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第1章

◎プロローグ



久しぶりだね。


あなたは元気にしてる?

そっちの世界でも、風邪ひいてない?


わたしは、相変わらずだよ。


あなたのおかげで、

寂しさから立ち直れたの。


あなたが言ってくれた



人間は、必ず生まれ変わるんだよ。

自分の大切な人間は、前世、現世、来世。。。と

ずっといっしょなんだよ。

だから、もし俺が死んでも、

何度生まれ変わろうがずっといっしょだからな。



ありがとうね。






第1章 あの頃


◎保育士


「。。。こうしてシンデレラは王子様と結婚し、

ずっと幸せに暮らしたのでした。おしまい。」


「せんせーい!!白雪姫も読んでー!!」

「え~ピーターパンのほうがいいじゃん!!」


「はいはい。

じゃあ明日、どっちも読んであげるからね。」


「やったぁ!!」


ちっちゃい子ってほんとに可愛いなぁ。。。

保育士やってるといつもそう感じる。

こどもの頃からの夢だったんだ。


「友華せんせいは、結婚してるの?」


「結婚ねぇ、してないんだよね~」


「え~みんなぁ~

友華せんせい、結婚してないんだって!!」


「じゃあせんせい、恋人はいるの?」


「りほちゃん、恋人なんて言葉、知ってるの?

おませさんだねぇ。」


「あっせんせい、恋人いるんだぁ!!」

「いるんだ、いるんだ!!」


「さぁ、どうかな?」


「教えてよぉ!!」


恋人かぁ。


あの人の顔が浮かんだ。

今週末、会いに行こうかな。



◎あの丘が見える


電車を降りたら懐かしい風景が見えてきた。


何年ぶりに戻ってきたんだろう?


光也と過ごした、5年間。


あの公園、光也とよく行ったなぁ。


丘をのぼり、墓地へ行った。


見つけた。

「辻光也」


お花を替え、水をかけ、

お墓をきれいにした。


ってそんなに汚れてなかったけど。


たぶん、おばさんのおかげだ。


光也には優しくて時に厳しいお母さんがいて、

うらやましかったな。。。


「友華ちゃん?」


「あ、おばさん!!」


考えてたらほんとにおばさんがいた。

久しぶりだなぁ。。。


「戻ってきてたのね!!

あらあら、もっと美人さんになってるわ。

元気してた?」


おばさんの笑顔、優しいな。


「おかげさまで。

仕事のほうも、順調です!!」


「そう。よかったわ。

友華ちゃんが元気そうであの子も喜んでるわ」


「。。。はい!!」


「もう6年も経つのね。

いまだに信じられない。。。」


「わたしは今でも光也だけを想ってます。」


「でも友華ちゃんも24歳だし、

そろそろ結婚とか考えだしてみたらどう?」


「いえ。わたし、光也と約束したんです。

ずっと一緒にいるからって。」


その約束を破りたくなんてないし、

光也以上の人なんていない。


「そうなの?

私も光也も、友華ちゃんが幸せになることを

いちばん、願っているのよ。

だれかと結婚することが1番の幸せだとしたら

そのときは光也は忘れなさい。」


「ありがとうございます。

でもわたしは光也といることが何よりの幸せです」


昔からおばさんには

いろいろお世話になった。


「友華ちゃん、今日はどうするの?

うち、泊まっていったら?」


「いえ。今日は電車もあるし、帰ります。」

ここにいると、寂しくなっちゃうから。」


「そっか。

また、いつでもおいでね。

おばさん、光也といっしょに待ってるからね。」


「はい!!

。。。それじゃ、失礼します。」


「気をつけてね!!」


この道をゆっくり降りてると、

あの頃のわたしたちが見えるような気がしてきた。


「友華」


ふいにそう呼ばれたような気がして、

思わずうしろを振り返った。


そこには。。。

昔と変わらない、あの景色があった。


それはわたしがこの町に引っ越してくる

10年前のこと__











































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