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戦後モラトリアム紀行  作者: 鐘白
4/10

1949年4月 上野

 ハジメと意思の疎通が出来ると分かった米兵は上機嫌で話し続けた。


 「俺はちょっと前に兵役で来たんだ、エキゾチックでどこも面白いな、それで、記念として家族に写真を送っているんだ、この前はあそこに行ってきた、えーっと、アツミ?なんか山が良かったな、うん」

すると彼の仲間の一人が、「熱海だよ、写真撮ってんだろ覚えとけよ」と呆れた様子で訂正をした。そして「そろそろ時間だ行くぞ」と言いながら、この場を離れていった。


「ちっ、分かったよ、それじゃ少年、グッバイ、えーと名前は?」

「安藤といいます。ハジメ・アンドウです」

「OK、俺はチャック・ブラウン、見たまんま合衆国兵士でカンザス出身、写真楽しみにしてろよ」

 履き慣れていない草履で、足の親指が痛いのか、鼻緒部分を弄ってから

 

 「See you!」


 と、手を振りながら駆け足で去っていった。


 「えっと、See you …?」

 

 ハジメは、米兵の名前『チャック・ブラウン』と、『See you 』の二つを反芻しながら、夕闇の中で立ち尽くしていた。

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