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甘すぎ旦那様の溺愛の理由(※ただし、旦那様は冷酷陛下です!?)  作者: 夕立悠理


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15/16

烏滸がましい

 一通り、ルクシナード様に城内を説明してもらった。城内にはルクシナード様の言った通り、たくさんの花が飾られていた。


「ミレシア、どの色にかけますか?」


 賭けはどの色の花が一番多いか、よね。


 赤も多かった気もするけど、青も多いような……? いや、黄色かしら。

「……黄色です」


 自信がないけれど、若干、黄色系の花が多かった気がする。

「なるほど。……では、正解発表といきましょうか」

 どうかしら。

 ドキドキしながら、答えを待つ。


「答えはーー」

 ルクシナード様は、微笑んだ。

「黄色です。大正解ですね!」

「……嬉しいです!」

 やったわ!

 小瓶の中のお菓子が気になっていたから、とっても嬉しい。


「ふふ、ではまずはおひとつどうぞ」


 ルクシナード様は、小瓶から一粒お菓子を取り出すと、私の口元にもってきた。

 えっ、この体勢で食べるんですか!?

 これはいわゆる……。


 恥ずかしい。

 でも、それよりもお菓子に対する興味が優った。


 ぱくり、と口に含む。

「ーー!!!」

 甘くふんわりとした食感の粒は、ゆっくりと口の中で溶けて消えた。

「美味しい……!」

「喜んでいただけて何よりです。では、正解のご褒美に小瓶ごとどうぞ」


 ルクシナード様が小瓶を手渡してくれる。


「ありがとうございます! 大事に食べますね」


 毎日一粒ずつ食べよう。


「はい。……ところで」

 ルクシナード様は、私の耳飾りに触れた。

 しゃらしゃらと揺れる銀の耳飾りは、今朝アキがつけてくれたものだ。


「数日後の夜会の件ですが……」


 数日後に私のお披露目をかねた夜会があると言っていたものね。


「ミレシアは俺の妻だと示す夜会です。ーーなので、俺の……」

「?」


 ルクシナード様は、そこで気まずそうに目を逸らした。


「ルクシナード様?」

 いったいどうしたのかしら。


「俺の瞳と同じアクセサリーを贈るので、身につけていただけませんか?」

「もちろんです」


 私の祖国では、自分の髪や瞳の色と同じアクセサリーを贈るのは、自然なことだと思われているけれど。

 アムリファでは、そうではないのかしら。


「……よかった」

 ほっと息を吐き出したルクシナード様に首を傾げる。


「アムリファでは、あまりないことなのですか?」

「いえ……そうではないのですが。だって、下僕の俺が主たるあなたに、自分の色を纏って欲しいだなんてーー烏滸がましいでしょう?」


 ……ん?



いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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