はるかの戦闘
――――
『うおおおおお!!』
ほ、ほんとに飛び越えて来やがった!!
私はもう三十分くらい走っている。
そろそろ諦めろ。
後ろを見る。
あいつらは相変わらず追っかけて来る。
赤「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!たのひぃ!」
もうあの赤色のネクタイの奴頭ヤバイだろ………
緑「おい、キチガイに見えっぞ。」
緑のネクタイの奴、ナイスツッコミ。
青「ヒィ、ヒィ!」
青のネクタイの奴、息切れしてますよ~。
黄「あいつ、はえぇな。」
黄色のネクタイの奴、ありがとう。
紫「それな。僕は疲れないけど。」
紫のネクタイの奴、お前はバケモンか?ん?
角を曲がり、気づく。
あ。待ってこの先の道……
『また行き止まりですよぉアハハハハハハハ。』
私の目の前には壁があった。
「「「「「みーつけた!」」」」」
ひぃっ!?
青の奴が注射を取り出す。
まじかよオワタ
ジリジリと近づいて来る。
ブスッ。
アハハ。さされたぁ。
多分、私もうすぐ目の前が真っ暗になるのかな?
三分後。
………なんねぇ!!!
紫「え…なんで…?」
紫の奴に取り押さえられている。
ハッ。ざあっまあああwww
次の瞬間、そいつはフードに手を伸ばした。
声が出た。自然に。
『触んじゃねえええええ!!!』
顔だけは見られたくない。
そいつはピタッと手を止めた。
ん?少しずつ睡魔が襲ってくる。
最後の力でこう言った。
『頼む。顔だけは見られたくない。』
こう言ったと同時に目の前が真っ暗になる。
――――
目が覚めると真っ暗な部屋にいた。
椅子に縛られてる。
『ほんとはもっとぽっくり死にたかったけど、無理だから、寝よう。』
「いや寝るなし!!!?」
ナイスツッコミ。緑のネクタイの奴。『あ、ツッコミドリ。』
「いや!ツッコミドリってなにっ?!」
『え?ツッコミと緑を合わして、ツッコミドリ。』
「いやなにそれ!?」
ノリいいなこいつ!
『あ、なぁ、カメラ持ってるか?」
「えっなんで?」
『写真撮ってほしいんだ!』
〔緑目線〕
え?なぜ?
「なんでだ!?」
『なんでって…!一生に一度の貴重な拘束だよ!?滅多にないじゃん!!!』
はぁ!?
「え?」
『早く!!!!』
「あ、うん。」
パシャ。
しまったぁ!!!!
勢いに押されたァァァァァァ!!
しかも喜んでるよ!!
「M…なのか?」←違うよ
〔はるか目線〕
ウッヒョォォォォォ!
レアだよ!こんな貴重な経験!!!!
私がニタニタ笑っていると
「お、起きたのか!」
赤色のネクタイの奴が入って来た。
ほら、「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!」
の奴。
『あ、キチガイ。』
「えっ」
赤色が唖然とする。
「いやいやいやいや!初対面にキチガイとか!」
相変わらずのツッコミドリ。
「そっかぁ…キチガイに見えるかぁ…」
赤色の奴、大変凹んでおります。
そのとき。
私はその一瞬の隙を見つけた。チャンスを逃すわけにはいかない。
勢いをつけ、その反動で椅子ごと立ち上がる。ウェーイ!私すげぇ!←
あいつらに背中ごとアタック!つまり椅子の脚で彼らに私のすんばらしい椅子アタックをプレゼント。価格は本来二百円。
見事にぶっ倒れた緑。お買い上げありがとうございました!
赤色の奴はフラフラしているのでさらに追い討ちをかけてヒップドロップことケツアタック。
プラス百円。ただし今回は無料キャンペーンさ!
うわお。どんだけあいつら頑丈なんだよ。椅子の脚折れとる。
ドアは開いていたので難なく廊下へ…
うわ。ここで何があった。遺体だらけじゃねぇか。
ここがあいつらのアジトだとすると、
『敵が攻め込んで来たあと。。。』
あ!窓が割れております!
私は割れたガラスを使い、拘束していたロープを切る。
イェーイ自由だ~。
「君、なにやってんの…?」
紫……
あ、まずい。フラグ立てたわ。
死亡フラグ。
彼が口を開く。
「僕の親友は?」
親友?
