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第6話︎︎ 俺を置いて先に行くな!!


汰百はこれまで、様々な侮辱や差別的言動を浴びせられてきた。


鋭利な言葉は、まるで銃弾の様に彼に降り注ぎ、心に風穴を開けた。


しかし、その度に見返してやりたいといった原動力にもなり、努力を継続出来たのかもしれない。



ヒュン!!ヒュン!!!



「これも受けたら努力とかで治るかなぁ!!」


「バカかい?僕なら治せるけど、君からしたらすっごい痛いし今食らったら逃げられないよ。」



ウェドは淡々と貶した言葉を返す。


かの大怪盗のごとく絶妙な足運びで銃弾をかわす彼らは、次のプランを考えていた。



「君、これを着て逃げて。僕は飛ぶ。」


「はぁ!?なにいってんだ!見殺しにするのか!?乗せてけよ!!」


「そのローブには認識阻害の術式が編まれてるんだ。むしろ囮になるのは僕の方さ。」


「おまえ!!そんな悲しいこと言うなよ…一緒に逃げようぜ。」


「…1人で逃げるのが怖いだけだろう。平気さ。後ですぐにそちらに向かう。」



ウェドはため息を吐き、呆れ顔で翼をはためかせた。


チッと悪人顔で舌打ちをする彼は、渡されたローブに袖を通す。



(ほんとに平気だろうなこれ…。効果無かったらあのメストカゲ末代まで呪ってやる。)



あのドラゴンをこうも馬鹿に出来るのは彼くらいだろう。


そして彼自身自分の立場をわかった上で茶化している。


そして彼は、この現状に何か引っ掛かりを見つけ、ふと立ち止まった。



(あれ?あいつなんで撃たれてんだ?最強なら世界的に知られててもおかしくなくね?)



そして徐に振り返る。


つい先程まで嵐のように降り注いでいた銃弾は、忽然とおさまっていた。


そして遠くに見える門の前には、鉄の雨の元凶2人の他に1人増えている。


何やら叱っているようにも伺えた。


バサバサと彼の隣に降り立ったのは、囮を買ってでたドラゴンだ。



「どうやら、ことが上手く運んでいるみたいだ。やっと気づいたのかい…失礼だなぁ。」


「どういうこった?」


「君の推論で当たりかもね。」



彼は首を傾げると、見てればわかると門の前の彼らに視線を促す。


すると、向こうにいた1人がほかの2人の頭頂部を掴んで引きずり回し、超全速力でこちらへ走ってくるのが見えた。


遠目だったため分かりにくかったが、近ずいてくる度にその図体の大きさが測れ始める。



「え、何怖い怖い。」


「敵意はないよ。大丈夫。」



その大男の体長は、目測だけでも2mは軽く超えるだろう。


傷だらけの鎧を拵えて、背中には太刀を背負っている。


白髭白髪を生やし、長い髪を後ろで縛っているようだ。


その老人の走りは、ズドンと踏みしめる1歩だけで地面に亀裂を生じさせる。



「ヤバいってあいつ!超ヤバいって!」



するとその老体は、大地を強く踏み締めこちらに飛び込んでくる。


が、そのまま手に持った先程の門番と自分の頭を地につけて、走っていた速度の勢いを殺した。



「もおおおしわけございませぬうううううう!!!!」



汰百は唖然と同時に、先程まで自分が命を狙われていた門番2人に同情までしてしまう。



「まさかあの4大列強武神にして最強の格!!アグネスドレイク・ウェルドラゴ様とは露知らずッ…!!!」


「君たち人間の文化では格付けが生きる糧なのかい?なんにしても彼らと同じ枠組みなのはごめんだよ…。」



呆れ顔でそう言うウェドは、出会ってすぐに見せた変幻の魔法でまた眩しく光り輝き始める。


そこに現れたのは、赤い瞳に眩しい程白い肌、肩上位の艶のある黒い髪に余所行きの黒いドレスを身に纏った美しい少女だった。



「それにしても…傷ついたなぁ、とっても傷ついた。まさかそんなに怖がられるとは思わなかったよ…。これじゃあ僕がなんのために君たちに優しくしてきたかも分からないじゃないか。なぁ、王国騎士団団長フィリップくん。」


「…この老体になんでもお申し付け下さい。」



フィリップは頭から血を流しながら覚悟を決めた様子で言う。



「話が早くて助かるねぇ。僕が編んだ術式とは言え、君も素人ではあるまい。そこの彼のことも気づいているだろう?僕と彼の分の身分を証明できる物が欲しい。」



ウェドはニヤリと笑う。


その返答に少し驚いた表情を見せるフィリップだったが、すぐに頭を下げる。



「すぐ手続きを。」



汰百がぽかんとしている所をウェドが背中を叩いて入国を促し、歩き出す。


彼はようやく状況を把握したようで、彼女の後ろをただ着いて言った。


が、急旋回し顔面ブレーキを食らって気絶中の門番の所まで早足で戻り、胸ぐらを掴む。



「あのトカゲだけ狙うならわかるが俺まで狙う必要無かったんじゃねえかぁぇぇ?てめぇこのやろぅ…!!」



彼は小さかった。


読みやすいように編集しました。

後、キャラの外見とか詳しく書けてなかったので今後気をつけて書いてみます。


面白かったらいいねとか色々ください!

期待しちゃいます。

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