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異世界村長【書籍発売中】  作者: 七城
第1部 『異世界村長編』
116/252

第116話:おっさんはポイントがほしい

 初期設定なのかはわからないけど、五十音順で並んでいる恩恵を眺めていた。いろんな種類のものが混在していて、頭で整理するのがしんどい。

 

 並び替えを試してみると、種類別が一番スッキリしていたので、改めてじっくりと見ることにした。

 あまり重要とは思えないもの、使えそうにないものは端折るけど、種類ごとの注目すべき特典はこんな感じだ。



『基本系』

=================

<女神の恩恵:25,000pt>

 能力『女神の恩恵』を解放する

<領土の拡張:2000pt>

 100m*100m分の敷地を拡張可能

<人口上限の増加:1pt>

 人口上限が1ptにつき1人増える

=================


 まずは基本系から――今回取得した『女神の恩恵』能力は、解放するのに25,000ptを消費したようだ。それで現在の残ptが24ということらしい。ってことは、この9か月でそれだけのポイントを貯めていたことになる。ポイントの獲得方法が気になるけど、とりあえずは先に進もう。


 敷地の拡張がどうなるのかと思ったら、これからは信仰ポイントと引き換えに取得できるのか。人口上限も格安、なのか? 1ptで1人増加できるらしい。



『アイテム系』

=================

<治癒の霊薬:100pt>

 様々な傷や病気を癒す霊薬

<女神の水晶像:300pt>

 触れることで能力鑑定が可能な女神像

<聖なる剣:99,999pt>

 所有者の能力を飛躍的に向上させる聖剣

=================

 

 次にアイテム系統だが――注目すべきはやはり『聖剣』だろうか。勇者か剣聖あたりが装備できる代物と思われる、まあ知らんけど。でもこれ、絶対取らせる気ないだろ……。いかにもポイント上限って感じの数値だった。


 案外、『治癒の霊薬』が一番使えそうな気がしてならない。ほかにも色々あるんだけど、今回は割愛させてもらおう。



『施設系』

=================

<永遠のともし火:500pt>

 永久に燃え続けるたき火、火力調整可能

<湧き立つ泉:1,000pt>

 決して枯れることのない清らかな泉

<転移の魔法陣:2,500pt>

 設置した魔法陣同士で瞬間移動が可能

<異界の門:-pt>

 異界との渡来が可能となる次元門

=================


 続いて施設系――この4種類をピックアップしたけど、どれも非常に優秀だ。しかも最後のヤツ……異界って書いてあるけど、この流れからしてほぼ地球で間違いないだろ。

 ただ残念なのは、この『異界の門』には消費ポイントが表示されてないってことだ。何かの解放条件が足りてないのか、別の理由があるのかは結局不明なままだった。

 

 門以外でも、『湧き立つ泉』は水場のない開拓地に必須だし、『転移の魔法陣』は是が非でも欲しい。めちゃくちゃ欲しい。今すぐ欲しい。他の恩恵と比べても割と良心的な数値に思えるし、なるべく早い段階で入手したい特典だった。


(えげつない特典がかなりある。その分ポイントも多いけど、数値化されてるから目標も立てやすい……控えめに言って最高だ)


 

 ここまで見ただけでも、めちゃくちゃやる気が湧いていた。これはもうスキルの進化だと断言していい。職業名は変わってないけど、実質クラスアップみたいなもんだ。

 これからのことを思うと、まるで世界が一変した気分だった。



『交換ポイントで施設を入手して、自分好みの町を作り上げていく』


 これは日本にいた頃、俺がいちばん好きなゲームシステムだった。目標数値も明確だし、ありとあらゆる妄想を引き立てられる。まさに願ってもない能力だ。この世界にきて以来、もっともテンションが上がってた。


(さらに、次がこれまた凄いんだよな……)



