双子の部屋
「優児ってさ。見かけ、ばりばりの攻なのに、受やってるときの方が素っぽいよなー」
「素っぽいって何?」
頬ずりしてくる大樹に、赤間は聞き返した。
「マコってやつのこと抱きたいって言うけど。ほんとうは、抱かれたいんじゃねーの────って、おわ!」
急に起きあがった赤間にベッドに仰向けに抑え込まれた大樹が、目を見開く。
自分の失言を悟ったにちがいない。
「自分だって、やってるときより、やられてるときの方が感じてるよ」
「そんなにらむなよー。だーって、きもちいーんだもん。しゃーねーだろ。な、一樹?」
寝椅子にゆったりと座って本を見ていた一樹が、ちら、とこちらを向く。
「俺は、やられるのは苦手だ。とくに、優児にやられるのは、恥ずかしくて死にそうだった。二度と、勘弁して欲しい」
「二度とも何も、入れさせてくれなかったくせに」
「おまえはな。あんなふうに触れる相手は、ひとりだけにしとけ」
「それって、俺に一生、誰も抱くなって言ってんの?」
「シャレにならないって言ってんの。大樹のことも、あんまりハメるなよ。そのうち、男と結婚するとか言いだす」
「……一樹は、すこしマコに似てる」
「は──?」
ぱたん、と一樹の手の中で本が閉じた。
「マコも、ただきもち良くなるなんて言語道断ってタイプ。よろこびを味わうには努力が必要って信じ込んでるからね。だからきっと、大樹みたいに、じっとしててきもちよくしてもらえる方がいいやとか、考えないんだろうなー」
「楽したがってるみたいに言うな。おまえが、二度も三度もぶっつづけでイかせるのが悪いんだろ。何なんだあれ? 仙術かなんか?」
「大樹はイキやすいんだよ。頭で、射精しなきゃって考えてるとあんなふうにはイけないんだ。きもち良さに身を任せてたら、楽に、男だってイキまくれる」
一樹が物言いたげな顔をする。
赤間は苦笑を返した。
「俺がハメてるんじゃなくて、大樹の体の方が追求したがってるんだよ。そっちに行けば自分の欲しいものがあるって感じてるんだ」
「俺、女の子の体もやわらかくて好きだったんだけどなー。もうあんま、興味ねーや。一樹、ごめん」
「……言っとくけど、おまえは昔から、女とつき合ってようが、俺を裸にむいて触りまくってたぞ」
「そういやそうかも。一樹はいつまでも童貞でさ。俺に抵抗しながらもあそこ硬くすんのが、めちゃくちゃかわいくってー」
間接照明の下で、一樹が顔を赤くする。