『え?緑と赤?』
「そう」
あ、あいつら親友か。
『倒してきた。』
私が答えると
「は!?」
『え?』
いや、うん、私だって倒せるとは思ってなかったよ?ただし、自分が強いという自覚はある。
実は昔、私はなんでも屋をしていた。そのときのあだ名は『紅狐』
だから、結構強い。それなりに武器も使える。
「じゃ、ここは通さない。」
あ、これ、戦いたくてうずうずしてる目だ。
『あ、うん。通るよ。』
「えっ?」
ガッ。
一瞬で倒しといた。
『んじゃ、またね。』
なんなくアジトから脱出。
家に着く。
でも、あいつら、本気出してなかったな。
そう思った。
【暁ファミリー】
強いファミリーランキング1位。
その日は、夜遅くまでゲームをやりまくった。
今気付いたけど、寝不足で睡眠薬が効きやすくなっただけだったようだ。
寝てれば、逃げられたかもしれない。なんてこった!オーマイガー!!
――――――
「おとなしくしないとこの男を殺すぞ!」
知らない男が私の首にナイフを突きつける。
『え、いや、はい?』
マフィアとは簡単に言えば暴力団、犯罪組織のこと。
そのマフィアの組織はボスを中心にしたグループを作り、【○○ファミリー】と言うグループ名をつける。
んで、今回私が絡んでしまったのは…【暁ファミリー】。
強いファミリーランキング1位だよー(棒)
うふふふふふ。
もう喧嘩はしないって決めたのにな~。
昔は私もファミリーに入ってたけどね。
今はハッカーの仕事をしてる。趣味で。まあ、もう何億円も手に入って遊びしかやってない。
はい。ニートです。
なんですか。文句ありますか。
で、あいつらから逃げ、次の日、裏路地を通ったんだ。
で、この状況さ☆
そう。知らない男に首にナイフを突きつけられているこの状況さ☆
ようするに、人質でーすっ!!(きゃぴるんっ♡)
…死ね。
え?なに!?こいつも私のこと男だと思ってるし!!!
はっはっはー!
…そんなに女子力ねぇかな~?
まあ、私は今、後ろから知らない男に抱きつかれ、ナイフを突きつけられている。
まあ、いいや。
。。。いや、よくねぇ!!よくねぇよ!!!(泣)
今はサラシ付けてるから胸は触られてないけど。
※ サラシ…胸の膨らみを押さえつける包帯のようなもので和服や男装に用いられる。
胸触られたら?殺すに決まってる(血眼)
で、しかも、目の前にいる奴!
私を人質に取られてる奴!!!
が!
あいつらのうちの一人!!!青い奴ううううう!!!
ちなみにあいつの呼び名は『ミハナダ』
ってしかも余裕でボコられとるううううう!!!えええええ!?
「悪い…関係ないのに…」
え。
青いのめっさいい奴ううううう!!!いい奴やん!!!
バタ…
倒れちゃったよ!
青いの!!!
え!?助けて!?
私はもう喧嘩したくないんだよ!?
「おい…」
『はいいいい↑↑↑』
「ごめんな。」
は?
私がポカンとしていると
「怖かったよな…」
え。いい奴やん。こっちもかよ。
もう一度言う。いい奴やん。
「おねがいがある。」
『な、なんだ?』
「おれ達、【花芽ファミリー】って言うんだ。」
『あ、はい』
「俺達のボスは…もういないんだ。」
『…ハイ』
やな予感。
「明日、俺達、【暁ファミリー】と戦うんだ。」
ヤバイヤバーい。
『…ハイ』
「そこでおねがいがある!!」
断る。と言いたい
『…ハイ』
「明日、俺達のボスの代わりになってくれ!!!」
『…ハiってエエエエエエエ!?』
結局やることになった。
え?なんでって?
…アイスにつられた。
―――――
『えっと?俺はなにすれば?』
「ああ、ここにいて。」
真っ白な部屋に立たされた。
『え。いや、【暁ファミリー】にあんた達殺られたら俺どうすんだよ?』
ながい沈黙。
やな予感しかしねえ。
「…そこはよろしく…」
『オーマイガー!!!』
なんてひとまかせなっ!?
『ちょ、せめて武器を!!!』
「あ、そっか!」
男は銀色の物体を俺に投げよこした。
…ゴトン。
『は?』
「じゃ、よろしく!【ボス】!」
バタン
『え、ちょ、待っ!!』
男が私に投げよこした武器。それは…
『金属バットォォォォォオオオ!?』
なんでやねん!!!
なんで金属バットやねん!!!
せめてナイフゥゥゥゥゥウ!!
ナイフプリィィィイズ!?
