三章・疎外感02
✝地上一階✝
エレベーターの扉が開く。
周辺の廊下は無人。
「俺が先」
ヒタが飛び出す。
二番目、アナス。
三番目が僕。
他の三人もほぼ同時、走り出す。
カーリー「時刻は?」
テフ「7分30秒」
曲がり角。
二人の人影。
男女ヒタ。
クナイとケトゥ。
マイ・ヒタ「先行かれたか」
「急ぐぞ」
カーリーとキムの、急加速。
追い越される。
テフ=最後尾。
✝運搬室✝
目前。
クナイとケトゥが両開きの扉を開ける。
扉の開いた運搬トラック。
二人は先に飛び乗る。
後方を振り返る。
カーリーとキム、同着2位。
アナスとマイ・ヒタ、接戦。
マイ・ヒタ3位。
アナス4位。
僕、5位確実。
ケトゥ「10分、50秒」
振り返る。
テフの手を引く。
ほぼ同時、二人でトラックに飛び乗った。
扉が閉められる。
かぎづめ錠がおりた。
「59秒・・・」
ケトゥの言葉と同時、
エンジンがかかる。
「出発だ・・・」
トラックは僕たちをどこかへ運ぶため、出発した。
✝車内✝
食料用クーラー車。
密室で、むしろ暑い。
照明はついている。
荷台に入っている主なもの。
8人の人間。
クナイとケトゥ。
ふくらんだ黒いゴミ袋をそれぞれに持っている。
「作戦内容を説明する」
全員の視線。
期待。
緊張。
わずかな不安。
ひっくり返されるゴミ袋。
吐き出される中身。
服。
サイズ別に配給。
僕とヒタは同じサイズ。
パーカーとスカジャンの選択。
視線がからむ。
スカジャンに両方の手。
数秒、行動停止―・・・。
その間に、全員の着替え。
「迅速に」
リーダーの指摘。
マイ・ヒタのため息。
「俺、三日と76時間お兄ちゃん」
「ありがと三日と76時間お兄ちゃん」
スカジャンGET。
背中には〝シルバー〟ドラゴン。
シルバー (銀色)で、
シルバー (年老いた)。
✠クナイの視線✠
「我々は今から・・・」
左斜め前=アナス。
クリーム色のセーター。
アナスの後方=テフ。
薄水色のコルセット風上着。
左横=マイ・ヒタ。
白いYシャツ。
右横=カーリー。
緑のトレンチコート。
右横ななめ=キム。
黒の長袖シャツ。
正面=・・・彼。
青のスカジャン。
彼の側=〝彼〟のヒタ。
灰色のフードパーカー。
私=クナイ。
赤いシャツ。
「ヘルンから脱出し・・・我々の力と判断で、〝外 〟を生きる」
ヒタ以外の、動揺。
目を見開く者もいる。
瞬いている者もいる。
絶句。
分析・・・
・・・理解?
「外で生きる・・・?」
テフの可憐な声。
「いつまで?」
アナスのハスキーボイス。
「いつまでも」
私の、ありきたりな声。
クナイ・ハイネト。
その名の責任。
感情のコントロール。
平静さの演技。
罪悪感。
わずかな後悔。
大いなる迷い。
ためらい。
圧縮。
抑制。
演技。
「二度と、ヘルンに戻ることはないだろう・・・」
あの頃の僕たちは、
何も知らされず敷かれたレールの上にいて・・・
あの時の僕たちは、
何も知らないまま脱線していたんだよね?
宿命のレールから、
運命の歯車を回す
道へと。
―三章・疎外感―




