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八章・循環【弐】



 ひとけの無い港。

 連絡。

 近づくサイレン。

 救急車の到着。

 搬送。


 遠くの

 死角。


 見守る

 俺・・・


 後悔

 自責

 嫌悪

 自分。


 不快感を絞り出す。



 深呼吸。



 精神統一。

 精神操作。


 眉間の深いシワ・・・


 握ったこぶし。


 マインド・コントロール。


 闇に染まる心。

 闇への意識。


 後悔・・・


 お前らに関わるのは、もうやめよう・・・


 辺りは闇。

 空は暗い。



 俺は・・・泣いてなんかない。



 俺はこの世界で生きる。

 

 お前らとはもう会わない。

 会えない。

 会ったらいけない。

 会えばきっと、お前らに甘えるだろうから・・・


 お前らのこと、

 ずっと思ってた。


 ずっと思ってる。


 これからも思うよ。

 お前らのことを。



 


 ✝車内✝


 

 俺は車に乗り込む。

 黒塗りの高級車に。


 ため息・・・


 仕切られた座席。


 運転手に言う。


「出せ・・・」


 運転手のかしこまった返事。


「イエス・ボス」











 



 あの頃の俺たちは、自由と解放を求めて生きてたよね。


 あの時の俺はまだ、同じものを求めてた。


 この頃の俺は、自由と解放の時を待ちながら、だんだんと・・・


 死んでゆくよ・・・






―八章・循環―






《世界は循環している・・・》



 僕の世界はつながっている・・・?



《みんなつながってるよ》



 君と僕も?



《君とわたしと、君を読んでいる

〝誰かさん〟と・・・

   世界はつながっている・・・》



 これは・・・

 全部でひとつの物語なの?



《ひとつはひとつ。ひとつで全部かもしれないけど、そうじゃないこともある。『全部でひとつ』は〝たくさん〟の集まり・・・たくさんはひとつじゃないんだよ?》



 う、うん・・・


 分かったような・・・

 そうじゃないような・・・



《せかいは》


  《たくさんの》


      《かけら》

                

         《で》


          《できて》


        《いるんだよ》


      《そのかけら》


     《が》


    《おなじ》


  《しゅるいのものだとは》

 

 《けっして》


《かぎらない・・・》



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