第2章
Can You Love Me Forever?の第2章です。
第2章 新しい街
今日からこの街に引っ越してきた。
おばあちゃんとおじいちゃんの街。
すっごく夕日がきれいだなって思った。
田所友華。
14歳の中学3年生。
将来の夢は保育士になること。
趣味は。。。特にない。
恋もしたことがない。
当然、付き合った人もゼロ。
今日から田舎の中学に転校することになった。
理由は。。。
親と離れて暮らすから。
あたしは親から嫌われてたんだ。
父親も母親も、不倫。
わたしのことなんて知らないふり。
あげくの果てには
「産まなきゃよかった」だの、
「死ねばいいんだよ」とか。
お風呂に沈められそうになったこともある。
包丁が飛んできたことも、暴力なんてあたりまえ。
それでも中学に入るまでは、
いつかきっと分かってくれるだろうって思って我慢してた。
こどものことを嫌いな親なんていないって習ったし
いいこにしてれば、優しくしてくれるんじゃないかって。
でも、甘かった。
わたし的には早く離婚してほしかった。
でも、めんどくさいからのひとことで
親もお互い口もきかなかかったし、
家に不倫相手を連れて来たりもしてた。
中学に入ると、わたしは
現実を見つめ、親に反抗するようになった。
それまでずっと耐えていた暴力も
殴られれば殴り返し、
汚い言葉をはきまくって、反抗した。
そのために女子ひとり、強くなるために
柔道部なんてものにも入った。
学校に本当の友達なんていなくて
1人ですごすことも多かった。
暗いコ。
ってイメージがあったんだろう。
それでも心の底では、
わかってもらいたいという望みがあった。
どんなに荒れても、誰かに理解してほしかった。
わたしの人生は絶望しかけていた。
死のうとしたけれど、
臆病だったわたしは自殺なんてできなかった。
そんなときだった。
父親が逮捕された。
殺人罪で。
殺したのは不倫相手の女だった。
「あんたなんて初めから遊び。」
「奥さんとなかなか別れないし、あなたは金貢いでればいいのよ!!」
そう言われてカッとなって殺したらしい。
さすがに母親も驚いてた。
父親が殺人犯だというのは
またたく間に広がってしまい、
わたしはそこには住んでいられなかった。
だから遠くのおばあちゃん家に引っ越してきたのだ。
母親は、不倫相手の男には
独身だとうそをついていたらしい。
子どももいて、おまけにだんなが
殺人犯だと知って別れをつげられたらしい。
いい気味!!
そしてヒステリーになった。
わたしと別れぎわに
「あんたなんていなきゃこういうことにならなかった。」
「あんたさえいなきゃとっくに離婚してた。」
そう言われた。
今頃どうしているのやら。
もうあんな親なんて2度と顔も見たくなかった。
「友華ちゃん、よく来たねぇ」
おばあちゃんがお茶を入れてくれた。
「知らないうちに大きくなったんだね」
そっか、おばあちゃんとは何年も会ってなかったんだ。。。
「つらかったでしょ?
よく我慢した。えらかったよ」
「おばあちゃん。。。」
そう言われた瞬間、わたしの目から涙が出てきた。
こどもみたいに泣きじゃくった。
おじいちゃんもあとからやってきて
わたしの頭をなでてくれた。
やっと理解してくれる人がいた。
それがすごく嬉しかった。
なんでもっと早くここへ来なかったんだろう。
ちょっと後悔。
わたしは決めた。
この街にきたからには、2人を楽にさせたいと。
いかがでしたか?つづきもお楽しみに!!