表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
甘すぎ旦那様の溺愛の理由(※ただし、旦那様は冷酷陛下です!?)  作者: 夕立悠理


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/16

俺の幸せ

 朝食はとっても美味しく、腹の虫が満たされた。

「とても美味しかったです」

「それはよかった」

 ルクシナード様は微笑むと、私の頬を撫でた。


「ルクシナード様?」

「いえ、愛らしいなと思いまして」


 ……ルクシナード様は最初から私に対する好意を隠そうとしない。そして、私が全く身に覚えがなくても、それでもいいと言っていた。

 でも、本当にそれでいいのだろうか。


「ミレシア、難しい顔をしていますね」

「それは……」


 素直に、あなたのことが思い出せないからです! というのは、傷つくだろうし。

 なんと言ったものか。


「大丈夫ですよ」


 大丈夫ーー。まるで、おまじないをかけるように、ルクシナード様は繰り返した。


「あなたが生きていて、俺のそばにいてくれる。それが、俺の幸せです」


 その言葉に嘘偽りがないことは、容易に信じられた。だって、これ以上ないほど、幸せそうな表情だったから。


「……ルクシナード様」

「あなたが後ろめたさを感じる必要はありません。思い出して欲しいなら、俺から話せばいいだけですし」

 ルクシナード様は、初夜で、私がルクシナード様との過去を忘れていた時、それでいいと言っていた。


「それに、俺は……今の俺の方が好きです。あなたを幸せにできる力があるから」


 思い出すよりも、今のルクシナード様と向き合う方がいいのかしら。


「……ありがとうございます」


 そこまで想ってもらえるのは、誰かに幸運なことだ。

「いいえ。願わくば、あなたにもいつかは俺を愛してほしいものですが……それは俺の努力次第ですね」



 およそ冷酷皇帝という二つ名には相応しくない笑みで、ルクシナード様は、続けた。


「愛しています、ミレシア。俺のことを忘れていても、どうかそれだけは覚えていて」

「……はい」


 しっかりと頷く。

 私に今できることは、それだけだ。


「ありがとうございます。……それでは、ミレシア」


 なんだろう?


「お互い、朝の支度を整えましょうか」

「ーー!!! ……はい」


 私たちは、特に何もしていないけれど、昨夜は初夜だ。

 つまり、何が言いたいかと言うと、私はそれなりに男性を誘うような格好をしていた。

 ガウンを羽織っているとはいえ、そのような格好で今までいたことを思い出し、恥ずかしくて、死んでしまいそう。


「それでは、またあとで」


 気を遣ってくれたルクシナード様により、一人寝室に残される。


「ミレシア様」

「!?」


 突然名前を呼ばれ、驚いて振り向くと、アキが立っていた。

 気配を消すのが、上手すぎる!

「お召し替えをお手伝いいたします」

「……お願いします」



 ……それにしても。

 着替えさせられながら、私は、これまでの怒涛の日々を思い返していた。

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

もしよろしければ、ブックマークや☆評価をいただけますと、今後の励みになります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