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2巻 KIDO

前回、見事敵を倒した時男だが・・・

翌日、秋永から男は死んだと報告された。オレは正直戸惑った。人を殺したんだし、あんなに妖術を使ってしまったから。

「大丈夫、君のやったことは絶対警察にはバレない。」

「どーゆうことだ?」

妖術に使う水には、僅かながら鉄分が含まれている。それで周辺の人間が調べられ、アリバイのないオレ=犯人に容易に結びつく。

「それはね、このゲームKIDOキドウの主催者さんが参加者の犯した犯罪を、参加中はすべてチャラにしてくれてるからなの。」

「このゲーム中に起きた犯罪がなかったことになるってのか?」

となると、前の男のような連中がほとんどだろう。犯罪をチャラにできるってことは、人間を何人殺しても構わないということだ・・・。物騒にも程がある。

「そもそも、いつからこのゲームは始まってんだ!?」

「300年以上も前からよ。このゲームに関する資料で一番古いのが300年前のモノってだけで実際はもっと昔から行われてると思う。」

300年以上も前から日本人は、こんな物騒いや、凶悪な殺人ゲームをしていたのか!?恐らく、戦時中も構わずやっていたんだろう。秋永はこのゲームに何食わぬ顔で参加している、異常の域に達している・・・。

「君にもこのKIDOに参加してほしい。」

「は!?ふざけんな!あんなゲームに参加しろだぁ!?」

オレはハッとした、ここは食堂だ。皆がオレを見る。

「あっははは・・・。すみません~。」

オレと秋永はしばらくダンマリだった。そして、秋永の方から話し出した。

「今日の放課後、主催者さんに逢わせるから。教室で誰もいなくなるまで待ってて。」

「けっ、わかったよ。」

放課後になり、誰もいなくなった。すると、オレと秋永だけの教室に赤井が入ってきた。

「へぇ~、切裂も参加すんのか。」

「赤井!?・・・なんで?」

訳がわからない、なんでこの女がここに来る?・・・まさか!

「お察しの通りや、あたしがこのKIDOの主催者や!」

やはり、この女が主催者だったのか。オレは驚きと怒りに満ちていた。

「主催者、赤井香苗!今すぐこのゲームを中止しろ!!これ以上人間を殺してなんになる!?」

赤井はオレの言葉に怯んだが、すぐに言い返す。

「それは駄目や、やめたら参加者の願いを聞いてやれやんのやから。」

「なんだと!?」

参加者の願いを聞いてやれない、ただそれだけの理由で続けてるってのか!?

「無論それだけやない、これは犯罪者を減らすことにもなっとるんや。」

「人間何人殺してもいいってルールでか、矛盾だな。」

オレは間違ってはいない、このゲームは明らかにおかしい。しかしこの直後オレはとんでもない誤解をしていたことになる。

「人間を殺してもいいってんは言っとるけど、殺していいのは犯罪者に限るんやで。」

「そこにも矛盾があるが。」

赤井は溜め息をついた。言い負かせたんだろうか?

「ええか、人間っつーのは己が願いのためなら親だろうと犠牲にするモンや。参加者、秋永も何か一つ犠牲にして参加しとるんや。秋永の場合は、自分の寿命を半分にして参加しとる。秋永は自身の不老不死を願ってKIDOに参加しとるんや!」

秋永の願いってそんなスゴイもんだったのか・・・。たしかに、人間はものごとを成し遂げるためには必ず犠牲を必要とする。オレはもしこのゲームに参加して何を願う?

「あんたのトコの事情は知ってる。昔本家の長男だったのに、才能がないってことでこんなトコまで追い出されたんやろ?」

そんなこと知ってる人間ってたら、叔父さんぐらいしかいねえぞ。秋永も驚いている。

「そんなことが・・・。でも十分な力はあるじゃない!」

「そっか、よし!オレも参加する!!そんで、本当に願いを叶えてくれんだろうな?」

オレは本家の当主になりたい!と叫んだ。秋永も笑顔でがんばれと言ってくれた。

「じゃ、何を犠牲にすんねん?」

「この本家の人間の証、青き石だ。」

そして、このゲームに正式に参加した。


次回、いきなり最強の妖師-アヤカシ-が現れる!

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