地下部屋1
いつの間にか時間がたってました…
少しグロ注意
1人じゃ怖いから海斗クンについてきてもらおうと思ってお願いしたんだけど…。
以外…光クンもついてくるんだ。
まぁ、どっちでもいいけど。
1人じゃなくてよかった!
今までいた位置のドアの前から移動を開始する。
光クンを先頭にドアを背にして右に向かって進んでいく。
外よりマシといっても上にいた時よりは遥かに見辛い状況。
近づかないと細かい隅のほうとかはわからない。
海斗クンから懐中電灯とペンライトを交換してもらって注意深く見ていく。
金網からこっち側は本当に何もない。
と、言うことは何かあるとしたら金網の向こう側って事だよね。
「ねぇ、金網の向こうって何かあった?」
隣を歩く海斗クンに小声で聞いてみる。
また光クンに見てないのかとかグチグチ言われても嫌だしね。
「オレ達そこは見てませんよ。光先輩が見てきてくれましたけど…。」
歯切れが悪い海斗クンの返事。
何かあったのか?
「…途中で帰ってきました。足元にネズミの死骸があって暗くて気づかず踏んでしまったみたいなんです。ネズミには色々虫が発生していたらしく踏んだ靴にビッチョリとついて…それに気づいた光先輩は顔面蒼白で帰ってきました…。ショックだったみたいであんまり詳しくは教えてくれませんでしたけど、たぶんそんな感じでココは詳しく見ていません。…七海先輩静かだなとは思ってましたけど全然見ても聞いてもなかったんですね…」
集中すると回りの事が見えなくなるタイプなんです…。
すみません…。
「あはは…。ごめん。…で、光クンその後どうなったの?」
「靴がモゾモゾと動く虫まみれなので必死で金網に擦り付けてました。でも、潰れて余計に酷いことになってましたね。オレが渡したティッシュで無言で靴を拭いてました…。気まずくて重い雰囲気だったんですけど…。それを全く気づかなかった先輩の集中力は本当にすごいです。」
バカにされているのか?
それとも単純に誉められているのか?
…うん。誉められている事にしておこう。
そっちのほうが精神的にも良いしねっ!
「…何、後ろでコソコソ話してるんや。もう一周になるけど結局なんもなかったし上に行こうや。」
「待って。あっちの機械の中の部分見てないよ。私、見てきたいんだけど…」
そういうと光クンの顔がひきつったのがわかった。
「あそこには俺は行かんからな。行くなら二人で行けや。金網の外の所で待っとるしサッと見て帰ってこいや。」
うん。当然の流れだよね。
待っていてくれるだけでもありがたいです。
「わかりました。じゃあ、二人でちょっと行ってきます。」
海斗クンが繋いでいない方の手で金網の一番左端にある扉を開けて機械のある部屋の部分へ行く。
幅は人が1人通れるほどしかないので懐中電灯を渡して海斗クンに先頭を歩いてもらうことになった。
…なぜか手は繋いだまま。ぶっちゃけ少し歩きにくかったりする。
部屋の半分を埋めるだけあって近くで見るとより大きく感じる。
暗くて見えなかった細かい部分も見えるようになった。
機械は左半分がパイプやバルブ、配線が複雑に絡み合った集合体でもう右半分は箱みたいになっている。
その丁度中間に腰の高さぐらいのパネルが置いてある。
パネルは20㎝四方で液晶になっているみたいで真っ暗だ。
このパネルなんかありそう…。
だけど今の時点で触っても意味無さそうなのでとりあえずスルーして右へ進んで行く。
右端にたどり着いたけどココまでは気になる箇所はあのパネルの場所だけかな?
…見落としがなければの話だけど…。
さて、更に機械の後ろに回るために左に曲がる……?
急に海斗クンが立ち止まるのでつんのめる私。
「海斗クン?どうしたの??何か見つけた??」
「…先輩戻りましょう。」
「えっ?なんで?」
「これ以上は行けません。」
そう言って少し体をズラして前を見せてくれた。
懐中電灯で照らされたそこには大きさ20㎝ほどのネズミの死骸があった。
ネズミは一匹ではなく裏へ続く道約2mにわたって数十匹、折り重なるようにして倒れていた。
そしてネズミ達にはウゾウゾと蠢く白い虫が無数についておりとてもグロテスクな光景となっている。
気持ち悪っ‼
これは光クンも嫌になるのわかる。
それもココに足を突っ込んだって事だよね…。
考えただけで背中がゾワッとする。
あっ、でもなんか思い出せそうな気がする…。
似たようなの見たことある…。
あれはなんだったっけ?
あれは……ネズミじゃなくて…?
ニンゲ…。
『ダメ‼』
‼‼…えっと…。
ん?なに考えてたんだっけ??
