転校生と新入部員
俺が教室に来て5分もすると新しい担任が名簿やら色々持ってやって来た。
『は~い席に着け~』
生徒の席に着く音が騒がしい。静かにしてくれよ…テンション低いのに。
『新しい担任の木戸戦士ガ○○ムこと木戸だ。よろしく。』
先生が自己紹介した後、少しばつの悪いような顔をした。
『え~数人は知ってると思うが転校生がこのクラスに来てる』
クラス内が一気にざわついた。そりゃ見知らぬ美女がいて、転校生と来たらもはや驚からずにいられるか。
『如月~ちょっと来てくれ』
如月と呼ばれた赤髪の人が先生に呼ばれ、教壇へと向かってく。
先生からチョークを渡され、黒板に何かを書いていく。おそらく名前だろう。
『如月渚です。よろしくお願いします。』
『転校生が美女とかそれどこのエロゲ』
『お前朝から下ネタ言ってんじゃねぇよ気持ちわかるけど』
『きゃぁぁチョーかわいい~どこから来たの?』
『それより好きな食べ物は?』
『あんたベタだね~』
教室が一気に盛り上がり、もはや手がつけられない。
『はいはい静かにしろ~質問は休み時間にしろ。それじゃ元の席に戻っていいぞ』
俺は教室の真ん中から右よりにいるんだが、如月さんは後ろの席なのだ。
『教科書などは明日配るからもう帰っていいぞ~』
俺はMUTOの正式サービスの為に速攻行こうとしたのに後ろの人を囲む波にのまれて出れない。
『ちょっ?!通してくれ~』
皆通してくれない。どうしよう…そしたら
『おい相棒?MUTOの正式サービスに遅れるぞ~』
『ちょい待ってくれ!』
その時、後ろで何か凄い音がした気がする。気のせいだろうか。
『ねぇあなた達。』
こちらに向けて声がした。
声からしておそらく如月さんだろうか。"達"ということは研二もだろう。何かしでかしただろうか。
『な、何かな如月さん?』
『渚で良いわ。それより今MUTOって言ったわよね?』
周囲ほったらかしで話しかけてきた為、取り囲んでいた皆が呆然としてしまった。
『言ったけどそれが何かな?』
『私もやってるの。今日パーティーを組まない?』
『え?!』
いきなりパーティーに誘われたんだけど?!
慣れてなくて驚いてしまった。
『なんかあの二人仲良さげだぞ』コソコソ
『何かあるのかも知れないぞ』コソコソ
なんか男たちが話しあってるが遠くて聞こえない。嫌な予感しかしないけど。
『べ、別に大丈夫だけど、僕サークル仲間と約束が』
『ならそのサークルに入るわ。問題ないよね?』
『まぁそれなら…』
『決まりね。どこに行けばいい?』
『えっと《ボア平原》への門の下で』
『それじゃ後で』
ボア平原は最初の街から東側にある初心者向けのフィールドだ。
彼女はそれからすぐに去ってしまった。俺も早く行こうとしたら立ちはだかる男子の壁が。
『十六夜~如月さんと何を話してた~』
『全部話すまで帰さないぞ~』
男子が嫉妬の塊で凄いことになっている。
『逃げるが勝ち!研二行くぞ!』
『待ってました!』
『あ、十六夜!逃げるんじゃねぇ!』
30分後、逃げ切るために体力が極限まで無くなった十六夜は帰宅した。
『ただいま~』
『お兄ちゃんおかえり~早くご飯作って~』
今日は両親が仕事を午後からにしてもらって入学式に参加したためもう家にはいない。
こんな時はいつも俺が作る。妹はとてもじゃないが作らせられない。下手だから。
『少し待ってろ。今作るから』
今は10:30なので開始の12:00には余裕である。
冷凍庫からスーパーに売ってるチャーハンを取り出す。
後はフライパンを油を少し引いて温め、中身をドーン!
『はやくぅぅ』
『そう急かすなって』
冷凍が溶けたらソースを足し、さらに炒める。フライ返しも忘れない。そう、かっこつけだ。しかし料理には気持ちが大事なのだ。
最後に塩こしょうで味を整え皿に盛る。
『出来たからとりこ~い』
『え~お兄ちゃん持ってきてよ~』
『仕方ない妹だな…』
二人分の皿を食卓に運び、手を合わせて
『『いただきます!』』
レンゲでよそい、口に運ぶ。うむ、我ながら上手に出来た。冷食だけど。
『相変わらずお兄ちゃんの美味しいね』
『炒めただけだけどな』
『私も練習しないとな~』
『実験台だけは絶対いやだからな?!』
『実験台とは人聞きの悪い!あ、御馳走様~』
『まだ十分しか経ってないのに…』
我が妹はスゴい早食いなのだ。神がかっているほどに。
『あ、お兄ちゃん私も今日から《ゲーマー部》入るからよろしくね』
『お前もかよ…分かったよ。招待メッセージ送っとく。』
今日で部員が二人増えた。
急展開ごめんなさい。頑張ります。