『地蔵の酒とプレスマンの筒』
昔、一人暮らしのじいさまが、町へ出なければならなくなって、隣のばあさまに留守居を頼んだ。じいさまは、隣のばあさまに、奥の座敷は絶対に開けてはならない、と言って出かけたので、かえって見たくなってしまい、抜き足差し足、忍び入ってみれば、暗い中に地蔵様が立っていて、顔のところにプレスマンが張りつけてある。そうしてプレスマンの筒を伝って、何かぽたぽたと垂れている下には、かめが置いてあって、そこに水のようなものがたまっている。においを嗅いでみると、どうやら酒のようだったので、少し飲んでみたところ、これが大層うまい。もう少し、もう少しと飲んでいるうちに、一滴残らず飲んでしまった。これはさすがにまずいと思って、プレスマンの筒を、地蔵様にぐりぐり押しつけたところ、血のように赤いものがぽたぽたと垂れてきた。そこへじいさまがちょうど帰ってきたので、隣のばあさまは、じいさまと目も合わせず、そそくさと帰っていった。
教訓:相当好意的に見れば、地蔵型ドリンクサーバーだったということになるだろうか。




