赤い糸【01】
若い、ってことは・・・
成長してない、って
ことなのかな?
《ん? いつまでも、ってこと?》
いや・・・
一方は不老半不死を望み、
一方はそれを投げ出し、死にたがっていた・・・
生きたいからなのか、
死にたくないからなのか、
死にたかったのか、
生きたくなかったからなのか・・・
《大抵の人間は、自分にないものを魅力に感じる。自分にないものを持っている他者は、好意か嫌悪か嫉妬を抱かれる・・・》
ないものねだり?
《とても人間的な感情》
じゃあ、ハンプティ・ダンプティは・・・
人間なのかな?
《少し、個性的な、ね》
なぜか少し嬉しいけど・・・
僕は・・・
どうなんだろう?
《君は誰なの?》
ぼくは・・・だれ?
《その疑問こそが、人間が人間たる証だよ》
じゃあ、僕は・・・
《とても人間くさい》
ははっ。
ありがとう。
なんだか・・・
とっても嬉しいやっ。
《君は人間だよ》
もとは、ね。
呪いをかけられる前までは・・・
《だから違うって》
じゃあ、僕はどうしてこんなめにあっているの?
《君が望んだから》
え?
のぞむ?
僕が?
なぜ?
《物語も、そろそろ終焉が近くなってきたね?》
物語は・・・
いつ終わるの?
《君の好きな時に》
物語は・・・終わるの?
《終わらせたいの?》
終わらせ方を知らないよ。
《〝答え〟を見つければいい》
こたえ
《君がまだ・・・
死ねない理由を 見つけるのさ》
〈赤い糸〉
マイ・ヒタ・・・
「それからのことは、キムから聞いたことも入るけど・・・」
影が成長している。
背中越しの光が、柔らかく暖かい。
「僕はカーリーがケトゥを好きだってこと、テフに言われるまで気づかなかったんだ・・・」
たくましい体。
短い髪。
無口。
無表情。
繊細さの裏返し。
抑制
偽造
防御。
アイロンのかかった服。
洗剤のほのかな香り。
伸びたところを見たことがないヒゲ。
気配り屋。
独立した雰囲気。
孤立した雰囲気の理由。
固い殻を張り、
やわらかい中身にふた。
エックス・エックス (女性)よりも女性的な感性。
それを偽る生活。
「彼の精神が男じゃないことは知ってたけど、ケトゥに対しての気持は気づいてなかった」
視線を上げる。
彼の入れてくれたコーヒー。
その香りを思い出す。
マグ・カップをテーブルに置く音も。
「よくケトゥのアトリエに差し入れとかしてた・・・」
広い背中。
太い首。
リンゴの皮を剥く器用な手。
横顔。
独特な、あごのライン。
玉ねぎのみじん切り。
手際のよさに見とれる。




