進学早々遅刻とか成績がヤヴァイ
バス停について体感的に5分位できたバスに乗り込んだ俺たちは車内で思わぬ人と合流していた。
「なんで如月がいるの?!」
「なに、私がいたら何か都合が悪いのかしら?後呼び方」
「いや、悪くないが...転校生が遅刻とかヤバくね?」
「まだ街に慣れてないんだから仕方ないじゃない」
そう、なんと渚がいたのだ。俺だったら転校し始めに遅刻なんかしたくない。不良に思われて友達出来なくなったら病むわ。お兄さん豆腐メンタルなんで。
「ところでそちらのお嬢さんは?」
「あぁ、紹介がまだだったな。こいつは妹の焔だ」
「よ、よろしくお願いします」
「焔、こいつは転校生の如月渚だ」
「はじめまして、焔さん」
「あ、そうだ焔。渚も《ゲーマー部》に入るからよろしくな」
「あ、そうなんですか。これからよろしくお願いしますね」
「こちらこそお願いするわ」
軽い自己紹介の後、俺達は遅刻ギリギリな現状を忘れて世間話にふけった。
そして、時は訪れた。
「次のバス停で降りるから皆走る用意しとくぞ」
「ちなみに降りてから何分余裕あるか分かるかしら凱旋騎君?」
「名字で呼ぶのはやめてくれ、恥ずかしいから。あと、時間に関しては3分あったらいいほうだ」
「じゃ十六夜君て呼ぶわ。それにしても3分か...」
「一年生の私は2階だからそこまで遠くないけど二年生は三階だもんね」
「とにかくドアが開いた瞬間走るぞ、下駄箱への道は覚えてるよな?」
「一応は」「覚えたよ!」
「よし、それじゃGO!!」
バスを飛び出すと同時に一斉に走り出した俺達は門をくぐり、校庭を走り抜け、下駄箱になだれ込み、靴を履き替え、教室に向かった。
チャイムの音は聞こえない。周りに生徒もいない。間に合ったと確信した俺は教室に突撃した。
「ギリギリセー「フじゃねぇよ」
「ギャフン!」
教室に入った瞬間に担任の先生から名簿帳で叩かれてそのまま吹っ飛んだ。先生名簿帳はそんな強くないと思います。
「如月も凱旋騎も四月の上旬から遅刻とはいい度胸だな、その度胸に免じて今回だけ許してやろう」
「助かります、まだ道に不慣れでしたので」
「そうだよ先生!如月さんは後数日くらいは仕方ないと思うな!」
「じゃ如月の分の罰をお前にくれてやろう」
「そ、そんな殺生な〜」
「はい、いいから席につけ。出席の続き取るぞ」
許すとか言っていたのに俺達はしっかり遅刻と書かれてしまった。やはり仕事は仕事か。




