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サボテンとクリームコロッケ -二重らせん-  作者: 十七夜
6:三角関係/高3秋
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彼女──

「やられるのは苦手って、そのときに味わった恥ずかしさのトラウマなんじゃない? 大樹が俺くらいの年のころの話?」

「…………そ……そうかも」

「あはは。だから、優児にやられるの、あんな嫌がってたんだ? 気分だけ、童貞時代に戻ってたわけだ? そりゃ、死ぬほど恥ずかしいよなー。すっかりセックスなんて慣れてるとおもってたのに、反応が童貞状態なんて、そら焦る!」


けらけらと大樹がベッドで笑い転げる。

手にしていた本を、一樹が投げつけた。


「うるさい。おまえ、犯されたいのか。優児の下でひーひー言わされてるのは自分だっておんなじだろ!」

「──一樹」


大樹の脇腹に直撃した本を、赤間は取り上げた。


「抱く気があるなら、俺にして」

「大樹とやったんじゃ、足りないのか?」

「うん……ダメ?」

「一樹のセックスの方がねちっこいもんなー。愛されてるかんじがするんだろ、そっちの方が」


くしゃ、と一樹が髪を掻く。


「ダメじゃねーけど。おまえまだ、いちおう高校生なんだよな……」

「少年、ってガタイじゃねーじゃん、こいつ。ほぼ成熟してるし。やりたい盛りだもんな? 好きな相手のことはずーっとガマンしてるんだぜ。かわいそうだろ」


一樹は、くしゃくしゃと髪を掻いてから、のそりと椅子から起きあがった。

と、デスクの上で小さなライトが点滅し、振動が起こる。


「優児の携帯だ」

「電話? 誰?」

「……古賀、礼」

「礼か。なんだろ。取ってくれる?」


赤間がベッドの縁から足を下ろすと、一樹が携帯電話を手渡してくれた。

立ち上がり、窓際に行く。


「もしもし、礼?」


電話の向こうからは、細い謝罪の声が返った。


「いいよ。どうしたの? ……え? ────彼女?」


窓に映った大樹と一樹が、顔を見合わせている。

赤間は、息を吸った。


「ううん、おしえてくれて、ありがと。本人に訊いてみる。まあ、俺には関係ないって言いそうだけどね」


笑って、二言、三言交わした後、電話を切った。

振り返れば、双子はめずらしくそっくりなまなざしを向けてくる。


「優児」

「どうかしたか?」


問いに、微笑を返した。

大股でベッドに歩み寄り、立っていた一樹の体をベッドの上に押し倒す。


「おい?」

「ごめん、一樹。やっぱり、抱くほうがいいな」


ぎょっとした視線が返る。

けれど、苦い顔をしながら、一樹は自分の手で、シャツのボタンを外しにかかった。


「優児。入れるのは、勘弁してくれ」

「うん、大丈夫。でも、いっしょにイッてね」

「……アレでか?」

「うん、アレで。大樹は先にイッちゃうから、やってもつまらないんだ」

「わーるかったな! んじゃー、ベッドはトレードするか。俺は向こうで寝るよ」

「見てないの?」

「おまえに嫉妬しちまいそうだからなー。やられてる一樹は無駄に色っぽいから、俺まで抱きたくなる。だから、遠慮しとく」


ひらひらと手を振って、大樹はベッドを降りた。



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