十章・星空 03
✝カーリー✝
マイ・ヒタ。
彼にはもともと、
別のハイネトがいた。
実地訓練中の事故。
彼以外が全て死亡。
彼も一時重傷・・・
彼の筋肉質な胴体に残る、
大きな縫合痕。
移植のあと。
彼は・・・
ハイネト全員の使える臓器を
移植されて
生き残った・・・。
彼は優しい人間だ。
責任感が強い。
協調性も高い。
頭の回転が速い。
従順で忠実
腕も
意思も強い。
兵士なんかに向いてないけど、
彼は兵士の鏡だった・・・
買い物帰り。
新入りの泣き声・・・
不審感。
警戒
隠れ家のバスタブ。
「カーリー?」
ヒタの返事なし。
「開けるよ?」
ドアをスライド・・・
テフの出産以来の
赤い洪水。
湯気。
倒れているマイ・ヒタ・・・
自殺・・・
テフの時と濃度の違う
ルビー・・・
いや
ピンクに近い赤が・・・
バスタブに溢れていて・・・
そこに寄りかかる
大きな体は
穏やかな
顔をしていて・・・
すでに血の気はないのに
湯気のせいで
暖かくて・・・
湯船につかった
左腕には、
血管を縦に
切り裂いた痕があった・・・
悲鳴も
涙も
出なかった・・・
新入りが泣いていたけど
私はしばらく
その場から
動けなくて・・・・・・
悲しいとか寂しいとか
そうゆう感情よりも、
あの時の私は
怒っていた・・・
八つ当たりに似ていた。
勝手に置いていきやがって・・・
先に逝った者勝ちかよ?
悲観的?
悲劇的?
悲壮感?
悲痛?
知らねぇよ。
分かりたくもない。
ほんとは解ってるから。
置いていかれたくなかったから
置いていったんだ・・・。




