9巻 四十神
本気を見せるオデやろう・・・。
大砲が外れた途端、オデやろうの妖気が一気に上がった。つまり、さっきまでは前座ってわけだ。なめやがるぜ、六人切裂!恐らく、あの大砲はリミッターにもなっていたんだろう。
「ぐふぅぅぅ、行くべよ!」
ボゴゴォォォォオオッ!!
「なっ!?・・・」
オデやろうの体がひとまわりデカくなった。大砲が外れた事で、溜まっていた妖気が体を強化させたのだ。
「待てよ、じゃあ対妖術装甲は外れたのか?」
オレは水虎を撃ち放つ、するとオデやろうに直撃した。だが、もし予想が外れたらもう終わりだ。
「ぬおぉぉう、くそう!」
オデやろうに初めて妖術が通じた。つまりあのチートじみた、鎧はもうないわけだ!これなら勝機はある!!
「ようし、究極奥義だべ!一族の切り札、重鉄変化!!」
オデやろうはなにやら、呪文を唱え始める。するとオデやろうの体が鉄のような色になり、そして重さがやばい程重くなった。その証拠に、オデやろうの下の地面がへこんでいる。
「ふんがぁっ!」
バゴォォォン!
地面を殴った衝撃で、オレは数十メートル先まで飛んだ。ホントに馬鹿力ってすげえ。
「ちいぃっ、腕足1本ずつ砕けてるからって・・・。」
オレはさっきオデやろうを殴ったとき、大砲を壊したときに腕と足が砕けた。これじゃよけれるわけがない。まだ妖気は、いくらでもあるがな。
「やってみますか、水流銛!!」
鍛錬じゃ、1回ぽっきりしか決めてない。だが、最も威力が高い妖術だ。
「水妖術、水流銛!!」
ズアアアアアァァッァァァ!
妖気のコントロールに集中しろ、攻撃なんか構わん!いくっきゃねえぞ!!!!!
「おっ、デカい妖気だべ。」
オデやろう、危機感でも感じて引き下がったな。だが、水流銛はコントロール系の妖術だ。リーチだって伸ばせる、ハズ。
「殴ればいいべ。」
ドドォオオン!
「ウソだ・・・。」
オレの水流銛が、殴られただけで散った。やっぱ無理だったのか?オデやろうがこっちに突進してくる。死ぬわ、これ。
「岩石激突!!」
スドッ
鈍い音、多分内臓が逝った・・・。意識が遠のいてく、地獄いきかな~オレ。
「オイ、勝手ニ死ヌナ。マダ、ボクトノ契約果タシテナイダロ?」
誰だ、この声。どっかで聞いた事ある、不思議と落ち着く声・・・。
「ホラ、アノ冥玉ト融合シタトキニ話シカケテキタサー。」
思い出した、あのときの声だ!でも、顔なんか知らない。話しかけてきただけだから。
「ボクノ名前ハ、四十神海鈴。キミハ当主ニナリタイッテ願イヲモッテ、コノKIDOニ参加シタンダロ?」
そうだ、海鈴の言うとおりだ。その願いのために、本家の証を犠牲にしたんだ。
「ボクハソノ願イニ協力スルノト代償ニ、キミノ妖気を、1日全力ノ25パーセント喰ラウコトニナッテル。」
「オレは知らないぞ、そんなの。」
まあいいじゃん、そう言われた。まあ、寿命をいただくとかじゃねーし。って、死ぬのかなオレ。
「アッ、キミ死ナナイカラ。元ニ戻ッタラボクノ名前ヲ呟クンダヨ!」
そして、さっきの森に戻った。すぐにオレは、海鈴と心の中で呟いた。その瞬間、オレの体が青白く輝いた。
「うおおおおおっ!みなぎってきたああ!!」
「なんだべ!?何が起こったんだべ!?」
オデやろうは、腰を抜かしていた。この妖気の増え様に、オレも驚いていた。
「ちくしょう、岩石激突!!」
突進してきた、あれでオレは死に掛けたんだからな。だが、海鈴は酷なことを言う。
「ソノママ、ソノママ動クンジャナイゾ。」
「はあっ!?」
ザパパァァァ
「うえぁああ!」
なんだ、急にオデやろうが吹っ飛んだぞ。海鈴のやつ、なにをした?
「コレガボクノ力、衝撃反射サ!」
これすげえ!これあったら無敵じゃねーか!オデやろうもフラフラだし。
「おんのれぇぇい。・・・!?」
スバババババァッ
オデやろうの体を光が貫いていた。瞬く間に、オデやろうは干からびてしまった。
「まったく、馬鹿な子。」
一人の青い眼をした女性がいた。今のセリフからして、味方じゃねえ。
「私は、奈津恵美。六人切裂NO.3よ。今のは最弱のNO.6なの。」
「なっ!」
こんなことが・・・、あんなすげえ妖術が存在するのか?
「まあ、今回はコイツの始末だから。」
「ふざけんな!コイツはなあ、オマエらが元に戻してくれるっていうから、オレと戦ってたんだぞ!」
奈津は、オレの言葉をまるで無視する。そして去っていった。
「ドウスル?」
「いつか倒す!だが、今じゃ勝てない。」
そうだ、人を道具のように扱う、あいつらがはびこる本家をはやく改善しねえと。
「じゃあ、ぼくらの仲間になりなよ。」
振り向くと人が集まっていた。
突如現れた、この集団は?