九章・抱擁感 弐
✝舗装された川の前✝
マイ・ヒタと留守番中。
連絡。
あなたとユア・ヒタ。
「警察の追跡」
「バイクの故障」
「所持金ゼロ」
「ヘルプ」
呆れるマイ・ヒタ。
心配=私。
迎えに行く。
2人=わずかな負傷。
ダメージ・レベル 0・5・・・
安心?
呆れ。
安心。
一部がひしゃげたバイク。
あなたのお気に入り。
壁の落書き。
ユア・ヒタとマイ・ヒタが顔を見合わせ、企み笑顔。
落ちていたスプレーで落書きを書き足す。
マイ・ヒタ=蝶の絵。
ユア・ヒタ=それに合わせて花。
私はあなたに近づく。
フェンスに凭れるあなた。
ポケットに手。
私にガムを差し出す。
「いる?」
怒り。
「心配してたのにっ」
彼の困ったような微笑。
「ごめん」
何も言えなくなる。
夕方の逆光。
たたずむあなた。
透ける髪色。
背後できらめく川の水面。
フェンスのシルエットが、一枚の絵みたいで・・・
泣きそうなぐらい、綺麗だった。
ユア・ヒタとマイ・ヒタのはしゃぎ声が
それを見て笑っているあなたが
あなたの顔が・・・
目の裏に
胸の内側に
焼き付いて・・・
離れない・・・
ねぇ
好きよ?
あなたの視線が、
私に向いていなくても・・・。
✝隠れ家✝
マイ・ヒタがいなくなってから、
私達の関係は微妙に
微妙に・・・
変わっていったよね・・・。
鬱。
憂鬱。
不安。
不安症。
耳の奥で爆発音。
彼女のかけら。
トラウマ。
情緒不安定。
外出恐怖症。
感情の高ぶり。
喘息。
突発的発熱
無気力。
罪悪感
涙。
自責。
涙。
だるい。
これじゃダメだって分かってるのに・・・
鏡の前で練習。
笑おうとすると、
ほほが引きつって、
だんだんと
涙が伝う・・・
みんな傷ついてた。
みんな気を使いあって
みんな支えあって
みんなひとりじゃいられなくて・・・
みんな依存しあってた・・・
精神安定剤が
手放せなくなってた。
脱出。
何かから
脱出。
自分の殻から
脱出。
環境
願望
渇望。
クナイとユア・ヒタの買出し。
時間経過。
遅い。
不安
心配
相談
話し合い。
それぞれのヒタが探しに。
私は窓の側。
彼らのうしろ姿を見送る。
時間経過・・・
あなたとケトゥが戻って来る。
「荷物をまとめろっ」
「何があったの?」
「最小限でいいっ。まとめろっ」
「警戒態勢っ。窓を閉めろっ」
「何があったの?ふたりはっ?」
「クナイは死亡・・・マイ・ヒタは・・・病院に搬送。生死の確認はまだとれていない」
カーリー
キム
私・・・
みんなが目を見開いた。
病院を調べたけど、
ユア・ヒタはなぜか見つからなかった・・・
失踪?
誘拐?
拉致?
不安は止まらない・・・




