街影
彼、死んじゃったのか・・・
何か胸が苦しいな・・・
次は・・・・・・
・・・・・・ん?
また手紙?
いや、これは・・・
日記?
〈街影〉
儚く消え去る
運命の君を
ただ側に引き寄せて
抱きしめて・・・
月影に映る姿は
かき消えて
あかりは消えても
あざやかな闇・・・
気づいていても
はなせないよ
泣いてるんだね
忘れないよ
分かってるよ
切ないね
あぁ・・・、
胸を裂いて
ささげよう
まぶたを彩る季節は
やがて幻に・・・
うつむいた瞳
破裂前の空気
煙が誘う
この夜に
静寂が痛い
この耳に
首に口づけを
甘い罪は赤い色
君に口づけを
さぁ・・・
瞳を閉じて・・・
街は形を変えて
静かにそびえて・・・
花畑を駆け抜けて
虹の橋を渡って
どこまでも堕ちて・・・
ああ・・・、
光に立ちくらんで
白く汚れていく世界に
溺れて・・・
歩き出したその足に
かせをはめて
鳥カゴの中で
咲き乱れる花達
樹海の空は
青く回って
真実の旗は
白く塗られて
降りそそぐ雪は
赤く染まるよ・・・
父さんへ
あなたに手紙を書くのは、本当に久しぶりですね。
なんだか恥ずかしいです。
僕も父さんと同じ道を選びました。
もう、母さんに聞いたかな・・・?
再移住計画のプロジェクト・チームに志願しました・・・
僕はもうひとりだし、父さんが見れなかった風景を、父さんのかわりに見たいんです。
僕は行くよ。
地球に。
この日記も今日で最後です。
母さんが残した、父さん宛の詩をそえて・・・
どうか父さんに届きますように。
十四月二十五日
(移動星船:宿舎内/1112号室/保存内容受信記録)
―街影―




