嵐の狩り
「今日で最後か・・・」
ふと呟いた剣狼の方を向いたら少し寂しげだった。
「別に明日から正式版じゃねぇか。」
「いや…この武器達やスキルもまた集め直しかと思うとな」
「そいやお前のはボスのLAボーナス素材を使ったんだっけ?」
「あぁ。だから少し名残惜しくてな」
研二はあまり物に感情移入しないタイプだから
俺は素直に驚いた。
「なんていうか…今まで戦ってきた仲間とはぐれるみたいな気持ちなんだよ。」
俺にはそこまで武器に対して感情移入してないが、気持ちは分かるので少し間を置いて応えた。
「なら今日は思う存分使ってやれ!後腐れなくな!」
そう言うと研二は少し考えた様子だったが、
いつもの剣狼戻った。
「そうだな!今日は暴れるぜぇ!」
その後はあっという間だった。
青猪は突進しかしないので、俺が引きつけてる間に剣狼が|《炎の銃弾》《ファイアバレット》を眉間にぶちこんで1匹目。
次に横に飛びながら杖で足をかけ、こけてる所を|《闇の鎌》《ダークサイズ》で首を刈り取り2匹目。
この間3秒。
「いや~やっぱこの辺りは詠唱短縮魔法のおかげで
意識するだけで攻撃出来る雑魚魔法でもいけるから楽だわ」
「まったくだな。今度話しながら出来るか実験するか?(笑)」
「それ面白そうだな(笑)」
順調にいって一時間で500ほど倒し・・・たかった。
倒したかったというのは、数は多いがリポップが遅いのが特徴で
最高でも200が限界なのだ。
俺たちは3時間ほどで切り上げた。
「今日は助かったわ~明日からまた初期装備で頑張れよ」
「お前こそ死に戻りするなよな~」
左手の人差し指と中指を立てて、下に振り下ろす。そーすると本人にしか見えない透明の窓が現れる。
何か操作するような動作をして、身体が光に包まれ消えていった。