私の悲しすぎるおたけびは真っ白な部屋の壁に吸収されていった。
『なんてこった…』
まぁ、負けることは無いけどね。
私、強いから。
ん?今私少しナルシストだったね。
まあいいや。
もうすぐであいつら、【暁ファミリー】が攻めてくる時間だ。
今、夜の7時59分。
あと
3秒、2秒、1秒
『zero❤』
ダァァァァァアンッ!!!
おぉ、やべぇ。
この音はバズーカで壁を突き破った音だな。
「うわあああああ?!」
バンッ
「助けっ!?」
ダンッ!
…壁際にいた人、御愁傷様。アーメン。
ズダダダダダダダダッ
連射っすか。
あれだな。
…マシンガン
『そう、machine-gun』
あ、んなことどうでもいいね。うん。
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!ウェーイ!!」
でたよー。キチガイ。なんだよしかも、【ウェーイ】って…
…キモいよ?
そんなことを考えているとドアが開いた。
「失礼しま~す。」
青の奴礼儀よすぎ!!!
「ちょ、なぜ!?」
さすがツッコミドリ!!!
『ようこそ!!!』
盛大に迎え入れる。
ああ、今、私いい人だ。
「「「「「はぁあああああ?!」」」」」
まぁ、そうだろうね。
「なんでお前が!?」
と、赤。
「え…お前…人質じゃ…」
ショックだな。青
うん。人質よ?
…一応。
「どうりであんなことができたわけか…」
ん?ああ、ヒップドロップのこと?
いや!ボスでもしねえよ!?ツッコミドリ!!!
「殺す。」
ぁーーごめんなさい。
1秒で倒してすみませんでした。
「凄いね~!」
ん?なにが?!ねぇ!黄色さん?!
「お前がボスか?」
『ハイ、一応』
「でも写真と違うよ?」
『あーそれはですね。前のボス、死にました』
「は?」
「つまり、今のボスはお前と…」
『そうっすね』
ふっ、騙されやす…チョロいな。
と、思ってると蹴りが降ってきた。
私はその足をとっさに掴んで壁にぶん投げた。
ドンガラガッシャーン
「「「「「は?」」」」」
あ、ヤバーい。赤の奴投げちゃったわー。
―――――
あ、ヤバーい。
私は赤色の奴を壁にふっとばしていた。
赤色は凄い顔してた。
「大丈夫か!?シン!」
赤色が駆けつける。
赤色の奴の名前は「シンシュ」。
略して「シン」。
起き上がるとシンシュは一言。
「Fooooo!やっべ、久しぶりに楽しめそうだ!!!」
やっぱりキチガイだ。
私達は戦闘体型に入った。
〔ミハナダ目線〕
ん?
俺、倒れてる?
あ、そうか。
俺達、春猫に負けた。
彼の動きは繊細で…美しかった。
〔春猫目線〕
あぁ、勝ってしまった。
なんてこった。パンナコッタ。
目の前にはあいつらが倒れてる。
赤色…シンシュは
床と『こんにちは』してる。
つまり、うつ伏せに倒れてて、
青、ミハナダは
仰向けに倒れ、胸の前で手を組んでいる。
…葬式かよ!?
ツッコミd…じゃない
緑…アオバさんは
顔が血だらけ。
鼻血出して倒れてる。
黄色…タイガは
顔面が壁に埋まってますよ。
私が突っ込んだ。
ごめん。タイガさん。
そして、紫…シドさんは
顔面蒼白で頭から血を流している。
『手当てしないとやばいな』
私はそう言い部屋を出た。
廊下を歩く音が響く。
そういえば、どういう風に戦ったっけ?
―――――
確か、こう。
赤色がまた私の方に走って来る。
あいつが持ってるのは、
投げナイフ。
ヒュン。
私はナイフを避ける。
「避けた…」
紫がそう言っていた。
ドゴォ。
『?!』
拳が飛んできて、
横の壁が歪んだ。
『ワォ!避けれなかったら骨バッキバキになるね!』
しばらく避けていると、
「避けることしかできないのか?」
と言われてムカついたので
私の、『必☆殺!かかと落とし☆』をして差し上げた。
当たったのがうなじだったのでバタンと倒れた。
ふと、足元に線が見えたのでそれを避ける。
ワイヤーか。
そして、ワイヤー使いさんは、
『ツッコミドリ…』
「いや待って!!?シリアス感半端ないシーンにそれで呼ばないで!?」
『華麗なツッコミありがとうございます。』
ヒュン。
ダン。
「いやなにが!?」
『的確なツッコミあざまーす。』
「なんで!?一回目は『ありがとうございます』で2回目『あざまーす』なの!?」
ツッコミをしながら攻撃をしてくるツッコミドリは凄い。
『そぉーれ!』
顔面に拳をヒットさせ、私の勝ち。
ふと、頭上にやばい物が見えた。
鉄パイプだ!
