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六章・責任感



 〈六章・責任感〉



 死角。

 破裂。

 アナスの自爆。


 立ち止まっている7人。


「なっ・・・・」


 言葉を失う私。


 赤く染まったセーター。

 その切れ端。

 彼女が飛び散っている。


「あっ・・・あっ・・・」

 発狂寸前のテフ。

 過呼吸。


 停止する7人。

 もう動かないひとり。

 敵、二人。


 死角から出てくる敵。

 飛んでくる銃弾。


 弾かれる無意識。

 高速計算。

 彼女の気持ち。

 意志。

 理解。

 共感。


 それゆえの後悔。


「全員走れっっ」


 決断。

 無念。

 ふりきり。

 残像。

 彼女。


「クナイ・ハイネトッ」


 全員が私に振り返った。


 ケトゥが一番に反応。

 走り出す。


「でもっ・・・」


 〝彼〟の声。

 ブロンドの。


「行くぞっ」

 

 マイ・ヒタ=ケトゥの号令。


 銃撃。

 避ける。

 反撃。

 発砲。


「置いていくのかっ?」 

 

 〝彼〟のヒタ。


「アナスの死を無駄にするなっ」


 キム、走る。


 むせびなくテフ。


「アッ、アナスッ、マイ・ヒタッ・・・」


「泣くな」


 カーリー。


「泣くな。泣くな・・・」


「くそっ」

「あの馬鹿女っ」


 走り出す最後尾の気配。


 走る。

 生きるために。


 目の前がにじむ。

 わいてくる感情。

 歯をくいしばる。


 飛んでくる銃弾。

 敵意。

 殺意。


 振り返る。

 引き金を引く。

 敵が倒れる。

 振り返る。

 走り出す。

 走り続ける。


「私がリーダーだっ」


 私は夜空に吠えた。


「なぜ私の意見を無視したっ。重罪だっっ」


 目の前がさらににじむ。


「重罪だっっ」


 のどの奥がやける。

 頭の中が熱い。


「私がやるべきことだっっ」


 顔が歪んでくる。

 悔しい。

 悔しい。


「私がやるべきことだったんだぞっっ」


 ケトゥが背後に発砲。

 敵が倒れる。


 走り続ける私達。

 どこに?

 どこに行けばいい?

 私達の楽園。


 平常心で呼吸できる。

 ただ、それだけでいい・・・。


「私がリーダーだっ。必要なら、私が死ぬっっ」


 夜空に叫ぶ。


「私が死ぬっっっっ」












 あの頃の私たちは、何も持っていないと思っていた・・・。


 あの時の私は、アナスを失って初めて・・・

 自分の持っていた大切な存在に・・・

 気づいたんだよ。








―六章・責任感―     


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