第四部:冬の合宿と告白編
◆ 第16章 ― 白銀の合宿スタート!
「雪、すごっ!」
窓の外を見て結衣が歓声を上げた。
白い息が部室にこもる。
外は一面、銀世界。
冬休み直前、ゲーム部は“冬合宿”へと出発する朝を迎えていた。
「合宿って、どんな感じになるの?」花音が不安げに訊く。
「もちろん、StarLinkの特訓合宿だよ!」さくらが元気よく笑う。
「……やっぱりそうなると思った」玲奈が苦笑した。
行き先は山奥のログハウス。
雪山と温泉と、そして夜通しのVRプレイ。
ゲーム部らしい“冬の修行”が、今始まろうとしていた。
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◆ 第17章 ― 星空の下のチームバトル
「はい、行くよっ! カウントダウン!」
部員全員がカプセルに入り、同時ログイン。
【Dive Start — StarLink Online】
目を開けると、そこは雪に包まれた惑星。
吐く息さえ白く輝く、美しい氷の世界。
「わぁ……本当に雪が積もってる……!」花音が足跡をつけてはしゃぐ。
「気温データ、マイナス12度。VRなのにリアルすぎる……」美月が腕をこすった。
さくらは雪を掴み、笑顔を浮かべる。
「この寒さも、冒険のうちだよ!」
今日のミッションはチーム連携訓練。
相手はAI艦隊を操る幻影ボス《グレイ・ノア》。
「後衛はカバーお願い!」
「了解、リンクシールド展開!」
七人の連携が光のように交差し、白銀の戦場を駆け抜ける。
「さくら、右側に敵艦来る!」
「大丈夫、こっちで迎撃する――スターランス、発射ぁっ!」
轟音とともに、雪原が光に包まれた。
「リンク率、95%……最高記録更新です」ルミナの声が響く。
「やったね!」葵が拳を上げた。
戦闘後、みんなのアバターが星空を見上げる。
冷たい光が降り注ぎ、静かな夜が訪れていた。
「……ねえ、みんな」
さくらが呟く。
「こうしてると、ほんとにこの世界に生きてるみたいだね」
玲奈が笑った。
「うん。でも、ここが“夢”でも、“現実”でも、どっちでもいいよね。だって――」
「――みんなといるのが、楽しいから」
雪が、静かに舞った。
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◆ 第18章 ― 温泉と、告白と。
現実の世界に戻った夜。
ログハウスの外は、吹雪が止み、満天の星空が広がっていた。
「ふぅ……生き返る〜」
湯気の中、花音がのぼせ気味に笑う。
「温泉、最高……」
玲奈が肩まで浸かりながら微笑む。
「VRもいいけど、やっぱり現実の温泉だね」
さくらは少し離れた岩の上で、夜空を見上げていた。
星が、まるでゲームの宇宙と同じように瞬いている。
「……ルミナ、見てる?」
思わずつぶやく。
そこへ、背後から足音。
「部長、こんなところにいたんだ」
悠真が湯上がりの髪を拭きながら立っていた。
「夜風、寒いよ」
「うん……でも、ちょっとだけ見たかったの。現実の星空」
「俺も、そう思って来たんだ」
二人はしばらく黙って空を見上げていた。
遠くで、みんなの笑い声が聞こえる。
悠真がぽつりと言った。
「……さくら。俺、ずっと言いたかったことがある」
「え?」
「最初にこの部に入った時、ゲームなんてただの暇つぶしだと思ってた。でも今は違う」
「――お前と、みんなとやってる時間が、一番楽しい」
さくらの胸がどくんと鳴る。
「悠真……」
「俺、ずっとお前のこと……」
その瞬間、上空で流星が走った。
言葉が星の光にかき消される。
「……今、なんて?」
「……いや、なんでもない。流れ星、見れたな」
悠真は照れ隠しに笑った。
さくらも小さく笑い返す。
「うん。……ありがと」
二人の間に、あたたかな沈黙が降りた。
湯気と雪の匂いの中、どこか甘くて、胸が少し痛い夜だった。
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◆ 第19章 ― 雪解けと誓い
翌朝。
山を包んでいた吹雪がやみ、陽光が雪面を照らしていた。
「今日は最終日かぁ……」結衣が名残惜しそうに言う。
「でもまた、春に再開だね!」花音が笑う。
帰りのバスで、窓の外を見ながらさくらは呟いた。
「また新しい冒険が始まる気がする」
悠真が隣で頷く。
「そうだな。……次はもっと、強くなろう」
「うん。みんなで、また“リンク”しようね」
バスが遠ざかっていく。
その先には、雪解けの季節と、新しい出会いが待っていた。




