地下部屋4
よろしくお願いいたします!
前には虎のようなに威嚇する光クン、後ろには鷹みたいに冷たく鋭い目をした海斗クン…
それに睨まれた小動物の私はもうどうしようもないじゃん‼
「んじゃ、あと10秒以内で吐けや。吐かなかったら…なぁ?わかってるやろな??」
NOー‼10秒とか絶対に無理無理‼
ムス〇でも3分待っててくれてたよ⁉
「10…9…8…」
何度振り返っても海斗クン何も言ってくれないし!
あのドー〇でも40秒待ったくれたのに‼
「7…6…5…」
あーーーもう‼助けて巨人兵‼
なんも思いつかない‼
「4…3…2…い「ゲームなの‼」」
これはもう誤魔化せない…。
「…ゲーム…ですか?」
海斗クンが後ろからポツリと言った。
「そうだよ。ゲーム。前にしたことあるゲームの中とそっくりなのこの場所。」
「ゲームってどんなにやつなんや?」
「うあ?えーーーーーっとぉ…。」
「んっ?さっさと言えや??」
どこから取り出したのかわからないけどアイスピックを手にペチペチしながらいう光クン。
ひいぃぃーー!こわいぃーーーー‼
「ミツルっ…そう、ミツル先輩のやってたゲームに似てるの‼ホラーのやつだよ‼」
とっさにミツル先輩の名前を出してしまった…。
たぶん、ミツル先輩は転生者ポイしきっと後からフォローとか誤魔化して助けてくれるはず!きっとね‼(願望)
「屋敷に閉じ込められて脱出するために色々探索して行くんだけど。途中お化けに襲われたりするゲーム。」
乙女ゲーム以外は正直に話していく所存です。
…上手く説明できるかはわかりませんけどね。
「ほぉーー…。ならミツル先輩はこの状況を知ってるわけやな?」
「…光先輩、それは二階での行動をみる限りたぶんわかってるような気がします。」
その海人クンの言葉に少し考え込む感じの光クン。
ここでさりげない海斗クンのフォローありがとうござーます!
…まぁ、それは嬉しいんだけどもう少し優しい目でみてもらえませんかね?
「そこん所はあとからミツル先輩にも聞くとして…どうやったらここから出られるんや?」
「え?」
出られる?そんなの知るわけないじゃん!
知ってたらすぐに出ていってるってば‼
「ここがそのゲーム世界と仮定して攻略わかっとれんたらもったいぶらんとさっさと言えま。」
「その…えっと……わかりません!」
「はぁ↗!?何言っとるんや!そこが一番大事な所やぞ!」
「いや、本当にわかんないんだよ!もしかしたら忘れてるだけかも知れないけど…。」
「ふざけんなま!役立たずやな!ちゃんと覚えとけま!」
前世の記憶とか忘れずに持ってるだけですごいと私は思うよ!
てかね、ゲームの記憶あっただけでも褒めてほしいくらいですけど‼
「光先輩、まぁまぁ落ち着いて…。とりあえず一部でも覚えてるだけラッキーじゃないですか。現に色々なんとかなってますし。」
「そうそうそうそう‼」
何事もよい風に考えるべきです!
「じゃ、なんなら覚えとるんや。覚えとることだけでいいし話せや。」
「…今の所は幽霊がいて杏先輩に取り憑いてきて襲ってくるっていうことくらい?」
一階で思い出した事以外まだ全然記憶もどってないからそれ以上はわからない。
「そんなこと俺でもわかるわ!!」
「怒らないでよ!それしかわからないんだから‼」
「じゃ、七海先輩はなんで色々変な行動してるんですか?」
間に入って海人クンがさりげなく手を繋いできた。
なんだ?また、会話に入れなくて寂しかったのか??
「…ここがゲームの世界かなって気がついた時にゲームクリアやイベント発生条件は思い出せなかったけど進め方を思い出したから。」
「進め方ってなんや。」
アイスピックをまたペチペチしたながら聞いてくる光クン。
そんな脅さなくてもちゃんと話しますから!
