登録受理?
あ、あ、あ、あ、待って閉じないで!
まだ閉じないで!
ちゃんと君にもいいことはあるんだっ。
呪いを解いた人物には、とても大きな幸運が訪れるんだよっ!
え?
どんな幸運かって?
それは―・・・
分かんないけど・・・
あっ、あっ、待って!
でも、きっといいことがあるはずなんだ。
この前の君なら面倒くさいかもしれないけど、
君がもし初めてのひとだった時のためにちゃんと説明するから、ちょっと待ってよっ!
読む?
読まない?
(※二回目のここから、「はじまり、はじまり」までを飛ばして読んでもカウントはされるよ☆)
僕のこの皮膚は、君の指が僕をめくるたびに、それを感じることができるんだ。
だからってとがったもので突いたりしないでよ?
飲み物こぼされても『熱い』も『冷たい』もないけど、シミができるのはちょっと・・・
見えなくても嫌・・・・・・・・
・・・あ。ごめん。言いたいのはそうゆうことじゃなくて・・・
つまり、
君が僕に触れた時に、
(僕は忘れてしまうけど)
君が『登録』されるんだ。
指紋とか、指先についている汗、そのDNA 情報のためなのか、それとも君の容姿とかオーラなのか・・・正直に言うと、くわしい仕組みは分からない。
とにかく君はもう『登録』されてるんだ。
君以外のひとも、僕に触れれば『登録』されるし、
登録されたからって君になにか特別なことがおこるわけじゃない。
ただ、僕と君の幸運を手に入れるために、
参加自由型のイベント名簿に名前をかした、って思ってくれればいい。
それも嫌、ってひとには悪いけど、これは一度登録すると消去できないんだ。
宝くじは買わないと当たらないだろう?
そう思って、大目に見てよ。
例えが変?
気にしないで?
ここまで読んで、
「まぁ、それでもいいよ」
って思ってくれたなら、嬉しい。
千回までのカウントを君がする必要はないんだ。
僕の体が勝手に数えてるらしいから。
それに、僕の精神は『分裂』する。
一卵性双生児の、大量版、とでも言えばいいのかな?
ひとつの細胞が同じ情報を持ったまま分裂する・・・
ああ・・・でも、人間の双子の場合は、まったく別精神だろうけどね。
僕の場合は、原本を複製することで、それが可能だ。
つまり、もし僕が本屋で平積みされているとしたら、それ全部が『僕』なんだ。
もちろん、オリジナルじゃない今の僕らをコピーしても、その紙に精神は宿らない。
だから登録はされないし、千回読んだって意味はないよ。多分だけど。
僕のオリジナルはどこにいるんだろう?
きっと僕ら―・・・他の僕も知らないと思う。
でもオリジナルの僕は、僕らのすべてを知っているし、おぼえているのかもしれない。
たくさんの葉をつけ、数え切れないほどに枝分かれした木でも、結局は一つの種につながっている・・・それと同じようなことなのかもね。
もしかすると『君』をカウントしているのはオリジナルの僕なのかも。




