりと京介に抱き着く。そして京介も抱きしめ返してくれた。そっと美波ちゃんのキスマの上に私の唇を当てる。
「上書き完了。」
そう私は言うのだった。甘い甘い恋の物語はまだまだ続くのだった。
今回のお話はどうでしたか?
みんなは小悪魔系の彼女とお姉さん系彼女、どっちが好き?




