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サボテンとクリームコロッケ -二重らせん-  作者: 十七夜
9:寮生活/プロ二年目夏
42/60

下ネタ注意

「逆に、女の子がいじめられてるっぽいのは嫌いみたい。だから、充が借りてきたときは、マコは誘わないことにしてる」

「……マコは誘うのに、俺は誘ってくれないんだ?」

「え! 優児もAVなんて見るの?」

「見ないけど。みんなで見るなら、楽しそうかなーと」

「マジ? 優児って、けっこう寮にいないし。なんか、外にべつに部屋を持ってて、女を囲ってるとか、囲われてるとか噂が──」

「囲ってないって。部屋はあるけど、アニキたちが住んでたところを譲ってもらっただけ」

「あー、曽根兄弟のか。おまえ、かわいがられてたもんなー。ちなみに、鑑賞会って、ただ見てるだけじゃなくて、立っちゃったらセルフで抜くんだよ? それでも来たい?」

「え……そうなの?」

「だってAVだもん。とーぜん。だから、どんなのが好みとか、バレバレになるよ? あと、早いのもバレちゃう。俺たちは中学のときから下ネタ全開だし、もうぜーんぜん気にしてないけどね」

「──マコもやるの?」

「うん、マコだけはこっそりね。俺たちの中では、貴重な清純派。大抵はただ見てるだけだけど、美人がもだえてたりするとつい興奮しちゃうみたい。ちなみにマコのアレ、見たことある?」


汁物をすする手を、赤間はおもわず止めた。

まったく、飯時にする話ではないな、とおもう。


「ない。潤は見た?」

「だって興味あるだろ。ちら見したんだけどさー、参りましたってかんじ。あとは、察して?」

「……おっきいんだ?」


答えてはくれないが、潤はにこにこしている。


「じゃあ、彼女と続かないのはそれが原因かもね」

「え? なんで?」

「AVじゃ、恋人とのセックスの参考になんてならないし、相手が慣れてないと、嫌われるようなことしかしないんじゃないの。しょせん、抜く用、だろ。女の子がして欲しいことなんて、AV見てたってわかるはずないよ」

「がーん……がーん。俺、前に、すっげーかわいい子とつき合ってたんだけど、エッチしたら疎遠になって、けっきょく別れたんだ。大して良くもなかったしまあいいかーっておもってたけど……俺が原因?」

「セックスは男がリードするものだ、という前提で言うなら、イエスだろうね」

「た……頼んます、優児! どうしたらいいか、おしえて。ほんとうに好きな子とつき合って失敗する前に。おねがいします。一生のおねがい!」


両手を合わせて拝まれる。

赤間はそっぽを向いた。


「嫌だ」

「なんでー」

「だって、おしえたら、マコにもおしえるだろ」

「え。マコにおしえちゃダメなの? 何で?」

「…………まあ、マコにおしえたところで、潤とちがって実践できるかはあやしいけど」

「──よし、わかった。マコに、相談されないかぎり、自分からは言わない。それなら、おしえてくれる?」

「……ひとつ目、ほんとうに好きな子と、つき合うこと」

「待って、メモるから」

「メモるほどのことじゃないって。ふたつ目、イヤなことは決してしませんと誓うこと」

「え。誓うの?」

「誓えるだろ。好きな子に、嫌がることしたい?」

「い、いや……したくないけどさ」

「で、みっつ目。十秒おきくらいに、これはいい? 嫌?って、意思確認すること。これならほぼ失敗はない。もし、ちょっとくらい意に沿わないことをしちゃっても、彼女は潤の愛情を疑わないとおもうよ」

「はー……なるほど。そんなかんたんなことでいいんだ?」

「セックスの極意はオーダーメイドだから。しかも、ひとりひとり、じゃない。そのとき、そのときの、だ。日に寄ってもちがうから、油断しないで」

「おおー、マジで極意っぽい。それ実践したら、俺、優児みたいにモテる?」

「言っただろ。ほんとうに好きな子とつき合えって! 一方的にホレられて子どもできたから結婚して、とか迫られたくなかったら、好きでもない女にはやるなよ」

「ううっ、そうか、なるほど。先生の言うとおりにします」


しおしおと潤がうなずく。

赤間は、ごちそうさま、と箸を置いた。



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