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異界の錬金術師

色々あって投稿してできてなかったです。


これからちょいちょいまた投稿していきます。


 いやぁ、謎の強敵ブームは楽しいね。この死神さんも流石にちょっとは狼狽えてただろ!そんなそぶり一切なかったけど。


 「…話をきこう」


 少し悩ましい顔つきで死神さんはいった。


 「俺があんたにするのは提案だ。この監獄からの脱出計画に乗らないか?」


 「脱出?あなたはここから出る方法を知ってるの?」


 「いや、全く知らない」


 大きくため息をついてバカらしいと言わんばかりの顔になる。そりゃそうだ。だが、俺はこの監獄の秘密を知っている。


 「だけどな、この監獄は完璧じゃない」


 「…なんで、そんなこといえるの?」


 しぶしぶおれに返答する死神さん。俺はどうにかしてこの人を味方にするしかない。秘密は知っていることで優位に立てるとしても、絶対的な決定打にならないのだから。


 

 

 「この監獄はある一族のスキルだ」


 そう、これが俺が持つ最後で最高の切り札。監獄を作ってしまうスキルは、勇者たちのスキルと同じように秘匿されていた。故に誰も知らないのだ。この監獄の成り立ちも、どのように生まれたのかも。だから、皆怯える。得体の知れない者は中身がゴミであったとしても恐怖をそそる。


 「どうしてそう言い切れるの」


 「それはな、俺は勇者だからだ。そしてこの国参謀も務めたことがある」


 なんか、教えてもらえたんだよね。ラッキーだったわ。それよりもスキルであることを隠すことにはもっと重要な理由がある。


 「一つ聞こう、なんでスキルであることを秘匿すると思う?」


 「なぜ?それは教える必要がないからでしょう」


 「確かにそうかもしれない。だが、俺はこう思う。スキルが完璧ではないから隠すのではないかと。もし監獄に入ったら最後一生出れないスキルだとすると、国の威厳を上げるため公言すると思うのだがどうだろう?」


 彼女は初めて俺に目を合わせた。


 「その仮説は正しいかも」


 「なら…」


 「でも、正しいからと言って貴方に手を貸す必要はない」


 そりゃそうだ。俺が圧倒的な才能、いやわかりやすく有能だと思われなければ手を組まないだろう。こんな所じゃ人情なんてもん期待するだけ無駄だ。これは賭けだった。異界出身でありながら殺すことのできない者に、価値を見出してもらえるかどうかと言う酷く薄い所にベットしたのだから。


 「そうだよな……じゃあ戻るわ。俺もあんたもわざわざ話すかもないだろ」


 仕方ない、これは失敗するのがわかっていたようなものだから。俺は何度もそう思おうとしたが、受け止めきれない。この監獄で最底辺の俺をどうにかしてくれるやつは見つかるはずがない。だから、賭けだった。はぁ、どうにかこき使われない立ち位置目指すかな。


 「…ちょっと待って」


 「えっ?」


 マジか、俺は見放されてなかったのか。あぁ、ありがとう神様、仏様。この世界に来たこと以外の全てに感謝します。


 「一つ、条件を飲んでくれるなら考えてみることにする」


 マジかぁ!熱すぎるって!


 「いいよ。でなに?条件って」


 うわ、なんか変な感じで返答しちゃった。まあええか、それより条件ってなんだろ?


 「ちょっと手出して」


 「はい」


 言われるがまま手を彼女の方に出す。すると彼女が手に触れた。そして何かをしようとしているようだ。


 「ん?何をしたいん――」


 その瞬間手が内部から破裂するように壊れ始めて、俺がどうもすることも出来ず体全体が破裂した。





 「え?」


 おれは鉄の扉の前に立っていた。


 「これって……」


 そして体が宙に浮く。いや胴体が別れた。


 ああ、マジか。また死んでるじゃんか。

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