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ウザかった幼馴染の女医が最近可愛くなった  作者: 国北弘樹
整形外科医 吉岡健太郎の診療カルテ
5/9

急変

今回のお話は前回のお話と同じ時間軸のお話です!

健太郎に担当患者の急変の連絡が??

しかもその患者はどうやら???

 急変


 case Yoshioka Kentarou


 熱傷センターに晴美と共に入ると既に研修医と当直の看護師が対応にあたっていた。患者の心拍数を見ると異常値で既に死戦期呼吸に突入していた。


「状況は?」


俺が聞くと研修医の1人が答えた。


「急に心拍が乱れてVFになって今に至ります。」


すると晴美が答えた。


「この患者の既往症については確認してあるの?」


「確認してあります、糖尿病ですよね。というかあなたは?」


また研修医が晴美に聞いた。


「私は国分寺医療センターの中里晴美よ、この患者の元担当医!」


俺も晴美の話に付け足す。


「たまたま今日うちに来てたんだ。」


「そうでしたか。というかどうしますか?」


「とりあえずエコーもってこい。内臓の確認をしながらアドレナリン入れて心配蘇生だ!」


俺が指示を出すと当直の遥先輩がエコーセットを取りに行った。すぐに心臓マッサージが行われる。


「晴美、アドレナリン入れてくれ!」


そう言うと晴美の元にアドレナリンが入った注射器が差し出される。すぐにそれを晴美は受け取って患者の点滴の管に流す。


「リズムチェックお願いします。」


晴美がそう言って一旦心臓マッサージが止められる。だがモニターはまだVFと表示していた。


「再開!」


そう言うと遥先輩がエコーキットを持ってきた。


「キット持ってきました、健太郎先生お願いします。」


「わかった。」


そう言って俺は患者の腹部にエコーを当てる。すると肝臓の辺りに黒い影が確認できた。


「おい晴美、これって。」


俺の言葉に晴美が答えた。


「これって、内臓出血!しかもここ私のチームが縫合したところよ。」


「じゃあ多分内臓がもうダメージ負いすぎてもう縫合じゃもたないってことだな。」


「先輩、心拍再開しました。」


研修医がそう言うと同時に俺は宣言した。


「腹開けねぇともたねぇぞ!手術室開けろ!」


すぐに俺の言葉に遥先輩が答えた。


「わかりました、手術室手配します!」


遥先輩がすぐに内線電話の方に走って行った。


「じゃあベッド動かせるように準備するぞ。」


「ごめんなさい、私のミスのせいで。」


晴美はそう言って視線を落とす。その顔を見てすぐに励ましの言葉をかける。


「大丈夫だ、この程度なら救命できるし肝臓は厄介な臓器だからしょうがない。」


「手術室手配できました!」


遥先輩の言葉に全員がアイコンタクトで反応してベッドのロックを外して患者を手術室に急いで運ぶ。


「オペは晴美と俺で執刀する!」


その後、オペはうまく進み患者は一命を取り留めた。晴美と俺は医局で共にコーヒーを飲んでいた。


「本当にごめん、私のせいで。」


「おまえのせいじゃないから大丈夫だ。」


俺の言葉に晴美は暗い表情をして答えた。


「そうだよね、やっぱり私はダメだね。」


こういう時、男は女子になんて話しかければ良いのかわからなくなる。こう言う時に自分のコミュ力と無力さを憎む。


「そんなことはねぇよ、晴美はよくやったよ。ミスしたけどオペは上手くいっただろ。だからそう肩を落とすな。」


俺の言葉に晴美は涙を啜りながら言った。晴美はミスをどこまでも引きずるタイプだと言うことを俺は知っていた。


「じゃあ今だけ恋人として、私のこと抱きしめてよ。」


晴美の言葉に対して俺は無言で晴美を抱きしめた。


「今だけは、見ないふりしてやるから泣けよ。」


晴美は俺の胸の中ですごく泣いた。ここで晴美の心のガス抜きをしてやることが大切だと心に俺は言い聞かせた。静かに晴美の背中を摩る。本当に晴美は体が細くて心配になる。


「ありがとう、健太郎。私は健太郎のそういうところが好き。」


そう言って晴美はゆっくりと俺の元から離れた。目元は涙が残り仄かに紅く染まっていた。本当に可愛すぎるんだよ晴美は。そして晴美が俺の肩に体重を預けたところで医局の扉が開いた。それと同時に声がした。


「おはようございます先輩!」


研修医の1人が入ってきた。


「あれ、そちらは彼女さんですか?」


冷やかしのような感じで聞いてきた。もう最悪すぎないか?この場面見られたら100%誤解されるよな?


「晴美、ちょっとどいてくれないか?」


「嫌ーだ!傍にいてよ!」


今の言葉でコイツの状態は理解できた。これ絶対寝ぼけてるだろ!早く目を覚ましてくれよ!


「先輩、職場でイチャつくのはあまりお勧めしませんよ。」


「頼む誤解なんだよ!許してくれ!」


そう俺が言っても研修医は聞く耳を持たずに医局を去って行った。もう終わったって...こんなこと遥先輩たちにバレたら確実に終わる。俺はそっと晴美の顔に触れてそっとキスをした。正直めっちゃ恥ずかしい!!!!

その後は想像通りめちゃくちゃ晴美は戸惑っていた。そして無事に牧野先生や原先生に全部バレた。冷やかしが始まったのはまた別のお話です。

 今回のお話はどうでしたか?

やっぱり悲しんでる女子にそっと声を

掛けられる男の人ってカッコいいですよね!

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