探索する部屋その2
ここは厨房みたいだ。
さっきの食堂に熱々出来立て料理を運んでたんだろうなー。
あぁ、なんかお腹すいてきた…。
ドアから入って部屋の中央に手前と奥に2つたぶんシンクの机があり左に水場、右にコンロ、一番奥の目の前にはたぶん冷蔵庫だと思われる物がある。
なぜ"たぶん"かというかというと錆なのかなんなのかすごく汚れ(?)て元の色や材質がわからない。
壁に包丁がつきたっていて床にはいろんな道具が散乱している。
カビか苔かわかんないけど生息している流し台の隣に廊下に続いているドアを発見。
「あのドア開けてみるね。」
「…なんか出てもしらんぞ?」
ニヤッと意地悪く笑う光クン。
さっきの仕返しですか。気にしなーいもーん。
ガチャッ!
ドアノブが回るのに開かない。
よく見てみるとドアの隙間にフォークが刺さっている。
取り除くとドアは開いて向こうには予想通りに廊下に出だ。
…正直普通に廊下でホッとした。
こんな世界だからもしかしたら別の世界に繋がっちゃうとかあるかもとか考えて開ける時少しドキドキしたんだよね。
うーむ…これキーアイテムになるかな?
扉の杭みたいになっていたフォークをじっと見てみる。
でも、どこからどうみても普通のフォーク。
飾りがあるわけでもないし違うか?
でも、もしキーアイテムだったら持ってなかったらやばいよね…。
とりあえずポッケにいれとこう。
ドアをしめて光クンを見てみると冷蔵庫を漁っている。
…他にいいお酒がないか探してるのか?
玄関にいたときの仲間を心配していた気持ちさっぱりなくなっているもよう。
まぁ、そんな気持ちは最初からなかったのかもしれないけど。
私的には先輩を見つけたいような見つけたくないような。
どうやって対処すればいいのか全く思い出せてないし…。
うん、なるべく見つけないようにする方向で頑張りましょう。
なのでお酒探しはとりあえず黙認というとこで。
色々考えを巡らせたり思い出そうとしている間に冷蔵庫を漁り終えた光クンは次に奥のシンク(?)机の下に設置してある収納棚っぽい所を探そうとしていた。
ガラッと棚の扉をスライドさせて瞬間…
「うぉッッッ‼」
ガシャン!バタン‼‼
「どしたの‼なんか出た!?」
恐いので近寄らず遠くから聞く私。
「いや…。なんか杏先輩見つけたわ。」
「はぁ?何処に?」
「ここに。」
恐る恐る近づいて見ると杏先輩がうつ伏せに倒れている。
「どーゆうこと?何処にいたの?」
「この棚のドアをスライドさせたらなんか倒れてきたしびっくりして払いのけたら杏先輩やった。」
「こんな所に隠れてたんだねー。狭いしすごく怖そうだけど。」
「そんなん知らんわ。……おーい起きてくださーい。」
そういいながら杏先輩のほっぺをつまむ光クン。
つまむのはいいですがほっぺが完全にみにょーんとのびて顔が地面から浮いてます。
めっちゃくちゃ痛そうな光景です。
「全然ダメやわ。起きそうにないな。しゃーないしお前が杏先輩見とれや。俺は部長探してくるし。」
「それは嫌!私も一緒に探しにいく。」
「なんでや。杏先輩このままにしていく気か?薄情な奴やな。」
「いやだって私だけいても守れないじゃん。絶対二人とも襲われて死ぬから。化け物も意識のない人なんて利用しようとしても攻撃とかしないって!それにもし光クン一人で探索してて幽霊出たらどうするの?襲われても一人でなんとかしないといけないんだよ!そうなっても知らないんだから!」
初めてこんなに親以外の人に意見したような気がする。
しかも怖い人に!…でも、死ぬかも知れないのに黙ってはいられないからここは何がなんでも譲れません!
光クンは、ちょっとびっくりしてるようです。
まぁ、無理もないよね。いつもなるべく近寄らないようにしてたし友達といても流されるままに部内でもあんまり自分の意見とか言ったこととかないから。
「…………はぁ~。わかった。でも、このままここに寝かせとくわけにはいかんし移動させるから手伝えや。」
意外と簡単に説得出来ました。
もし、ダメだと言われてもうんというまで粘るつもりだったので拍子抜け。
よかったよかった~。
「移動させるのはいいけど何処に移動させるの?」
「とりあえず、ここはいかんやろ。なんか色々落ちとるし。寝返りうってケガとかされて後からガタガタ言われんのもめんどいしな。」
「そうだね…じゃぁ、さっきの部屋だね。玄関までは遠いし。椅子並べて寝かせておけばいいんじゃない?」
「そやな。じゃ、隣の部屋の用意よろしくな。」
「えっ?なんで私だけ?」
「お前、杏先輩運べるんか?出来んやろ?」
「…わかった。杏先輩お願いね。」
「おう。」
さっきの食堂に行って片付けをはじめる。
まず壊れてない椅子をさがして角に集めておく。
テーブルを全力で押して窓側に移動させて、ついでにテーブルクロスを取る。
無事な椅子が全部で6脚あったので向かい合わせに順番に置いておくとベット(仮)が出来上がった。
椅子にささくれがあったのでテーブルクロスを裏返してしいておく。
テーブルクロスは叩いたけど埃っぽい。
でも、杏先輩の体に傷がつくことを考えての事なのでこれぐらいは我慢してもらおう。
もし、体に傷がついたとしたら後からグチグチとめんどくさいし。
用意が出来たので厨房に戻って見ると光クンがまだ探していなかった手前のシンクの方をガサゴソしている。
「用意出来たから杏先輩をお願い。」
「うん?わかった。…お前なに持ってるん。」
私はガラスコップを持っていた。
さっきテーブルクロスをとる時にあった物でどうせなら厨房に戻しておこうかなと思って持ってきたのだ。
厨房はひどい状況だけどそのままテーブルにコップをに置いておくのはすごく気持ち悪いというか嫌だった。
家では食器を使ったらちゃんとキッチンに持っていかないとすごく怒られて食事が抜きになる。
長年の習慣ですね。流し場に置いておくとしましょ。
私が流し場に一歩進んだ時、光クンの背後がキラッと光った。
ん?と思ってよく見てみるとさっき壁に刺さっていた包丁が奥のシンクの机に乗っていた。
そして、包丁が上がっていく…。
机の上に誰かが立っていた。…杏先輩だ。
包丁をかざして光クンの後ろにいる。
私が光クンに声をかけようとした瞬間、杏先輩が光クンに包丁を振りかぶった。
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森戸七海
服装:ジャケット Tシャツ デニム スニーカー
装備:ペンライト
持ち物:メモ張 ペン ハンカチ ティッシュ ペンライト コップ
フォーク
内山光
服装:デニムツナギ(風神雷神の刺繍入り)尖った靴
装備:懐中電灯
持ち物:???
☆NEW☆杏先輩が襲ってきた