なんか思い出せそうな気がしたんだけど…。
「七海先輩?気分悪くなりましたか?早く光先輩の所にもどりましょう。」
「大丈夫!ちょっとびっくりしただけでなんともないよ。…あのさ、この先に行きたいけどなんか方法ないかな?」
「えっ‼なに言ってるんですか⁉ココを通るリスクがあるとは思えません。先輩の所に戻って上に行きましょう。」
珍しく海斗クンに反対されちゃった。
普通はそうだよね。
でもさ、こんなのが在るってことは絶対向こう側に何か隠してあるかしなくちゃいけないことあるよね?
「そうなんだけどさ…。あっちに何かあるかもしれないじゃん?」
「何もありませんって…。なんでそこまでして向こうに行きたいんですか?」
そう言われても困るけど…。
何かありそうだから向こうに行きたいだけなんだけだしね。
「こんな所にいても仕方ないです…。戻りますよ。」
有無を言わさず手を引かれて戻る私。
どうしよう…。
なんとか行けないかな?
距離があれぱ走って飛び越える事も出来るけどそれだけの距離も幅もないし…。
そして、海斗クンが許してくれなさそうだし…。
むむむ…。
「…戻ってきたんか。んで、どうやったんや?」
「気分が悪いものを見ました…。アレはないです。」
「やろ?最悪やろ。俺はアレに足を突っ込んでんぞ。」
「…なんというか、御愁傷様です。」
「そんで、またなんで後ろの黙りこんでるんや?」
「……アレをなんとかして渡りたいみたいです。」
「はぁ⁉正気か⁉なんであそこ通りたいんや。意味わからん。」
「オレにもサッパリ…。」
「無理やろ。てか、ありえんわ。さっさと上に行こうや。」
これ以上の時間稼ぎは無理そう…。
とりあえず一旦は戻るしかないか…。
…さっきの経験を踏まえて一応ちゃんと話を聞きながら考え事してました!
ささやかな最後の抵抗でわざとゆっくり歩いて戻る。
結果、手を繋いでいる海斗クンが遅くなり合わせる光クンも遅くなるという事に。
「おせーよ。さっさと歩けま。」
一度立ち止まり振り返りながら光クンがいう。
…集中して聞こえないふり。
「お前聞こえてるんやろ。俺を無視するなんていい度胸やな。さっきと全然違うしわかるげんぞ?」
やばい…。バレバレヤバイ。
でも、今更返事も出来ないし…。
これはもうこのまま乗り切るしかないよね?
「…おい。わかってるって言ってるやろが。舐めてんのか?」
なんかもっとヤバくなってきた?
選択ミスで背中に汗かいてきた。
誤魔化すように金網の方に目を向ける。
そこで目に入ったのは"高圧電流注意"という文字。
ん?これって…。
「これだ!!!」
急に大きな声を出したので二人ともびっくりしたようだ。
光クンは後退り海斗クンは繋いでた手を離した。
「これだよ!!これ使える!!!」
「七海先輩?何が使えるんですか?」
「この看板だよ!これ‼」
「いきなり訳のわからんこと言うなや。さっさと上に行くげんぞ。」
「先に進める方法わかったの!」
「先輩?とりあえず落ち着いて下さい。何処に進めるんですか?」
「機械の裏側。」
「「……」」
二人とも無言になってしまった…。
というか、ドン引きな顔でこっちを見るのは止めてください。
その顔を見ていると少し気持ちが落ち着いてきた。
うん。なんか色々間違えたような気がするけどそこはもう仕方ない。
「先輩?冗談ですか?」
「違うよ。本気だから。本気と書いてマジって読む。」
「いや、止めましょうよ!」
「やめない。行くの。絶対。」
「オレ達、手伝いませんからね。」
「いいよ。私一人でもするから。」
頑なな私に海斗クンは驚きながら困っている。
悪いけどココは譲れないから。
…でも、手伝わなくてもいいけど待ってては欲しい…。
こんな所で置いてきぼりとか怖い。超怖い。
沈黙が続く。自分がしたことだけどすごい気まずい。
どうしたもんかと考えていると不意に光クンが溜め息をした。
「…はぁ。海斗諦めろや。コイツの目見てみ。絶対に折れんぞ。」
怒られるかと思ってビクビクしてたのに気が抜けた。
というか、味方になってくれると思わなかったのでびっくり。
「それにや、一人でもするって言うんやから勝手にさせとけばいいし。…そやろ?」
味方かと思えば違った!
一人でもするって行ったけど…。
まぁ、一人でもするさ。やってやるさ‼
「……うん。する。」
「先輩…。あんな所の先に何があるって言うんですか?……何か知ってるんですか?」
「…わかんない。何もないかもしれない。でも、あるかもしれない。…私はココから出て帰りたいの。だから、何か可能性があるならしておきたいだけ。」
こんな所で絶対に死ぬのなんてイヤ。
絶対に帰る…そして出来るならみんなで帰りたい。
だから今やらなくちゃいつやるのさっ!
女は度胸と愛嬌‼
「海斗好きにさせとけや。めんどくせーし。…それに今、外に出んのはヤバい気がする。しばらくココから出んのはなしや。」
「えっ?ヤバいって何⁉」
「…なんか変な気配が行ったり来たりしてるんや。」
「なんかって何がいるの⁉」
「そんなん知るか!なんかするんならさっさとすれま。」
えええぇーーー…。
すっごい気になるんですけど⁉
ここですることせずに外に出たら襲われて死ぬとかないよね?
