11 エピローグ
「嫌と言われましても、私は私の番である貴女を離すことはありませんよ」
私を膝の上で抱えている銀髪赤目の男が言う。番……つがい……なんて哀れな者たちなのだろう。
彼らは神に弄ばれているとは気が付いていない。ああ、でも黒の聖女と首だけになってしまった男は、 世界の楔から解き放たれても共にいたわね。
それが幸せなのかどうかは、私にはわからないけれど。
「悪いけど、番だろうがなんだろうが、私は魔女ですから貴方と生きる時は違うのよ」
「構わない。それなら寿命を合わせる術でも作りだそう」
「は?」
何なんですの?その寿命を合わせる術って。そんなことは、不可能だと思います。
「そうですね。この国は多くの神を崇めています。その神たちに願いましょうか。私の愛しい番と共に生きる時をくださいと」
「時が欲しい?」
その言い方はおかしいですわね。まるで共に生きる時が元々なかったかのように聞こえます。
「共に同じ時を生きましょう。まずは恋人から始めませんか? 私の愛しい番。」
だから、魔女の私に恋とか愛とか求めないで欲しいわ。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
これは白き神の世界シリーズの作品になります。
本編は『番とは呪いだと思いませんか』です。
大まかにはこちらの作品の過去の人物として『大魔女エリザベート』が描かれています。
この作品は白き神の世界で、一つの転換点の話になっております。
単体でも読めるとは思いますが、色々説明が漏れていたらすみません。ご意見があれば、本文に追加いたします。
物語としては婚約者のすれ違いですね。
三千年生きた大魔女となったきっかけは、二度死んで二度生き返り、世界の楔から解き放たれたことによります。つがいという楔にも囚われないと。
アレクは後悔したときには全てが遅かった。ならば、未来に托そうとグローリア国を建国した愚かな男を哀れんで、神々がちょっかいをかけた事により、後に魔導王国と呼ばれるまで、発展します。
嘆きの淵にいたエリザベートは空島で初めて自由な生き方をし、首だけの男の願いを叶え、カウサ神教国が死の国になるきっかけのその場におり、死の王を誕生させる。という長編に突入するので、叶わなかった初恋を神からの押し付けがましい番という形で、与えられたという話で閉幕です。あらすじのところのみですね。
ただ、エリザベート視点では、聖女の狂乱が何故起きたのか、首だけの男が何なのかは詳しくは描かれません。その物語は『聖女は魔に転じて世界を狂わす』になります。
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ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。




