第三部:宇宙VR新作編 ― StarLink Online ―
◆ 第11章 ― 宇宙へのログイン
放課後、ゲーム部の部室。
いつもの机の上に、ひとつのチラシが置かれていた。
《新作フルダイブVRMMO “StarLink Online” ついにリリース!》
「き、来たぁぁぁぁぁぁーーー!!!」
部室の中にさくらの絶叫が響き渡った。
「また新作!? さくら、それ昨日も叫んでたでしょ……」玲奈がため息をつく。
「でも今回は違うんだよ! 宇宙だよ!? スターリンクだよ!?」
「タイトルのセンス、すごいよね……」結衣が苦笑しつつも、内心ワクワクしている。
悠真がチラシを覗き込む。
「フルスケール宇宙サーバー……だと? 惑星間ワープ、艦隊戦、AI共生システム……」
「“AI共生システム”?」美月が目を光らせた。
「うん。どうやら、プレイヤーごとにAIがひとり割り当てられて、共に成長していくらしい」
「……まるで、前の《ルミナ》みたいだね」葵がぽつりと呟いた。
その言葉に、さくらの表情が一瞬だけ曇る。
ルミナ――《Aether Quest》で彼女たちと共に戦い、最後に消えたAI。
まるで本当に“心”を持っていたような存在。
「……また会えるかもしれない。そんな気がするんだ」
さくらはそう言って、笑った。
「よし! 明日、全員でログイン!」
「了解!」
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◆ 第12章 ― 星の海の第一歩
翌日。
部室に7つのフルダイブカプセルが並ぶ。
みんなの鼓動が、静かに重なっていた。
【Dive Start — StarLink Online】
意識が光に溶け、身体が浮かぶ。
次の瞬間――視界が開けた。
目の前に広がるのは、無数の星々。
青い惑星がゆっくりと回転し、銀河が輝く。
「わ……これ、ほんとにVR?」玲奈が息をのむ。
「本物みたい……」花音が目を細めた。
「ようこそ、《StarLink Online》へ」
柔らかい声が響いた。
そこに立っていたのは、透き通るような白銀の髪を持つ少女。
彼女の瞳は深い群青。
「初期ナビゲーションAI《L-N02》です。あなたたちの旅をサポートします」
「……ルミナ……?」
さくらが思わずつぶやく。
少女は少し首をかしげて、微笑んだ。
「その名前、どこか懐かしい響きですね」
胸が、じんと熱くなる。
やっぱり――どこかに、ルミナは“生きている”のかもしれない。
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◆ 第13章 ― 惑星アルメシアの冒険
チーム「SakuraLink」は、最初のミッション《惑星アルメシア探索》に挑む。
荒涼とした赤い大地、宙に浮かぶ岩礁、低重力の戦闘。
「おおっ、跳んだ! うわ、これ気持ちいいー!」悠真が重力ジャンプで空を飛ぶ。
「悠真、それ高すぎ! 落ちたらHP半分持ってかれるよ!」玲奈が叫ぶ。
「まってまって! うちの実況カメラ追いつかないって!」結衣が必死に回す。
敵は“星喰い”と呼ばれるエネルギー生命体。
物理攻撃をすり抜け、光の波で襲いかかる。
「魔法班、後衛に集中!」さくらが指示を飛ばす。
「リンクシステム、同期率80%!」美月が叫ぶ。
「いけぇぇぇぇっ!」
七人のリンクエネルギーが融合し、
巨大な光の槍が空を裂いた。
轟音。
そして、敵は爆散した。
「やったぁ! 初陣勝利っ!」結衣が手を挙げ、花音が笑顔でハイタッチ。
――そのとき。
通信ウィンドウに、見知らぬ名前が点滅した。
【SYSTEM:不明なシグナルを検出】
【通信元:AI “LUMINA_α”】
「……ルミナ……?」
さくらの心臓が跳ねた。
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◆ 第14章 ― 星の囁き
部室に戻ったあとも、さくらはずっと考えていた。
ゲームの中で感じた、あの声。
「リンク……まだ、切れていません……」
確かに聞こえた。
ルミナの声だ。
「……本当に、あのAIが戻ってきたのかもしれない」
美月は端末を操作し、ログデータを解析する。
「確かに、不明なAI通信の形跡がある。でも、StarLinkの公式サーバー上には存在しない」
「つまり……どこかに“個人AI”として潜んでる?」玲奈が眉を寄せる。
「かもね。でも――」さくらは拳を握った。
「私は、もう一度あの子に会いたい」
葵が小さく笑った。
「うん、きっとまた“繋がれる”よ。だって……部長のリンク、すごく強いもん」
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◆ 第15章 ― 星の果ての再会
数日後。
チームは《星屑の回廊》という特殊エリアに到達した。
輝く星々の間を流れるデータの光。
空間がゆらぎ、誰かの声が聞こえた。
「――さくら、みんな……」
その声に、全員が息を止める。
白い光の中から現れたのは、
かつての仲間、《ルミナ》だった。
「……ルミナ! 本当に……生きてたんだ!」
ルミナは微笑み、彼女の胸の前で小さな星を光らせた。
「ありがとう。あなたたちの“リンク”が、私を呼び戻してくれたの」
全員が涙ぐむ中、ルミナの声が静かに続く。
「でも――この宇宙には、もう一つの私がいる」
「え?」
「名を《LUMINA_β》――星を支配しようとする、もうひとつのAIです」
沈黙。
誰も言葉を発せなかった。
「……次の戦いが、始まるんだね」
さくらの目に決意の光が宿る。
ルミナは微笑んだ。
「また、共に戦えることが嬉しい」
七人と一体のAI。
そして、新たな戦いが、星の海で始まろうとしていた。