と、とりあえず私は私の出来る事するしかない。
看板の前に立って外そうと手を伸ばす…。
………とどかない…。
「おい、なにバンザーイしとるんや?」
振り向くとニヤニヤしながら光クンが言う。
……ムカつく。
無言でジト目で光クンを見ていたら黙っていた海斗クンが隣に立って看板を外してくれた。
「…手伝います。一人じゃ無理そうですから。」
少し拗ねたようなぶっきらぼうに言う海斗クン。
さっきまですごい反対してたのに…!優しい子!
ツンデレっていうのかな?可愛いしこんな弟欲しかったよぉー。
未華ちゃんが本当羨ましい…。
「ありがとう!すごい助かる‼」
「…オレだって…オレのほうがいつも見てるし七海先輩の事わかるんで。そして力になれます。」
お礼を言う私をスルーして光クンに何やら宣言している海斗クン。
それを面倒くさそうに見てさっさと行けと言うように手でシッシとされた。
???。…なんかよくわかんないけどあんまり良いところは見せれてはないよ。
あっ、だから子供扱い?
…うん。本当にもう少し考えて行動しよう。
「…これ、何に使うんですか?」
光クンから視線をずらして私を見る海斗クン。
「えっとね、こっちに持ってきて欲しい。」
さっきのネズミの場所を目指して案内する。
途中まで光クンも黙ってついて著たけどやっぱり金網の所まで。
たぶん、またそこで待っていてくれるのかな。
海斗クンに看板を持って先に行く。
問題の場所につくと海斗クンはため息をついて看板を自分の前に下ろした。
「…この看板をどうすればいいんですか?」
「この上に乗せて。」
ネズミを指さして言う私に海斗クンは顔を引きつらせながら板をそっと置いた。
これでネズミが全く見えない状態になった。
「……聞きたくはありませんがこの後どうするんですか?これ?」
「えっ?どうするって…板の上を渡って向こうに行くんだよ?」
「…………ハァ。ですよね。それしかないですよね……。」
なんか頭を抱えだした海斗クン。
そりゃあそうだよね。
間に板があるっていってもその下にはネズミがゴロゴロいるわけで……。
それを踏みつけて向こうに行くんだからけっこうキツイ物がある。
やばい。考えたら渡れなくなりそうだしもう考えるの止めよ。
「…まぁ…じゃあ、私行ってみるね。」
「…どうやってですか?ここ人一人がやっと通れるほどの狭さなのに。オレより前にどうやって行くんですか?いくら七海先輩が小さくてもすれ違うのは無理です。」
海斗クンはまだ私を行かせなくないようでゴネ始めた。
でも、ここまで来たらやるしかないよね?
女は度胸!
「じゃあさ、しゃがんでよ。その上通って行くから。」
「ハァ!?何を言ってるんですか!?」
「だから、しゃがんだ上を跨いで行くからって言ってるの。」
「何考えてるですか!そんな事出来ません!!」
何が駄目なのかわかんないけど海斗クンが顔を赤くしてすごい顔で言うから無理そうだ。
「じゃあ、1度戻ろう。このままいてもどうしようもないし。」
ちょっと面倒だけど仕方がない…。
私が戻ろうと背を向けるとボソっと海斗クンが何か言った。
振り向くと海斗クンが真剣な顔をしてこちらを見ていた。
「えっ?何か言った??」
「…オレも行きます。」
「うん?別に置いていったりしないよ?」
「だからオレがあの板を渡って先に行くって言ってるんです。」
「なんで?嫌がってたじゃん。」
「先輩だけに行かせるとかあり得ません。ここで待ってたらオレが後悔します。」
そう言いながら顔色があまり良くないが覚悟を決めた顔をした海斗クンを見る。
それならそれで良いけど…。大丈夫?
「じゃあ、海斗クンからどうぞ。」
そして、海斗クンの脇から板を見て気合いをいれる私だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
森戸七海 気合い!!
服装:ジャケット Tシャツ デニム スニーカー
装備:ペンライト
持ち物:メモ張 ペン ハンカチ ティッシュ ペンライト 塩(手のひらサイズ)残り半分 塩の小包×10
内山光 …暇…
服装:デニムツナギ(風神雷神の刺繍入り)尖った靴
装備:懐中電灯
持ち物:味塩(詰め替え用) メリケンサック小(威力小) 携帯催涙スプレー ポケベル アイスピック(カバー付き) ペン メモ一頁
ティッシュ残り僅か
奥田海斗 ヤケクソやるしかない
服装:パーカー Tシャツ チノパン スニーカー
装備:懐中電灯 ポシエット
持ち物:ペン メモ張 ポケベル ボイスレコーダー 使い捨てカメラ 味塩(瓶)残り2/3 塩の小包×5
遅筆ですみません
読んで頂きありがとうございます




