恋
寂しいのです
無力なのです
悲しいのです
何故?、とはどうか聞かないで下さい
惨めですから
つぅん、と胸の奥が痛むのです
一人になると涙がこぼれるのです
一人で駅のホームに立つと寒いのです
風は無情なのです
人間の様に温かくはないのです
私の手を凍えさせはしても
貴方の大きい手の様に
優しく包んではくれないのです
貴方は反対側のホームにいるのです
ただそれだけの事実に、私は悲しいのです
貴方はこっちを向いてはくれないのです
ただそれだけの事実に、私は悲しいのです
貴方に話しかける言葉を私は持たぬのです
ただひたすらに想うことしかできないのです
こんな無力な自分が嫌なのです
電車がホームを通過します
飛び込んでしまおうかと思うのです
どうせ私に、そんなことはできないのです
私の葛藤などお構いなしに
貴方はなにやらベンチに座って
本のページなんかを繰っているのです
ただそれだけの事実に、私は悲しいのです
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