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ある日、俺は軽い気持ちで何かと契約してしまいました…………(-_-)/  作者: ハイレン・ガーシュエシオン
とある説では、彼は兵器開発者だったと言われている
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まさか、魔法じゃないのか

204/10/07 投稿

 ある祭りの日の昼過ぎ。グラウンドには、日常に触れることのない魔法使いという者が対峙していた。

「見物客増えてないか」

 極希少な存在である魔法は、密かに歴史の裏で受け継がれてきたらしい。

「魔法が珍しいんだね。使う前に終わりそうだけど」

「随分と余裕だな、お前」

 非日常的だと思ったいた事実は、突然に覆り、そして忘れられる。なんせ漫画のように変な模様が出たりしないので、見た目には案外地味である。動画を取っても、所詮は合成だと言われて終わりだ。

「祐希が本気でやるなら、私も全力になるだけだよ」

 実は試合はもう始まっている。しかし彼女がタイミングを俺に任せるというから、準備時間を貰っているのだ。戦わなくても戦力差にすれば、天と地ほどの差がある。これをどこまで魔法でカバーできるかが勝負だ。

 起動式を頭に思い浮かべる。愛崎に小細工は通じないだろう。身体強化と、ハルートとマルートの強度を強化する。

「行くぞ、愛崎ぃ!」

 前に屈んで地面を蹴って飛び出す。常人ならその早さを目に捉えること、それさえも難しいだろう。身体を強化した俺でさえも、自分の動きの早さを正確に認識できなかった。右ストレートに始まり、蹴りも加えて連撃。

「魔法の力があったら、やっぱり面白いね」

 全て受け流してさらりと、楽しそうに彼女は言う。その刹那、彼女が加速したように感じた。重い一撃を両手で受け止めるが、大きく後方に吹き飛ばされる。

「すっげぇ痛い」

 自分の腕を目の前から退けてみると、物凄い早さで走る愛崎礼音。即座にハルートとマルートで何発も撃つ。小さな魔法の爆発が起こるが、彼女は直撃コースの弾も避けることなく、手で払い除ける。待てども、そのスピードは衰えない。

「まさか、魔法じゃないのか」

 魔法で身体能力を強化しているなら、少なからず魔法妨害効果のあるハルートとマルートの影響を受けるはずだ。

「もう諦めてもいいよ」

 魔法で強化された俺と、愛崎礼音の身体能力はほぼ互角。魔法技能はいざ知らず、最早ただの喧嘩状態である。

「今度は、倒れないから安心しろ」

 彼女と格闘戦を繰り広げながら、頭に魔法の起動式を思い浮かべる。夏休みに創った魔法を使う。

「無き者を去け、シャルード」

「え?」

 素っ頓狂な顔をする愛崎礼音。彼女のものでない影が、無数の蛇の形に変わって彼女に襲いかかる。が、彼女から発せられた謎の風に、影は一瞬の間に消え失せる。

「これが例のやつか」

 折角使った魔法が、全て元から破壊されるのがわかる。エスケープオブウィムプ。全ての魔法を破壊する効力もつ特殊な魔法。

「魔法の起動の遅さ、声でカバーしたんだね。……危なかったよ」

 彼女に構わず、魔法を使う。ハルートに電気エネルギーを集める。元の形と同じ空間を電気質量で満たし、電磁加速砲の応用で放つ。音速を超えているはずの弾を、ギリギリ軽い動作で避けられるが、そのお陰で弾の軌道上に用意したマルートのマガジンに命中し、大爆発を起こす。

「うわ」

 舞い上がる砂埃と共に気を失った彼女を見て、もしかしてやりすぎたのではと思った。しかし見たところ外傷はなく、何人が駆け寄って来た時には、何でもなかったかのように起き上がっていた。

 いや、お前ほんとに人間なのかよ……

次から新章ですわい。。・・

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