私は
『テッテレェ~ン!金属バットぉ~~!』
と言い、金属バットで鉄パイプを受けとめた。
「あー!ドラえ●んじゃん!」
うん、そうだね。
鉄パイプの持ち主はタイガだ。
「君強いね~!」
『あんたもな。』
「えへへ~!ありがとぉ~!」
あ、可愛い。弟にしたい。←
と、思ったけど、
数秒後、殺されそうになったので、
壁に顔面埋めといた。
紫はスナイパーらしいが、足技がエグイ。
背後に回り、手刀をうなじに。
なんなくクリア。
最後、赤色。
私はふざけてバットをあいつに投げて
『波動拳!!!!』
と叫んだ。
赤色はめっちゃ笑っていた。
そのあと
ちょっとだけ死にかけたので
隙をついて、あいつの目にトウガラシスプレーをかけてやった。
するとそいつは
「目がぁぁぁぁぁあ!!!目がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
と
叫ぶ。
とりあえず私は
『バルス!!!』
と叫んで、回し蹴り。
あいつのお腹にミラクルヒット!
「youWin…」
そう言いながらあいつは倒れた。
――――
そんなことを思い出していると、救急箱を見つけたので、それを手に取ってもとの部屋に戻る。そう、今は赤色のあの部屋に。
ドアを開くとさっきと同じようにあいつらは倒れていた。
救急箱を開く。
まずは赤…シンシュさんだ。
彼は床と『こんにちわ』してたので、仰向けに直した。
私ってえらいね。←
包帯を適当な長さにカットし、止血をして、腕と足に包帯を巻いた。
次は青…ミハナダさん。
こいつはアゴの下をすりむいているので絆創膏を貼って、私の『必☆殺!かかと落とし☆』をくらったのでできたアザにシップを貼った。本当に申し訳ない。
その次はツッコm((
緑。アオバさんだ。
とりあえず、鼻血がやばすぎて、貧血を起こすレベルに達するので、ティッシュを鼻に突っ込んだ。そして、壁に寄りかからせ、下を向かせる。上を向いていると、血がのどまで来てしまうかもしれないからだ。覚えておいた方がいいぞ。
そしてその次は黄色。タイガさんだ。
顔が壁に埋まっているので引っ張り出す。打撲がひどいため体じゅうにシップを貼った。
ほら、あらゆる所にシップシップシップシップシップシップシップシップシッp((ry
なんか、他の奴より幼い性格だったな・・・。よし、決めた。こいつのあだ名は
『成人ショタ』だ!!!←
そして最後は紫。シドさん。
こいつのスナイパー技術は半端ない。ちょっと感動した。
こいつはちょーーっと頭からの出血がやばいので、頭に包帯を。
実のこと言うと私も手から血が流れていたので、包帯を巻いた。
さすがに刃物を素手で掴んだら危ないな。
『久しぶりに戦ったなぁ~~~~~~。』
私はそう言いながら壁にもたれた。
〔アオバside〕←目線ッて意味よ。
体じゅうが痛い。動かない。特に鼻が痛い。
「うっ…」
体を動かそうとすると全身に痛みがはしる。
あれ?春猫は?
目をうっすらと開く。
「!?」
目の前には仲間がぶっ倒れていた。
助けないと。
そう思ったけど体が動かせない。
ああ、僕って本当役立たずだ。
ん?
よく見てみると、皆の体には、手当てがしてあった。
誰かが起きているのか?
赤、青、黄、紫…そして、僕。
色を数えても全員倒れていた。
じゃあ、誰が?
少し首を動かす。
そして、僕の目に見えたのは…
{春猫}。
春猫はほとんど怪我をしていない様子だった。
嘘だろ?
僕達が負けた?
一瞬夢かと思った。しかし、全身の痛みでそれは現実だとわかる。
僕達が負けるなんて。
それも1人の男に。←(暁ファミリーは春猫が女だと知らない)
『あれ?起きてる?』
春猫に話しかけられた。起きていたら殺されそうなので黙っておいた。
『・・・な訳ないか。』
そう言いながら春猫は僕の前でしゃがみこんだ。
『俺さー』
起きていないふりしてるのに話しかけてくる。
もしかしたら、ばれてるのかも。
ヒヤヒヤした。しかし、その感情はあっという間に消え去った。
『俺、ボスじゃないんだよねー。』
は!?
