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赤ずきんちゃん



 〈赤ずきんちゃん〉



 庭の外、

 柵の向こう側。


 可憐な歌声。


 少女と

 ローズ・ソルジャーズ。


 歌う花達。



 

 忘れていた腕 遠い空


 髪を束ね ハシゴを編んだ


 チクタク 時計は歪んで伸びてゆく


 花カゴいっぱい 罪の味


 青い鳥は炎の中に


 戦う者は 憂鬱を抱く


 無邪気な種に お水

 

 虹色の双葉 六分の一


 名前を呼んで 両手を出して


 魔女はコトコト 夜を煮込む

 

 闇を見た 騎士


 月は毎夜 仮面を変える


 百年の眠り


 いばらの花は王子の血色?


 竜はさびしさに泣いている


 糸ぐるまはサダメをつむぎ




「あの声は・・・」


 バニーの微笑。


「プリンセスだね」


「また大好きなおばあちゃん目当てかしら?」


 ウルフマンのからかい。


「グランマ?」


「バニーのことよ」


 僕はバニーを見る。


「なぜ〝おばあちゃん〟?」


 見たところ、彼女はまだ若々しく、また老女の雰囲気もない。


「よく分からないけど・・・自分にやさしくて、お茶を出してくれるひとは、〝おばあちゃん〟らしい」


「宮廷にいた頃、お世話役にやさしいひとがいたんですって」


「そうなの?」


「この前、聞いた」




 少女は鼻歌 スキップでお散歩

 

 サクラソウの蜜を 天使に届けに


 塀の上の卵男 王様の兵はお出かけ中


 シッポをふりふり 木陰のオオカミ


 人魚は海の泡 彼女に口づけ


 妖精の金の粉 ヒーローは寒さにふるえてる


 お菓子の家をノック あなたはまだ目覚めない


 寝息は夢の中でさえ 聞こえてこないの


 シュガー&スパイス 魔法の言葉?


 馬はネズミに 馬車はカボチャに


 ガラスの靴を叩き割る


 銃は楽器に 色は自由に


 真実はどこ? ほらここに


 子羊もジャンプに疲れたよ


 舞踏会はそろそろ終わり


 目を開けて 私を探して


 忘れていた腕 遠い空


 銃は楽器に 色は自由に


 僕らを照らすよ


 まぶしい朝日は・・・




 低い塀の向こう側から、赤い髪の少女が顔を出した。


「ごきげんよう♪」


「ごきげんよう、プリンセス」


 バニーは立ち上がり、姫と美女らを迎える。


「ハァイ、赤ずきんちゃん。ごきげんうるわしゅう」


 テーブルに座ったままのウルフマン。


「ごきげんよう、オオカミさん」


 プリンセスの視線。

 目が合う。

 とりあえず立ち上がる。

 帽子をとる。


「気が変わりましたのね?ミスター?」


「気ままな旅人なもので」


「ご一緒してよろしくて?」


 三人同時に。


『もちろん』





―赤ずきんちゃん―


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