『特殊系』

=================

<村スキル強化の秘密:10,000pt>

 村スキル強化の詳細を知ることができる

<ダンジョン生成:25,000pt>

 任意の場所にダンジョンを生成する

<職業進化の秘密:50,000pt>

 職業進化の方法を知ることができる

<世界の秘密:50,000pt>

 過去のあらゆる歴史を知ることができる

<女神降臨:-pt>

 女神が地上へと降臨する

=================


 最後の系統、「特殊系」について――まず、強化や進化の詳細がわかるのは最高だ。消費ポイントはデカいけど、それに見合う素晴らしい恩恵だ。『村スキル強化の秘密』に必要なポイントが少ないのは、対象が私個人の限定だからだろう。


(これは是が非でも勇人たちを村に引き入れたい。様子見なんて言ってられなくなってきたわ……。早めに声をかけに行ったほうが良さそうだ)


 そして『ダンジョン生成』。村の中に作るのはどうかと思うが、歩いてすぐのところにあると便利かもしれない。ボス部屋攻略さえしなければ危険も少ないし、肉の確保には困らなくなる。レベル上げもはかどりそうだし、是非ひとつは欲しいところ。



 次は『世界の秘密』についてだ。「過去のあらゆる歴史」と書いてあるんだし、大陸の東に住んでいた獣人のことや、過去に来た勇者のこと、ダンジョンと魔物の関係性なんかも知れるはずだ。昔の獣人がなぜ強かったのかも気になる。

 あるいは歴史をひも解くことで、私たちが転移してきた理由もわかるかもしれない。


 極めつけは『女神降臨』。これも消費ポイントが表記されてないので、今すぐの対面は無理っぽい。でも、さっきのアナウンスでも「会いに来て」って言ってたし、何かしらの方法があるはず。どうせ消費ポイントも高いだろうし……これについては気長にいくとしよう。


 まだほかの特典もあるけど、あとでじっくり確認しておこうと思う。



 さて――信仰度を貯めることさえできれば、村が大きく発展することはもちろん、世界のことわりを知ることや、日本へ帰還できる可能性もでてきた。まあ、帰るかどうかは別問題としてもだ。

 

 ここで重要なのは、『何をどうしたら信仰度が取得できるのか』だろう。


 もう一度『女神の恩恵』について見直してみよう。


=================

『女神の恩恵』<NEW>

信仰度を消費して女神からの恵みを授かる ※信仰度は、村人の人口やレベル・村の発展・教会への祈り・魔物討伐等により獲得できる

=================


 獲得できるポイント数を知りたいわけだが、村の人口は増加した段階で確認できる。レベルについては、毎日教会で鑑定して報告させれば把握できそうだ。遠征組は春香に鑑定してもらえばいい。

 村の発展ってのはボンヤリしてるけど、建物とか施設関連が増えればって感じなのかな? 家畜とかも関係している可能性はあるか。


 教会での祈りはすぐに確認できそうだし……魔物討伐はどうだろう。魔物の種類によってもポイントが違いそうな気がする。その日倒した魔物の種類と数、それを集計すればある程度は把握できると思う。


(よし、案外いい線までわかりそうだ。すぐには無理だけど、ある程度の月日が経てばいけるだろう。あとで椿に統計をお願いしとこ……いつも世話かけてごめんよ)


 

 村スキルの成長は止まったが、新たに得た『女神の恩恵』能力のおかげで、やるべきこと、やりたいことがかなり明確になってきた。


 今までは「自分と村人が生き残る」という漠然とした目標が全てだった。たしかにそれはそれで良かったし、後悔や不満もない。だが、村が成熟していくにつれ、正直マンネリ化していた節ふしもあった……。


 そんな矢先にこの能力だ。


 女神にも会ってみたいし、異界の門も開いてみたい。転移陣や無限の泉なんかもぜひ欲しい。どれだけ時間がかかろうとも、目標さえハッキリしてれば全然やれる。


 

(あっ、なんかヤバいかも……ポイント欲しくてたまらない。世界をぶっ壊してでも集めたくなってきちゃったぞ)


 おっさん、マジで闇落ちしちゃいそう……。



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