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甘すぎ旦那様の溺愛の理由(※ただし、旦那様は冷酷陛下です!?)  作者: 夕立悠理


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10/16

翌朝

「おはようござざいます、ミレシア」

 美しく穏やかな声に、微睡から目を覚ます。

 なんだか、とてもいい夢を見た気がする。

 まるで、思い描いたことがなんでも叶うような。


「……ん」


 ゆっくりと瞬きをすると、温かな青銀の瞳と目が合った。


「おはようございます……!?」


 一瞬、ここがどこかわからなくて混乱したけれど、徐々に記憶が戻ってくる。


 ここは皇帝夫妻の寝室で、私は目の前の麗しい皇帝陛下と結婚したのだ。

 その皇帝陛下の名前は……。

「ルクシナード様……」

「はい、ミレシア」


 ルクシナード様は嬉しそうに目を細めた。


「……よかった。俺の名前、覚えていてくれたんですね」

 さすがに一晩寝たぐらいで、忘れないとは思うけれど。

 でも、自分の状況がすぐに掴めなかったので、文句は言えない。


「ミレシア、朝食はどうしますか?」


 ルクシナード様は、寝癖がついてる、と微笑んで私の頭を撫でながらーーその姿も非常に麗しいーー首を傾げた。


「お腹は……空いています」

 いいタイミングで、ぐぅ、と腹の虫も自己主張する。


 恥ずかしい。


 けれど、それに気分を害した様子もなく、ルクシナード様は、微笑んだ。

「では寝室まで、食事を運ばせましょうか」


 ええっ!?

 そんなことをしてしまっていいの!?!?


 驚く私に、ルクシナード様は笑った。


「ふふ、今日は特別な朝ですから」


 ……そうか。

 今日は初夜の翌日。


 夫婦仲がいいことを表しておくほうが、これからのためになるものね。


「でも、よかった」

 ルクシナード様はほっと息をついてもう一度私の頭を撫でた。

「よく眠れたようですね」


 それはもう。

 悪い夢どころか、とてもいい夢を見た。


「はい。ありがとうございます」

「……!」


 私が微笑むと、なぜだか、ルクシナード様は顔を手で覆った。

「あの……?」

「いえ、目が潰れそうなほど眩しくて」

「えっと?」


 カーテンはまだ開けていない。

 隙間からわずかに光が漏れているものの、眩しいといえるほどではない。


「さすがは、俺の太陽ですね」

 まだ眩そうに目を細めながら、私を見られれば、さすがにわかる。

 だが、そんなに好意を示される理由が謎なので、どのような表情をすればいいのかわからない。


 ぐぅー。


「!」


 もう一度なった腹の虫。

 先ほどまでとは違う種類の気まずさを感じる。


「……ふふ。早く、朝食を運ばせましょう」


 笑ってそう言ってくれるのは、寛大以外に表しようもないけど。


 ルクシナード様が、手を叩く。

 すると、音も立てずに、アキが現れた。


 アキ!?

 あなた、どこに潜んでいたの!?!?


「朝食の用意を」

「かしこまりました」


 深々と頭を下げて、アキはすっとまた音も立てずに姿を消した。

 まったくアムリファは慣れないことばかりだわ。


 私が驚いている間に、ワゴンテーブルに乗せられ、朝食が運ばれてくる。

 おいしそうな香りが漂よっていて、また腹の虫が自己主張激しく鳴き始めた。


「では、食べましょうか」

「はい!」

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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