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甘すぎ旦那様の溺愛の理由(※ただし、旦那様は冷酷陛下です!?)  作者: 夕立悠理


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12/16

賭け

 父から縁談の話をされたと思ったら、いきなり馬車に押し込められて。

 気づけば、隣国アムリファに転移して。

 そして、結婚相手は、冷酷と噂の皇帝だと言われて。

 てっきり、真実の愛のためのお飾り妃になるかと思いきや、皇帝……ルクシナード様に愛してると告げられて。


 うん、この短期間に色々と起こりすぎね。


 ……と、ちょうど着替えが終わった。

「どうでしょうか?」


 アキがどこからともなく姿見を持ってきて、見せてくれる。


「素敵に仕上げてくれてありがとう」

 結い上げられた髪も、銀色の刺繍が施された青のドレスも自画自賛ではなく、似合っている……と思う。


「いいえ、それでは失礼いたします」


 アキは微笑むと、音も立てずにいなくなった。

 一体どのような訓練を受けているのかしら。


 アムリファの侍女教育事情が気になりつつ、ルクシナード様が帰ってくるのを待つ。


 すぐに、控えめなノックが聞こえた。


「はい」


 返事をすると、ルクシナード様が扉を開けて入ってくる。

「!!!」


 ルクシナード様は、目を見開きのけぞった。

「……あの、どうされましたか?」

「いえ、ミレシアがあまりにも綺麗で。想定を超えすぎて、驚いてしまいました」


 ……甘い。甘すぎる。

 でも、それが嘘だと思わないのは、その瞳がどこまでも真摯だからだ。


「それは、……その、ありがとうございます」

 せっかく褒めてくれたのに、気恥ずかしくて小さな声になってしまう。


 けれど、それを咎めることなくルクシナード様は微笑んだ。


「今から全世界に自慢したいくらいです! お披露目をかねた夜会は、数日後ですが……」


 前半はともかくとして。

 そうか、夜会があるのね。


 皇帝妃として、気合を入れなければ。

 でも、私に皇帝妃なんて務まるのかしら。

 

「ミレシア」

「……? はい」


 ルクシナード様は近寄ると、私を抱き上げくるりと回った。


「!?!?!?」

「……ふふ。名前を呼んだら、応えてくれる距離にあなたがいる」


 噛み締めるように言われた言葉は、どこまでも嬉しさが滲んでいた。


 ……きゅっと胸が切なくなる。


 一瞬、その衝動のままルクシナード様の袖に手を伸ばしかけ、やめる。


 その想いに応えられるほど、私はルクシナード様のことを知らない。


 だから、私から触れるべきではないだろう。


「ところで、ミレシア。これから、城内を案内しようと思うのですが……」

 ルクシナード様は私を下ろすと微笑んだ。


「ただ案内されるのでは、退屈でしょうし。一つ、賭けをしませんか」

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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