表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サボテンとクリームコロッケ -二重らせん-  作者: 十七夜
7:プロという夢/数日後
33/60

タイムアップまで

潤:苗字はないな(爆) 江野と赤間の中学時代からのチームメイト。

「マコには辛いのはわかるよ。でも、先に進んで。どんな形でも、ほんとうは構わないんだろ? かっこ悪くても、マコはタイムアップまで足掻いて、結果をもぎ取ろうとするはずだよ」

「おまえは、……なんで────」

「なんで、マコにだけ、手を差し伸べるのかって? それはね、マコだけが、それに値するからだよ。一方的に頼り、期待するような関係を仲間とは呼ばない──そう自分に戒めて、俺にも仲間として接してくれたのは、マコだけだ」

「……でも、──俺は」

「いいんだよ。俺は、キャプテンを助けるのが役目の、副キャプテンだからね。最後まで、マコを助けるよ。……まだ諦めないで。時間はある。俺がついてるから」


手の下で、こく、と後頭部がうなずきを返す。

赤間は、ほっとした。

江野に言ったことは、嘘ではない。

いかな赤間だろうと、諦めてしまった江野を救うことはできないのだ。


「俺、トップチームの試合に出てて、わかった。プロでも、ほんとうに強いチーム以外は、やってるのは案外、ミスの応酬だ。だから、そこをフォローに走るマコには、ちゃんと生きる道がある。それ以上のことは、追々身につければいいよ。マコは歩みを止めないから、大丈夫。どこまでも、一歩ずつ昇って行ける」

「振り返るなとか、俺には言っておいて……」

「ふふっ。俺を誰だとおもってるの。うしろ向きだろうが、昼寝しながらだろうが、行きたい場所があるならちゃんと行くよ。行けるに決まってるからね」


江野が、顔を上げた。


「曽根さんたちといっしょに、代表にもか?」

「代表かー。あんまり興味ないな。でも、アニキたちといっしょなら、海外旅行も楽しいかも」

「かっ、海外旅行じゃなくて、海外遠征だ!」


むきになった江野に、体を押しやられる。

赤間は、逃げた体温をいっしゅん目を閉じて惜しんだ。


「ちなみに。マコは、観光地に行くのと南の島でバカンス、どっちが好み? ──へー、バカンスか。ちょっと意外」

「心を読むなっ!」

「マコの表情は読みやすいから。ごめん。でも、いつか、オフに行こうね。マコと行くなら、別荘買えるくらいに稼ぐのも、悪くないかも」


何か言いたそうな顔をしたが、江野は何も言わなかった。

マコー、といずこからか呼ぶ声がする。

振り返れば、駅の方向から携帯を手に走ってくるチームメイトの姿があった。


「見て、見て、マコと優児のラブシーンの激写!」

「潤、おまえな! 今すぐ消せ」

「えー、せっかくネタにしようと撮ったのにー」

「その写メ、俺に送って」


言ったら、ごん、と江野に殴られてしまう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