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異世界村長【書籍発売中】  作者: 七城
第1部 『異世界村長編』
10/252

第10話:どこでするかが問題だ


 庭に出て二人に話しかける。


「とりあえず、家を中心に広げるイメージでやってみるよ」


 広さが分かりやすいように、正方形をイメージをする。すると、グググッという感じで、結界が点滅しながら拡がっていった。


「おおお」

「わぁ、これは!」

「森の木が……消えた?」


 一気に拡がった土地と共に、その範囲にある木々が全て消失していた。


「悪いけど歩測してみてくれないかな、一応周囲には気を付けてね」


 二人にお願いして測ってもらったら、概ね40m×40mの正方形だとわかった。高さは以前と同じ10mのままだ。

 ちなみに、元に戻すようなイメージをすることで結界が元に戻り、消えていた木も元どおりになっていた。


「これはまさにファンタジーだな」

「いきなりゲーム感が出てきましたね」

「こんなことが現実に起こるんですね」


 しばらく三人で驚いていたが、なんとか思考を戻す。


「元の敷地が半径10mの円だから――面積は314m2か、それを拡大すると1600m2になるのか」

「歩測とはいえ、随分と中途半端ですね」

「だいたい5倍ちょっとか、いまいち基準がわからん」


 ああだこうだと考えていると、佐々宮さんが何か思いついたようだ。


「多分ですけど、単純に20mだった距離が倍の40mになったんじゃないでしょうか」


(ふむふむ……全然わからん)


「前の敷地を20mの正方形と仮定すると、今回は倍の40mの正方形になった。と言うことじゃないかと」

「なるほど、ちょっと円形でも試して見るか」


 今度は円をイメージして拡張してみたが、直径は正方形と同じ40mだった。


「単純に縦横の長さが基準みたいだ」

「佐々宮さんグッジョブです!」

 

 そう言われて、佐々宮さんは少し照れていた。

 

「じゃあ、断然四角のがお得だな」


 1辺の長さが基準になるなら、少しでも敷地が広い方がいいだろう。


「そうですね。敷地も有効に使えそうです」



 そのほかにも、いろいろと試して判明したことがあった。


・拡げる敷地の最小幅は10mで、これより狭くすることはできない。

・敷地を途中で、直角方向に曲げることは可能だが、ぐねぐねと曲げたり、あまり複雑な形状にはできない。

・敷地の幅や形状に関係なく、結界の高さは10mで固定されている。


「正方形で決まりですか?」


 と、ひとしきり検証を終えたところで、二人がどうするのかを聞いてきた。最初は同じことを思ったんだが、そのまえに試してみたいことが1つある。


「いや、結界の幅をなるべく狭くしてさ。近くの川まで繋げられないか試してみるよ」

「水源確保ですか? 私の魔法でも対応できそうですけどね」

「もちろん、飲み水は魔法を頼りたいんだけどさ。川の近くに敷地を拡げたほうが、将来的な農業とかに便利かなって」

「まあ、確かに」「そうですね」


 敷地が川まで届けばの前提ではあるが、将来を見越すとその方がいい気がする。活動範囲も少し広がるし、それよりなにより――


「それとは別に、最も重要な理由もある」

「「なんですか?」」

「トイレどこでするの問題」

「「ああぁ……」」


 昨日や今日の朝、家のトイレは流れないので、仕方なく庭の物置裏で隠れて致していた。


 穴を掘って埋めてはいたが、衛生面もあるし人の目もある。なんとか川に繋げて、少しでも綺麗に、気兼ねなくしたいものだ。






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― 新着の感想 ―
[気になる点] 水道管とか下水管とかガス管とかどうなってるんだろう。村の領域内でそのままなら掘り起こしたら10mくらいのパイプが手に入りそう。
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