危ないのでしまってください‼
「このゲームは屋敷の中を色々調べて道具を見つけたり謎をといたりして進めていくんだってこと。そんで、色々調べてくうちになんとなーーーく思い出してることで感じ?」
「ほぉー…、じゃあ、頼りにしとるからな?ちゃっちゃと先に進むから思い出せや。」
いやいやいや、ナイナイないないから‼
さっき外の変な気配してるとか光クン自分で言ってたじゃん‼
「えっ⁉これ以上奥に進むの??やめようよ!私はなんか嫌な予感しかしないんですけど‼」
「…光先輩、七海先輩はこう行ってますけどどうしますか?」
猛然と対抗する姿勢の私に海人クンは少し息をついて光クンのほうに話しかけた。
「さっきの機械動いてから変な気配はいなくなってん。まぁ、今なら廊下に出られるやろうけどこのまま上に戻るとかしても、なーんも進まんやろ。ほらあれや、【虎穴に入らずんば虎子を得ず】つーやつや。先に進むぞ。」
「おけつって何よ!そんなのどーでもいいから‼」
「…先輩…こけつです…。」
「………、とりあえず絶対反対‼」
なんか、場の空気が一瞬止まったような気がしたけどスルー‼
断固反対‼
「お前が思い出せばいいだけや。じゃ、他に案があるんか?」
「さっきの部屋に戻って鍵があったからとりあえずそれを取りにに行こうよ!」
下に降りる前に思い出してとっておくべきだったけど今はそれを言い訳になんとか戻りたい私です。
…言い負かされる気しかしないけどね…
「はぁ?ここまで来て帰るとかないやろ。奥まで見てから戻った方が無駄ないやろ。戻るとか時間がもったいないわ。」
「そんな事ないもん!奥に鍵がかかった部屋あったらどうするの?また、行って帰ってこないといけないじゃん。」
「それこそ言うけどな、奥に鍵がかかった部屋あるって覚えとるんか?違うやろ。行ってまたここまで戻ってきて鍵いらんてなったほうがマジ無駄や。」
まぁね!そうですよね!でもでもーーーー‼
「本当に!ホントーーーに嫌な予感するんだって!」
これはマジもんです。てか、それしかしません。
…まぁ、勘だから絶対になにかあるっ!って確信は無いんだけど。
でもね、私のシックスセンスが言ってるんです!
光クンは、上目遣い(嚇し)でこっちを見てきた。
「なら、何があるんかさっさと思い出せや。それで解決するやろが。…あのな、言っとくけどなお前の事全部信用してるわけじゃないしな。ここがゲームの中とか…。普通ならありえん状況やししゃーなしに納得しとるだけや。」
そんな事言うなら信じて貰わなくていいもん‼
なんでそこまで地下探索したいのかわけわかめなんですけど!?
「…七海先輩あきらめて下さい。こうなったら光先輩は絶対に引きませんから。俺が絶対に守るんで行きましょう。」
そっと隣に来て耳打ちしてくる海人クン。
くぅーーーー‼
なんかあったら絶対に恨んでやるぅ‼
~七海は聞いていない~
くぅーーーーとか思ってパニックになっていた時の会話
「先輩は、何を探してるんですか?」
「んぁ?なんのとこや?」
「…まぁ正直に話してもらえるとは思ってませんしいいですけど。」
「お前はわかっとるんか?」
「何をですか?」
「"虎穴"や。」
「こけつにいらずんばこじをえず
【虎穴に入らずんば虎子を得ず】
危険を冒さなければ望みのものは得られないことのたとえ。
…ですよね?」
「そうやよな。わかるよな普通に。高校のレベル的によく入学出来たなアイツ。」
「……。そういえばアイスピック…。あれって脅しですよね?」
「お前はわかっとったと思うけど透明カバー付きや。威力もなんもやいぞ。…アイツは気がつかんかったみたいやったし使えたけどな。」
「そうですね。もし、カバー付けてなかったらキレてたところです。あれでもギリセーフですよ?」
「まぁ、とりあえず言える事はお前めんどくせー。」
「オレは、七海先輩の騎士になりたいので。それくらいわけないです。」
「……真顔でまじ寒い事言うの禁止な。なんか、キツイわ。…てか、やっぱり聞いてないのな。アイツの恋愛回路死滅してるんじゃないん?」
「光先輩は何を言ってるんですか。七海先輩はオレの心を盗んで言った泥棒ですよ?きっと聞こえないふりをしてるんです。」
「だから、もうホント止めろや。萎える通り越してマジでしんどいわ…。」
「わざとですよ?ギリセーフなだけで怒ってないわけではないので…。思って言ってこなかったことを言ってるだけですけどね。」
(悪かったから…。もう、勘弁してくれ…。)
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森戸七海 バルス‼
服装:ジャケット Tシャツ デニム スニーカー
装備:ペンライト
持ち物:メモ張 ペン ペン ハンカチ ティッシュ(残りわずか) ペンライト 塩(手のひらサイズ)残り半分 塩の小包×10
内山光 攻略本getだぜ‼
服装:デニムツナギ(風神雷神の刺繍入り)尖った靴
装備:懐中電灯
持ち物:味塩(詰め替え用) メリケンサック小(威力小) 携帯催涙スプレー ポケベル アイスピック(カバー付き) ペン メモ一頁
ティッシュ残り僅か
奥田海斗 先輩は大事な物を盗んで行きました。オレの心です
服装:パーカー Tシャツ チノパン スニーカー
装備:懐中電灯 ポシエット
持ち物:メモ張 ポケベル ボイスレコーダー 使い捨てカメラ 味塩(瓶)残り2/3 塩の小包×5
読んで頂きありがとうございました‼
頑張って書いていきます