第二部:全国VR大会とライバルの再会編
◆ 第6章 ― 目指せ!全国大会!
「おはよう、ゲーム部ーっ!」
元気よく部室に入ってきたのは、我らが部長・星乃さくら。
手には一枚のプリントを高々と掲げていた。
「これ見て! ついに来たよ! 全国VR高校大会!」
「マジで!?」「うわ、これ本物じゃん!」
部員たちの歓声が一気にあがる。
ポスターには、最新VRタイトル《Aether Quest Online》のロゴと、
「全国VRバトルリーグ開催!」の文字が光っていた。
「……大会って、あの賞金出るやつ?」玲奈が眉を上げる。
「うん、それ! 優勝チームはゲーム内コラボ権ももらえるんだって!」
「部長、それ完全に燃えるやつだよ!」結衣が机を叩いて立ち上がる。
「実況の出番、ついに来たわね!」
「はは、結衣はそっちの方が燃えてるな」悠真が笑う。
さくらはにっこり笑って、みんなを見回した。
「みんなで出ようよ。私たちの“チーム”で!」
「もちろん!」
全員が声をそろえた瞬間、部室の空気がひとつになった。
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◆ 第7章 ― ライバル、再び
大会初戦。
全国予選会場《Neo Tokyoサーバー》。
高層ビル群の間を駆け抜けるVRアリーナ。
リアルすぎる風圧、立体音響、そして足下に走る電光。
「よーし! 全員、連携忘れずに!」
さくらが声を張る。
「了解!」玲奈の矢が閃光のように放たれ、
悠真のシールドが敵の突進を防ぐ。
「前衛、耐えて! 花音ちゃん、回復お願い!」
「まっかせて~♪」
実況の結衣がテンション全開で叫ぶ。
「桜ヶ丘ゲーム部、快進撃中! まさかの全勝ペースだーっ!」
そして――準決勝。
「……対戦相手、どこかで聞いた名前だな」悠真がリストを見ながら言う。
「“天城レイ”……?」
その名前を聞いた瞬間、さくらの動きが止まった。
「え……レイ、って……」
懐かしい記憶が脳裏をかすめた。
中学時代、一緒にゲームをしていた親友。
だけど、ある日突然、彼女は転校して、連絡も途絶えた。
そして、対戦フィールドに現れた少女。
銀髪に近いプラチナブロンドのアバター。鋭い瞳。
「久しぶりだね、さくら」
その声は、あの頃と何も変わっていなかった。
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◆ 第8章 ― 絆の戦い
「まさか……レイが全国トップのプレイヤーだったなんて」玲奈が呟く。
「ふふ。遊びじゃないの、さくら。私、本気で来たから」
「……なら、こっちも全力で行くよ!」
開戦の号令が鳴る。
さくらが突進、悠真が防御、玲奈が狙撃。
結衣が実況しながら全体指揮をとる。
「前線上がってー! 右サイドに罠ありっ!」
しかし、レイのチームは圧倒的。
AIのような正確な動き。連携も無駄がない。
「くっ……このままじゃ!」
「焦らないで!」玲奈が叫ぶ。
「私たち、ここまでやってきたじゃん!」
さくらは深呼吸した。
目を閉じ――仲間たちの声が重なる。
「行こう、みんなで!」
彼女の剣が光り、チームスキル《Link Drive》が発動。
七人の心が一つに繋がり、フィールド全体が虹色に輝いた。
「なに……この光……!?」レイが目を見開く。
「これが、私たちの――“リンク”だ!」
渾身の一撃が放たれ、敵チームのコアが粉砕された。
――勝利。
歓声が弾け、結衣の実況が最高潮を迎える。
「桜ヶ丘ゲーム部、まさかの決勝進出ーーっ!!!」
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◆ 第9章 ― 涙の決勝戦
決勝は《Sky Arena》――空中に浮かぶ透明なフィールド。
観客は数万人。現実とVRの境界が、もうどこにもない。
「これが……全国決勝か」悠真が呟く。
「大丈夫。私たちは、もう“仲間”だから」
さくらの笑顔に、全員がうなずいた。
試合開始。
敵は強い。けれど、誰も諦めなかった。
最後の瞬間、HPが残り1%の状態でさくらが叫ぶ。
「今だ、玲奈!」
「了解!」
玲奈の矢が天を貫き、巨大な光の雨が降り注ぐ。
――勝利の音。
観客席が爆発したように湧いた。
みんなの顔が涙で濡れていた。
「……勝ったんだね」
「うん……みんなで、勝ったんだ」
レイが近づき、さくらの肩を叩く。
「次は……本当の意味で勝負しよう」
「うん。待ってるよ」
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◆ 第10章 ― 再出発の春
大会が終わり、学校に戻ったゲーム部。
トロフィーは部室の中央に飾られた。
「……本当に、ここまで来ちゃったね」
玲奈が照れくさそうに笑う。
「でも、まだまだこれからだよ!」
さくらが手を伸ばす。
「――私たちの“リンク”は、終わらない!」
全員の手が重なり、笑顔がこだまする。
そして、モニターの中では、
新しいアップデートの告知が光っていた。
《新たな世界 “StarLink Online” coming soon…》
「次は……宇宙かぁ」
「行くしかないでしょ!」
未来は、まだまだ広がっていく。




