君への手紙02
今も夢に見るよ
君の夢を
眠りから覚めても
酔いからは醒めなくて
熱は冷めても
思いは褪めなくて
むなしく過ぎるこの時を
埋める術は落とした・・・
見えない糸に操られ、
歯車が回る。
二件目/再生
✣《宿舎内送信記録 2056号室/―・・・明日は僕の番です。実戦は初めてだ・・・不安で不安でしかたがない。誰も殺したくない。誰にも死んでほしくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない・・・死にたくない・・・
(以下十五行分、同じ文章が続く/自動省略)
・・・今夜は眠れそうにないよ。
君のことばかりを思い出す・・・》✣
全部が溶けて
一つになれば
いいのにね
無邪気に笑う君の笑顔を
見つめてた
触れることができなくて
立ちすくんで・・・
木漏れ日が踊る
君が笑う
時が止まる
鼓動がうるさいね
このまま溺れて沈みたい
誰に
許されることがなくとも・・・
三件目/再生
✣《コクピット内送信記録 零五三九号機/3:37送信/送信妨害/再送信記録/―・・・負傷した。救助隊の到着が遅れるらしい・・・だんだん意識が遠のいてゆく・・・死んだ仲間が隣にいる。隣の操縦席から笑いかけてくる・・・君が笑ってる・・・・・・・・・・・・・・・ああ、そうだ。あの詩の続きでも送ろうか・・・》✣
どうして泣いたんだろう?
幸せだね
声を失って
音が消えて
目を閉じて・・・
きらめく幻想
掴み取る回想
見えない糸にからまって・・・
歯車が・・・止まる
四件目/再生
✣《コクピット内送信 零五三九号機/4:44送信/送信妨害/再送信記録/―・・・さよなら・・・》✣
空が全てを見ていたね
あやまちを
戦いはいつ終わるのか
罪はいつまで続くのか・・・・
永久に果てしなく
君を待つ・・・
さぁ、一緒に踊ろうよ
水鏡は夜空を映して
僕は闇の中にいて・・・
笑えてくるね
孤独だもの
冷たい吐息が
過去をさらって消えてゆく・・・
見えない糸は断ち切られ
やがて歯車は・・・
木漏れ日が踊る
君が笑う
時が止まる
鼓動がうるさいね
このまま溺れて沈みたい
誰に
許されることがなくとも・・・
《四件/再生終了・・・》
《四件の内容を保存しました》
《内容をリピートしますか?》
『YES』
―君への手紙―




