10巻 集団
命を助けてもらった時男だが、この集団はいったい!?
こいつらなんなんだ、いきなり後ろから出てきて。さっきの、奈津の仲間か!?いや、この声と姿。まさか、あの人か!
「加賀さん、ですか?」
「そうだよ。ああ、切裂くんじゃないか!」
やっぱり加賀さん、あんただったのか。でも、なんでいるの?しかも大勢の妖師-アヤカシ-と。やっぱ背、高。
「これって、どうゆうことですか?」
「この方たちは、ぼくの集団仲間さ。」
集団、それはこのKIDOにおいて大事なものである。この集団に入っている妖師-アヤカシ-は、失格してもリーダーがいる限り何度でも再戦できる、というものらしい。赤井のヤツ、説明ほとんどしなかったからな。
「わたしも、ここに入ってるの。」
「千鶴!」
なんと、千鶴もこの集団に入っていた。コイツは不純な理由で入ったな・・・。
「ここの集団名は、四十神だ。」
四十神、ということはこの大勢の妖師-アヤカシ-全員がオレみたいに、四十神と契約してるのか。
「わたしの四十神、出てきて!星蘭!!」
千鶴が叫んだとたん、上から白い衣を纏った女性が現れた。これが、千鶴の四十神。なんか、美しい。でも、性格は・・・。いや、神なんだからそんなはずはない。
「アラ、千鶴ノ夫ニシテハ、随分ヤワソーナ。」
「おい、ふざけんな。誰がコイツの夫だ、しかも性格は同じって・・・。一応、神だろ?」
まあ、せっかく出してもらったんだ。オレも海鈴を呼ぶとしますか。
「出でよ、海鈴!」
「ヤア、ボクハ海鈴デスウ。」
ついでに言うと、海鈴は1つ目の鮫のような姿をしている。そして、オレの予想通りの展開になった。
「グォブ、ボグ魚ノ神ダカラ息ガァァァ!」
オレはすぐに、海鈴を引っ込めた。なんだこのボケボケな神は。どこ探してもいねえぞ。そして皆、自分と契約した四十神を出した。やっぱり、すぐにダウンするものも出た。水棲生物系の神がほとんどだった。やっぱバカだ・・・。
「こんなにも、神がいるとは・・・。しかし、多すぎて崇高さを感じられないな。」
そうだ、天界とかにいる神がこんなにいると偉大さが欠ける。加賀さんの四十神は、蛸だった。
「そうそう、リーダーに挨拶しといたら?」
振り向くと、顔が半分爛れている男が現れた。皆、頭を下げている。このコワモテがリーダーというわけだ。
「このガキも、四十神なんだな?」
「はい、そうですリーダー。」
あの加賀さんが、解術も心得ている加賀さんが頭を下げている。この男、とんでもねえ妖師-アヤカシ-だ。妖気が現れた瞬間から、半端ない!
「オレ、切裂時男と申します!」
あっ、言葉がおかしくなってた・・・。でも、この男は何も言わなかった。案外器がデカいのかも。
「おい、オレの練習相手しろ。」
ビリリリリィィイィ
「があああああぁぁぁっ!」
全身に電流が走った。しかも、今までよりずっと重い!あの男、いきなり攻撃してきやがった。
「いいか、この世界人様に従えない家畜は、滅びるのが常なんだよ!」
さらに攻撃を続けてくる、前に体を回復したので、動ける。これは恐らく四十神の攻撃だ、男が一歩も動いていない。
「逃がさねえ!」
一瞬だったが、猪のような影が見えた。男の四十神だろう。でも、このままだと殺されるぞ絶対。
「コノ先ニ池ガアル!ソコニ潜レ!」
「わかった。」
走っていくと、小さな池が見えた。オレはがむしゃらに、池に飛び込む。
「水流銛ヲ唱エロ。」
海鈴の言われるがまま唱えると、渦がオレを包み飛び出した。でも、まったく息苦しくない。
「ソノママ妖気ヲコントロールシロ!!」
「じゃあ突っ込むぞ!」
オレは目の前の、光に突っ込んでいく。その光にぶつかり、周りに衝撃が起こる。
「きゃあああっ。」
「ぐっ、リーダーと互角なんて。」
衝撃が治まった後、オレは横に倒れていた。男がこっちに近づいてくる、少しは実力がわかったかよ?
「てめえ、見所あんじゃねーか。オレは高田光だ、よろしくな・・切裂。」
こうしてオレは、実力を認められ集団四十神に入った。
次号、学校内に妖師-アヤカシ-が・・・