襲撃
とっさに持っていたコップを杏先輩に投げた。
でも、コップは光クンの顔のほうに…!
上からは包丁、前からコップでもうダメだと思った瞬間光クンはコップをよけた。
「………‼何すんじゃボケ「ガシャン!!!!!!」
コップをよけた事によって奇跡的に杏先輩の攻撃も避けられたようだ。
杏先輩がバランスを崩して机から落ちてすごい音がした。
「何や?杏先輩?起きたんか?」
状況がわからない光クンは混乱しているもよう。
「光クン逃げよう!早くしないとまた襲って来るよ!」
「はぁ?何言ってるん?どうせいつもの悪ふざけやろ」
「違うって!ふざけて包丁で襲わないでしょ!幽霊に取り憑かれてるんだよっ‼早く‼」
倒れていた杏先輩がガッと光クンの足を掴んだ。
「……ネェ、アナタヤットカエッテキタノネ…」
「!!!!!!」
血を這うような声に目が白目になって変貌している杏先輩に光クンは声も出せずに固まってしまった。
「モウドコニモイカナイデ?…ドコニモイカセナイ!!!」
杏先輩が光クンの掴んでいた足を思いっきり引っ張って倒した。
懐中電灯が光クンの手から落ちてクルクル回る。
通常では絶対にありえない力。
その上に馬乗りになり包丁で刺そうとする。
「やめて‼」
私は咄嗟に杏先輩を突き飛ばして倒れた杏先輩から包丁をとりあげて遠くに投げ捨てた。
ホッとした瞬間、次は私を襲ってきた。
「オマエェェェェ!マタウバイニキタノカ‼コロスコロスコロスコロス‼」
そう言って私を床に押し付けて首を締めてきた。
必死に抵抗しているがビクともしない!
「おいっ!やめろや!」
光クンが止めに来たが何か見えない力で吹き飛ばされた。
やばいダメかもしれない…。
もう、意識がもたない……。
「シィネネェェェェェェェェ!!!!!!」
※※※※※※※※※※※※※※※※
「お兄、なんと彼氏が出来ました!」
「どうせダメンズだろ。」
「あは☆お兄の知ってる人でーす。」
「言うな。わかったアイツやろ。今日会った時なんか様子が変やったし。…また面倒な奴選びやがって。」
「なんかあったら相談のってね♪」
「嫌だ。断る。」
「そこをなんとか。可愛い妹でしょ?……そう言えば聞きたい事あるんだけど…」
「なんだ?手短に言えや。」
「ミツル君とユウスケ君だったらどっちが本命?」
「どっちもないわ!この腐女子が。」
「じゃぁ、ミカさんと私だったらどっちが大事~?」
「ミカに決まってるやろ。」
「わぁお。リア充!ラブラブですな。羨ましぃ。」
「……おい。」
「なに~?」
「さっきのは冗談やし。色々我慢して爆発ってなっても面倒だから何かありそうだったら俺言えや。」
「…ありがとう。お兄。」
「しゃーなしに助けてやる。感謝しろよ?」
※※※※※※※※※※※※※※
「……‼………!!!!」
「…?おにぃ…?」
バチン!
「………いったぁーいぃ‼」
「大丈夫かッッ‼」
「えっ?ここ?あれ?」
「アホか‼寝惚けとる場合か‼逃げるぞ‼」
周りを見渡してみると厨房で倒れていたようだ。
杏先輩は、少し離れた所で胸を押さえて苦しんでいる。
「今のうちや!早く‼」
「でも、逃げるって何処に!?」
「知るか‼とりあえず隣の部屋に立てこもるぞ‼」
「わかった!」
急いで隣の部屋に逃げ込んでドアの前に椅子でドアを固定する。
それからテーブルでドアが開かないようにバリケードを作ってその上に更に椅子を置いた。
それでも安心出来ないのでテーブルを二人で手で押さえる。
肩で息をするのを整えながら光クンに話しかけた。
「ねぇ、なんで杏先輩苦しんでたの?もしかして…殴ったの?」
「違う。なんか、一定の距離から全く近寄れなかったし。それ以上近寄ろうとしたらよくわからん力で吹っ飛ばされたし物理攻撃は無理やった。」
「じゃあ、どうやっ「ガンッッ!!!!!!」」
ドアがすごい音がした。
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン
連続して強くドアを叩く音に声を無くして必死でテーブルを押さえる。
ガンガンガンガンガンガンガンガンガン…………
叩く音が止まった。
もしかして諦めてくれたかな…?
しばらくそうやっていると椅子の間から何か出てきた。
それは最初は小さい豆粒のような物だったのがどんどん大きくなり形を表してきた。
それは手だった。手から腕が出てきて姿が見えてきた。
「逃げるぞ‼」
光クンが叫ぶと同時に廊下への扉に向かって走った。
椅子と机が倒れて完全に杏先輩の姿が見え追ってきた。
走っている様子はなく中に浮いているようだ。
廊下に出た瞬間追い付かれて私は廊下の壁に吹っ飛ばされてしまった。
何か…何か思い出せ。諦めるな。
この状況をなんとか切り抜ける方法を‼
逃げようとしたけど捕まって壁に押し付けられ首を絞められた。
ギリギリとものすごい力で絞めてくる。
手を間に挟んで懸命にもがくけど全然歯が立たない!
あと少しで何か思い出せそうなのに
もう、今度こそ駄目……‼
「うぎャァァァァァァ‼」
急に杏先輩が苦しみだして拘束がとけた。
「早くこっちや‼‼」
横から腕をとられて立たせられた。
逃げようとすると杏先輩が足を掴んできた。
「離せや‼‼」
と言い光クンは杏先輩に何か(?)を投げたような素振りをした。
杏先輩はまた苦しんで手を離しす。
逃げようと廊下を改めて見たときふとあるドアが目に入った。
そして思い出した。
あそこだ!あそこなら逃げられる。
「こっち‼ついてきて‼」
光クンは私のあとについてきてくれた。
杏先輩も回復して追いかけてくる。
私たちは急いでそのドアをあけて中に入った!
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森戸七海
服装:ジャケット Tシャツ デニム スニーカー
装備:ペンライト
持ち物:メモ張 ペン ハンカチ ティッシュ ペンライト フォーク
内山光
服装:デニムツナギ(風神雷神の刺繍入り)
装備:???
持ち物:???
☆NEW☆
コップは破損して使用不可
懐中電灯はキッチンに落とした