「どう言う意m・・・あ。」
起きてるのがばれた。殺られるかも。
しかし、春猫は違う反応をした。
『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!?』
「!?」
春猫は驚いて飛び退いた。しかもバク転で。
なにこれ←
『聞いてたのぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!?」
「はいぃぃぃぃぃぃいい!」
『うそぉぉぉぉぉぉぉぉぉお?!』
「本当ぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」
「そーなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!?」
シーン…
THE☆謎の沈黙☆
なにこれ気まずい。
『つまり、俺が偽ボスだということを…』
「はい、聞きました。」
『Nooooooooooo!!!!!』
春猫は頭を抱えた。
「え、あの」
『ゴメン!』
「え?」
『騙してゴメン!』
春猫いい奴じゃん。
「あ、はぁ……………」
『とりあえず、手当てはしたから…』
「ありがとうございます。」
僕は頭を下げようとしたが痛いので下がらない。
『ちょ、無理すんな?』
そう言った春猫はとても優しく、かっこ良かった。
一瞬、男の僕でも、惚れるかと思った。
大丈夫。僕はホモじゃない。←
『まあ、さよなら』
そう言って、春猫は部屋を立ち去った。
―――
〔暁ファミリーside〕
「ん…」
シドが目を覚ました。
「頭痛い…」
そう呟き、頭に触れる。
「あれ?包帯?」
シドの頭には包帯が巻かれていた。
(…誰がやったんだ?)
「…誰か?」
小さい声を出す。
「本当、僕って役立たずだ…」
と声が聞こえた。
アオバだ。
「アオ、バ?」
シドが声をかけるとアオバは顔を上げた。
「シド?起きたの?」
アオバは鼻栓をしていた。
あ、顔面ヒットされたのか。
「うん、今。って、春猫は?」
シドが返すと、アオバは暗い顔して答えた。
「…僕らを倒して帰ったよ。」
アオバの目には涙が溜まっていた。
悔しかったのだろう。
「そっか…」
しばらくの沈黙が続く。が。
「うおっ!春猫は!?って痛ぁぁぁぁぁぁああ!??」
と、なんとも言えない馬鹿なシンシュのセリフで沈黙は破られた。
「ちょ、動くんじゃねぇぇぇえ!!!」
とアオバがシンシュを抑え込む。
もつれ合う赤と緑。
「クリスマスカラーだね。」
シドがそう言うとシンシュは、
「え。ヤダ。」
そしてアオバは
「クリスマスはリア充が増える。リア充消えろぉぉぉぉぉおお!!!」
また、シンシュは
「リア充消えろ。クリスマス消滅しろ。20歳にクリスマスは要らねえ。」
そして。
「「リア充爆ぜろ。」」
(これは酷い。)
クソ非リアDTの匂いがプンプンするぜ。
「さすが、彼女いない歴=年齢…」
「「んだと!?」」
そしてそのあとはシド、シンシュ、アオバがタイガとミハナダを連れて帰った。
~部屋にて~
「うわ、ひっどい怪我だね。と、言うか春猫って花芽ファミリーだったのか。」
帰ってきたシンシュ達を見たクロムはすごい表情をして言った。
「あぁ。さすが花芽ファミリーってところだな。」
シンシュは鼻の下をかきながら笑った。
それにアオバが反応する。
「いや、実はさぁ・・・」
まゆを下げてアオバは何かを言おうとする。
「・・・どうしたの」
シドが続きを問う。
「あいつ、ボスじゃないかった・・・」
その瞬間皆の顔色がいっきに変わる。
「どういう事だよ。」
シンシュが言う。
こんな表情のシンシュは滅多に見ない。
「なんか、もう花芽ファミリーは消滅してたらしい。」
アオバはシンシュに答える。
「ってことは、春猫は?」
クロムが口を挟む。
読心術が少し使えるアオバは春猫の表情、喋りからすると、
「赤の他人の可能性が高い。」
「マジか。」
「よし。仲間にしに行こう!」
シンシュはまた馬鹿に戻る。
「そういうのがモテない。」
シドに言われて
「あ"?」
あ、コワイ。
「じゃあ、なんか買ってくるわー。」
クロムが席を外す。
「おい!ハッキングは!?」
アオバが言うと、
「めんどいから後でねー。」
と、言い、行ってしまった。