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モブだって生き残りたい!  作者: 前川ユキ子
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襲撃 2

部屋に入ってから急いで後ろを振り返る。

ちょうど杏先輩が入ってくる瞬間だった。

どうなる!?

息をぐっと止めて見ていると杏先輩はこの部屋のドアを潜ると同時に消えていった。


なんとか逃げ切れた。

ヘナヘナと座りこんで少し安心したら涙が出てきた。

どんどん涙が溢れてきて嗚咽まで出てくる。

本当に怖かったっ!

首締められて苦しかったし死ぬかと…もうダメだと思った。

助かった安堵となんでこんな目に遭うのかという怒りや恐怖が心にぐるぐる渦巻いてどうしようも出来ない。


「あぁーうぜぇな。泣くなや。泣いてもなんも解決せんし。めんどうせーからさっさと泣き止めや。」


光クンにそんな事を言われて更に涙が止まらなくなる。

わかってるよ。そんな事!でも怖かったんだ…。

喧嘩もしたことないのに…化け物に殺されかけた気持ちなんてわかんないでしょうね!

なんで一緒にいるのが光クンなの!

…未華ちゃんの所に行きたい…。


顔をあげずにそのまま泣き続けているとハァ~…というため息が聞こえてきた。

そして、頭が揺れた。

どうやら頭をガシガシ揺らされているみたいだ。


「俺だって幽霊嫌いなんやからな!お前も頑張れや!」


びっくりして見上げてるとガシガシはしたままプイッと顔を背けられました。

えっと慰めてくれてる?ようです。

もしかしてこの頭のガシガシは撫でてくれてるつもりなのか?


そう考えたら少し笑えた。

たぶん普通時の光クンだったら私を放置して一人で探索に行く。絶対ね。

でも、さっきの杏先輩を見て一人になることに躊躇してしてるんじゃないかなと思う。

それで泣いて面倒だと思ってる私をなんとか慰めようとしてくれてるとだとしたら驚きだし…少し嬉しい。だって狂熊と言われている人がだよ。

そして、光クンも怖かったんだと気がついて少しホッして落ち着いた。

私だけじゃない、光クンも怖いけど頑張ってるんだと思えば頑張んないと駄目だなと思う。

初めから幽霊駄目だって言ってたのに頑張って助けてくれたしね。


「…ありがとう…。」


「…立ち直ったか?めんどくさいからもう泣くなよ?」


ガシガシする手を止めて顔を背けながら言った。

まぁ、ガシガシのせいで髪がボサボサになったけど心が持ち直せたので良しとする。


「…なぁ、聞いていいか?」


「あっ。私も聞きたい事ある。」



「じゃぁ、俺からな。なんでここなら大丈夫ってわかったんや?ここさっきの厨房やし、杏先輩が消えた理由もわからんのやけど。なんか知っとることあれんろ?話せま。」


やっとこっちを向く光クン。目が泳ぐ私。


あぁー…えーと。なんて言えばいいんでしょうか?

思い出したんです。初めて出会ったら3回場面を変えて逃げたら逃げ切れるって。

部屋が一つの場面だから厨房→食堂→廊下→厨房で3回変えたってわけなんです。

あそこのドアあけておいて本当によかった。

じゃないと神回避的じゃないと無理だったと思う。

…でも、それをどう説明すればいいんだ!


「あーー…えっとね、ほらあれ!」


「あれじゃわからんわ!」


「うーんとね…ミツル先輩に前に聞いたことなんだけど…はじめて幽霊に出会った場所っていうのは幽霊なりに意味がある場所が多いんだって。だから杏先輩に取り憑いた場所にいけばなにか解決するんじゃないかなぁーって思ったの!なんで消えたのかは私にもわかりません!」


てへっ☆と軽い感じで言ってみた。


「マジか?そんな確信もない情報で言ったんか!?ありえねぇーー!もし、違ってたらどうするつもりやったんや‼」


「まぁ、結果良ければ全てよしと言うことでいいじゃん?助かったんだし。」


「偶然に助かってもな…。また、出てきても対処出来んし。まぁコレが効いたとわかっただけでもよしとするか。」


そういいながらポッケから青い蓋のついた瓶を取り出した。


「杏先輩が苦しんでたのはそれのせいなの?」


「そうや。これのお陰で助かったんやぞ。」


「そうなんだ!すごい!!何それ?」


よく見てみると粉っぽい物が入っている。


「これは味塩や。孝司の持っとったやつ。」


……マジですか……てか、味塩って幽霊に有効なんですか⁉

味塩サン、いや味塩様さっきはこんなの効くわけないとか失礼な事思ってすみませんでした!


「孝司クン渡してくれたんだ!後でお礼言わなきゃね。」


「まぁ、くれたと言うか頂いたというか?」


「はぁ?」


「だってよ、あっちは男4人もおって人でいるし。なんかあってもなんとかなるやろ?こっちは俺だけで何とかしんと、いけんげんぞ。それはなんか持っとかんといかんやろ。と、いう事で貰っておいた。」


「強奪したってこと⁉」


「人聞きの悪いとこ言うなやー。わけて貰ったんや!4個も持っとってんぞ。」


「ふーん。で、何個貰ったの?」


「………3個や。」


何今の変な間。その言葉信じたら半分以上貰ってるし…。


「じゃぁ、私にもわけて!」


「駄目や!さっき1個使って残り少なくなったし予備は2個しかないんやぞ!」


「なんで!もし光クンが襲われたらどうするの?味塩なかったら助けられないよ?そのまま隠れて見てれば良いって事?」


「………くっ‼そうきたか‼卑怯やぞ‼…しゃーなしに1個やるわ…。」


いやいや。卑怯ではないです。事実を言っているだけです。

という事でテッテレーン♪

光クンから詰め替え用の味塩をGETした‼

………なんで詰め替え用‼


「なんで詰め替え用の物なの!瓶のちょーだいよ!」


「アホか!これは1個しかないんや。嫌なら返せや!」


「これで頑張らせて頂きます!」


奪われそうになったので慌てて隠す。ポケットにイン!


「てかさ、孝司クンも用意いいね~。なんで4個も持ってたんだろ?」


「自分と海斗と奥田姉と予備だとよ。…ミツル先輩に笑顔でどつかれてた。」


………正直言うって孝司クン…。

それはフォロー出来ないよ。


少し難しい顔をしてこっちを見る光クン。


「味塩はもう返しませんよ?」


「違うわっ!………まぁなんやさっきは一応助かったし、お礼を言わないかんかなと思っただけや。というわけで、ありがとなっ!」


「……どういたしまして!こちらこそ助けてくれてありがと。」


「ふんっ…!こんな状況やしなんかあったら助けてやるし。お前も俺がなんかあったら助けろや。」


「うん。わかった!よろしくね♪」


「しゃーなしやからな?調子のんなよ?」


「うん。それはわかってます。」


えーと、少し光クンと仲良く(?)なった気がします。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

森戸七海

服装:ジャケット Tシャツ デニム スニーカー

装備:ペンライト

持ち物:メモ張 ペン ハンカチ ティッシュ ペンライト フォーク 味塩(詰め替え用)


内山光

服装:デニムツナギ(風神雷神の刺繍入り)尖った靴

装備:懐中電灯

持ち物:味塩(瓶)残り2/3 メリケンサック小(威力小) 携帯催涙スプレー ポケベル



☆NEW☆新密度が上がったので持ち物が表示されました

懐中電灯回収されました





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