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天使

 Bonds of ten years after【chapter②】天使


 二人が出会って2週間、愛翔あいとは、今日も夕日に照らされながら、空想を楽しみ、あの子を待つ。そう、咲空さくらだ。あれから咲空とは、夕方に何げない話をしながら、でもお互いかれあっているのだろう。この2週間で何度も待ち合わせをするわけでもなく、出会っていた。愛翔は、咲空と一緒にいることが出来たので、とても嬉しい気持ちで毎日を過ごせてはいたが、習慣の空想にふける時、咲空と出会う前から心の中のどこかで悲しみをいだくことがよくあった。


 そんな時、後ろからあの可愛い元気な声が聞こえた。


 「愛翔あいと!」


 振り向くと、夕日の綺麗な光のオレンジ色に照らされて、咲空は、愛翔の顔を一片いっぺんの曇りも無い笑顔で見ていた。彼女は、もしかしたら天国から舞い降りてきた天使なんじゃないかと、空想の中で咲空の背中に綺麗な翼をつけると、少し愛翔は笑ってしまった。


 「何笑ってんのよw」


 「ううん。何でもないよ。ただ、咲空がかわいいなって思ったんだ」


 それを聞いて照れくさそうに咲空は言った。

 「バカだな・・・・」


 かわいい高い声でバカという言葉は嫌に聞こえないのが、咲空の不思議なところ。これが普通の女の子みたいに地声でバカと言われたら、男の心は一瞬で冷めるだろうけどw


 「よし、今日は秋祭り。祭りにいこう。咲空」


 「うん」


 この町では、町興まちおこしの為に、時期をずらせて夏よりも秋の祭りに力を入れていた。二人の出逢いから2週間でこういう行事があるのは、とてもラッキーだ。でも、愛翔あいとには、少し気になっていることがあった。堤防沿いで話している時も愛翔の家で話をする時もそうだ。それは、咲空さくらと二人になると咲空は何故かすぐに落ち着かない様子で、別の何かをしようとする。愛翔といると安心できないのだろうか・・・・・。愛翔も咲空の事を想うと、心が舞い上がり早口にもなってしまう。それが、咲空を次へと動かしてしまうこともわかっていたけど、別の学校に通っている二人の時間は短くて、学校が終わった夕方から夜までのこの数時間しか二人で一緒に過ごせないから、愛翔はこの時間を大切に思っていた。咲空とは別に何もしなくても、ただ一緒にいるだけで、幸せな気持ちになると思っていたのに・・・。

 


 1時間ほど出店をみながら二人で歩いていた時、急に愛翔は咲空の手首をグッとつかみ、出店がある道からすぐ近くの裏道にある誰もいない小さな公園へ咲空を連れて行った。


 「え ?  なに ?!」

 咲空は驚いた顔をしていた。



【chapter②】fin


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