せっせと探索
さて、外野は放っておいてとりあえずこのローブは保留。
見にくいマップとにらめっこしつつ下の階を目指す。後はもう一カ所に絞れているので、そこまで最短ルートで行く…方向音痴がそう簡単に行けるはずもなく、案の定迷って30分ほど時間取られました。ヤバいそろそろ夕飯を作らねばならない時間が迫っている。
階段があると思われる所に着くと確かに階段はあった。階段の手前にドデカいゴブリンがいることを除いて。
いや、Mobの名前が《ファイアオーク》とあるので、ゴブリンの上級種のオークらしい。ファイアだから火魔法に耐性ありかな。あ、だからさっきのローブ火耐性あったのか。
そんな事を想いふけっていたら、オーク叫びながら右手に持った棍棒を振り下ろそうとして我に返った。
『氷壁!!』
氷の壁を造りながら左に跳ぶ。氷で動きを鈍らしたが、それを感じさせない程の速度があった。
『電流!!』
砕けた氷を利用して、相手をいつものように感電させる。だが、敵のHPは3,4ドットほどしか減っていない。一人で倒せなくもないが、少々危うい所だ。仕方ない、あの技を出すか。
『|《水の弾丸》《ウォーターバレット》!!』
水魔法がLv2になったことで覚えた技で、水を凝縮して、高密度の塊を飛ばす技だ。しかし慣れない技で照準がズレて、太ももを掠っただけだった。それでもさっきの1.5倍ほど減ったから驚きである。
『ウォォォォォ!!!』
オークは傷をつけられたことに激怒したらしく、棍棒をめちゃくちゃに振り回してきた。
『ちょっおまっ危ないって』
ギリギリの所を掠りながら避けつつ、隙をみて、攻撃を挟んでいく。
オークの振り下ろし攻撃を避けて、背後から攻撃しようとしたら、地面に当たった棍棒から衝撃波が出てきた。
『え、地震攻撃ありかよ!?』
この衝撃波に触れてしまうと、転倒状態になってしまい、しばらく身動きが取れなくなってしまうのだ。
運悪く当たってしまい、見事に転んでしまった。こちらに向き直ったオークがゴルフのように俺の腹をぶっ叩いた。
内臓が潰れるかのような音が聞こえたが、痛みはそこまでない。痛みが酷かったらRPG何てやってられないね。
オークがズシズシこちらに歩いて来て、棍棒を振りかぶった。振り下ろす瞬間、オークが笑ったような気がした。
オーク戦初戦、敗北。