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カテキョに任命されまして


 なんやかんやでクラスメイト達とは話しつつ、騎士団長(だとか、参謀だとかが俺たちに色々教えてくれた。正直初めに受けた説明とゆうて変わりはないので、割愛する。


 後日、俺の知識を調べるための問題を出してきた。二次関数とかがあったのは結構びっくりした。あっても割り算ぐらいまでだと思っていたからな。まぁ、それでも高校生なら余裕って感じの問題しかなくて、無事合格することができました。


 「流石だな、知恵と知識で国の助けになるというだけのことはある」


 別に思ったより、問題数が多かったとか、言語がうろ覚えだったから読み間違えかけたとか、時間足りなかったとかなかったから。全然余裕だったから。ほんのちょっとだけ不安だっただけだから。マジで。まぁ、言語を覚えるために色々やったけど時間足りないかったから、袖にカンニングペーパー仕込んだけどバレなくてよかったー、


 「斉藤佑樹よ、お主は天才だ。ただの技術者としては勿体無い。よって姫の家庭教師をしてくれないか?」


 なんで?脈絡なくね?


 「仰せのままに」


 まぁ今のところいい感じかな?クラスメイトの大半が俺と同等かそれ以上ってことバレないようにしないとな。バレちまったら俺の価値は一気に下落する。そしてまた追い出されてリトライだ。


 「よろしくお願いいたします。斉藤様」


 「よろしくお願いします」


 なんか優しそうな姫のカテキョに本当になっちゃったよ。てか何教えるの?俺この国言葉全然覚えてないんだけど、計算系に使うやつしか覚えてないよ。何ならそれさえもあやふやなのに。


 「今日は何を教えてくださるのですか?」


 えっ?俺に聞くそれ?マジか、この国ってほんと適当だよなぁ。俺が天才だって思い込んでるとしても、異界の人間に丸投げは頭悪くないか?俺に任せる根拠を言え!てか、こうゆう人召喚して何とかしようとするのって、創作でしか見たことないけど実際体験したらクソだな。人任せの究極体だろこれ。


 あー、てか何教えよ。なんかいい感じに俺の好感度が上がって、文句言われないやつないかなぁ…そうだ!地球の話でもしとこ、知識は大事だしね。


 「今日は私が住んでいた地球と言う異界の話でもいたしましょうか?」


 「いいですの?すごく気になります!」


 やったー、食いついてくれた。ラッキー。


 「では、私たちの世界でどのように生物が生まれたかでもお話ししましょう」


 それから俺は適当に微生物から三葉虫とか、恐竜とか猿人とかの話をした。水がどっからきたかは詳しくないけど、どっかで水の惑星とぶつかって水が地球にできた説、みたいな話聞いた気がするからそう言っといた。ここ地球じゃないからヘーキヘーキ。なんとなくおかしい説明になった気もするけど、俺らからすれば、ここが圧倒的におかしいから違和感なく信じてくれた。なんか人類しかいないのにびっくりしてたなぁ、魚人とかいないことにショック受けててワロタ。


 「今日はありがとうございました」


 「ありがとうございました。では」


 やっと終わった。五時間ぐらい話したわ、話すことすぐなくなったから俺がやってたネトゲの話までしたよ。ゲームの話だったらある程度膨らましながら話せるから、時間取れていい感じだわ。


 そういえば俺以外の奴らは、戦闘系と生産系みたいな感じに分かれて訓練してるらしい。俺は訓練してもザコだからしなくていいって言われた。かなしい。窓から下を見ると、みんなが頑張ってなんかやってる。すごいやつは手から炎出したり、ビーム出したり、空飛んだりと無茶苦茶やってる。俺もあんなことしたかったなぁ…


 そうして一週間が経った。


 「斉藤佑樹、お前私たちに隠していることがあるな」


 急に呼び出されて騎士さん達に羽交締めされた。なんかお偉いさん方はご立腹だ。王様もキレてるみたいだ。


 「殿下、なんのことか私にはさっぱりです」


 「白々しい、何が限られたものしか知らないだ!お前と同じ異界の民は、お前と同じ知識を持つものが軽く十人もいるじゃないか!それもお前の知識は、とても曖昧で知識として振る舞うには強度にかける代物ばかりだ!原がいうにはお前はこの集団の中の下だそうじゃないか!それに王女に教えた知識も異界では常識の範疇でしかなかったとも言っていた!何なら間違いも多く含まれているともな聞いたぞ!」


 oh…バレちゃった。やっぱりこの作戦は厳しいよなぁ。俺より賢い奴らめっちゃいるし、不満持つ奴もいるだろうから、告発されるとは思ってたけど、もう少し耐えてくれよ。


 「それはですね。殿下…」


 「もういい!貴様の話は聞くに耐えない!こいつを監獄に送り込め!」


 「殿下、監獄とはロックサリー監獄でしょうか?」


 「違うに決まっているだろう!タルタロス監獄だ!レベルは5!罪は国家転覆だ!」


 えぇ…マジで言ってんの?俺なんかやばそうなところに生かされそうなんだけど。


 そのまま騎士達に押し出されるように城の外まで連れて行かれた。そこにはやけに厳重そうな馬車があり、俺をそこに投げ入れ閉じ込められた。


 「…ついてねぇな、異界のあんちゃん。タルタロスはこの国で一番やべぇ監獄だ。さらにレベル5となりゃ国家転覆か大量殺人鬼くらいしかいねぇ。まぁ、巻き込まれないように気をつけな」


 と、城の騎士より少し見窄らしい鎧を着たおじさんが気の毒そうに言ってきた。多分いい人なんだろうなぁ。


 「監獄に入ったら、外に出ることってできるんですか?」


 「んにゃ、無理だな。外に出るとなりゃ脱獄ってことになるが、この二百年は脱獄犯は出てねぇらしいぜ。タルタロスでは。とりあえずタルタロスに着くまでのこの馬車の中が最後の安息になるかもな」


 「そうですか…」


 マジか、これやり直しよりまずいルート来ちまったなぁ。でも死にたくねぇ…


 俺は馬車の揺れというか振動を受けつつ、けつと心にダメージを負いながら大きくため息をついた。

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