十章・星空 01
《このあと少年はどうすると思う?》
え?
そりゃあ・・・
イカれ帽子屋に
行くんじゃないの?
《行ったあとは?》
《どうなると》
《思う?》
どうって・・・
読めば分かるじゃない?
《思い出して。それが大事》
ねぇ・・・
あなたは・・・・・・
チェシャ猫?
《フフフ》
やっぱりそうなのっ?
《近からずも
遠からず・・・
いい線だよ》
あなたは誰?
《きっと、もうすぐ気づくよ・・・》
もうすぐ?
《もうすぐ答えさ》
答え・・・
こたえ・・・
〈十章・星空〉
「ほんと世の中くだらない・・・」
崩壊した月を見ながら、私は呟いた。
隣にはマイ・ヒタ。
黙ったまま。
聞いてるんだか、
いないんだか・・・
あの頃の私は、
ただ側にいてくれる君の存在に感謝していた。
そのことに
お礼なんて・・・
したことなかったけど。
言っておけばよかったかな・・・
きっと君は、無言で微笑うだけだろうけどね・・・?
✝墓地✝
緑の芝生
なだらかな丘
白い道
日だまり
優しい風
心の傷を、撫でるような・・・
感傷的気分。
形の無いおもりを飲み込んだような気分。
他人への感情移入。
その意外性
後悔。
あらためて自覚・・・
ヘルンに葬式はない。
死んだから運ばれるだけ。
どこかに出て行くだけ。
目の前から消えるだけ。
どうしてか、
クナイは消えなかった。
死んでも消失しなかった。
テフが泣き出す。
自然に手が出る。
肩を抱く。
震えている・・・
全員、無言。
私が死んでも、同じようにしてくれるだろうか?
どこか、冷静な自分がいる。
私が死んだら、いつまで彼らに残っているだろう・・・?
疑問の芽吹き
疑問のうごめき
黒いヴェール
すすり泣き
黒いハイヒール
黒いスーツ
黒いネクタイ
白い花
赤い花輪
透明な涙・・・
全てに色があって、
全てに意味が無くなる瞬間。




